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迷っても大丈夫

タイの瀧澤です。
今回は、約2か月に及ぶ長い夏休みを満喫中の我が家の娘(11歳)のタブレット型パソコンの使用時間のルールについて、迷った時のことを書きたいと思います。

1年前の夏に、娘は自分専用の新しいタブレット型パソコンを手に入れました。その時にネットリテラシーについて話をし、使用方法や使用時間についてのルールを決めました。娘に、ルールや時間を自分で管理できるようになって欲しいとの思いからでした。

最初は、スクリーンタイム機能なども活用し、ルールに沿って使用していたのですが、学校の授業で自分のタブレットを使用するようになってから、遊びだけでなく学校に関わることでも使用する機会が増え、最初に決めた1日○時間、という約束は何となくうやむやになっていきました。

平日は学校や習い事もあり、帰宅後に長時間利用することはないのですが、休日などフリータイムが多い日は、「あれ?まだ見ている!」と思うことがあり、「そろそろ約束の時間すぎてない?」と私が声を掛けて終わりにすることが続きました。
声を掛けるたびに、以前決めたルールが機能してないこの状態をなんとかしたいと思いつつも、日常生活に支障が出ているわけではないし、と決定を先延ばしにしていました。

なぜ、ルールがうやむやになり始めた時にすぐにルールを更新し、使用時間を守るように働きかけなかったのか。それは、私の中に迷いがあったからでした。
ひとつは、タブレットの使用から彼女が興味の幅をひろげていると感じていたこと。動画から、彼女は様々なことを学んでいます。動画だけではなく、ゲーム、クロスワード、数独などの娯楽系から、絵を描くなどのアート系、ちょっとしたメモ、スケジュール管理、やることリストなどの日常生活に関わる事、学校の宿題や課題などの勉強系、1年前ルールを決めた時に私が想定していた以上に、彼女は様々なことにタブレットを活用していて、時間設定は何時間が妥当なのかという迷いです。

もうひとつは、タブレットをもともとの約束の時間以上使用することはあるけれど、宿題は自らやるし、成績も自分の目標を達成しているし、やるべきことは自ら取り組んでいたこと。そんな娘の成長も感じていて、ルールとして時間を設定する必要はないのかもという迷いです。

しかし、夏休みに入ってから、朝起きてすぐにタブレットを見始め、食事だよと声を掛けてもなかなか来ない、そんな娘の様子をみていると、迷い続けていても何も変わらない現状を受け入れ、使用時間のルールなどを見直して実行する必要があると感じました。
とはいえ、迷いが解決したわけではなく、そんな中で私が辿り着いたのが、迷っていることも含めて娘とルールを一緒に決めること、でした。

これまでも、今回のようにすぐに判断できずに、何が最適なのか迷いながら過ごしてしまうことが私にはありました。
その度に、親なのに自分の中の判断軸が確立していないことに、もどかしさのような情けなさのようなものを感じていました。親は迷わず判断をくだすもの、迷っていると子どもに伝えたら、子どもを迷わせてしまい、良い結果を導けないのではという思いもありました。なので、迷っていることも伝えるというのは新たな試みでした。

ある日の昼食後、「タブレットは使用することの利点もあること、あなたが動画をみたりゲームをしたりすることに夢中になるくらい大好きなことを理解していること、でも長時間の使用が成長中の子どもの脳や成長に悪影響を及ぼす可能性があるというデータもでていること、そのうえで何時間の利用がいいのか母は迷っている」こと、「迷ってはいるけれど、今はあなたに時間を自分で管理することができるようになって欲しいと思っている」こと、そんな私の素直な思いを伝え、1日の使用時間など新たなルールを話し合いました。

といってもじっくり話合うというスタイルではなく、「ママは2時間が良いと思っている」「それは短い! 3時間!」「2時間半!」「わかった!」とオークションのような感じで決まったのでした。
親が迷っていると伝えることで、娘に不安や戸惑いを与えるのではという私の心配をよそに、楽しく交渉し合うという娘らしいスタイルでルールが決まりました。

数日経過し、「あと10分でお風呂に入るから。」など自分で終わりにする時間を宣言するなど、試行錯誤しながらルールと向き合っている娘の姿をみて、これまで迷った時に感じていたようなもどかしさや情けなさのような感情ではなく、親が迷っても大丈夫、判断をくださなくても大丈夫、迷ってもそのことを受け止めて、前に進む方法を一緒に探していけばいいと思えるようになりました。

2024年7月22日
タイ/瀧澤かおる 
NPO法人ハートフルコミュニケーション認定ハートフルコーチ

 


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