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冒険の旅
石川県の石垣です。
私は先日アメリカに行きました。英語の話せない私にとって帰国は現地に住む娘と一緒で気楽だったのですが、行きは一人旅。まるで小さな子どもが初めておつかいに行くような私の冒険の旅について綴りたいと思います。
人生も後半戦に入った私にとって、この旅は大きなチャレンジでした。一人きりの旅、そして言語の壁。でも、少し背伸びすればできそうなチャレンジで、1年半ぶりに娘に会いたい気持ちと片道だけのチャレンジで済むことに背中を押されて、飛び立つことに決めました。
しかし、十数年ぶりの海外旅行。準備の段階から、飛行機の予約〜パスポートの登録やオンラインチェックイン、観光ビザのネット申請など、様々なことが変わっていました。
時代の変化をひしひしと感じて戸惑いつつも、一つ一つは調べたり考えれば何とかできました。私は小さな子どもが無邪気に「できた!」と喜ぶように、タスクがひとつ減る度に達成感を味わいながら自信をつけていきました。
なかでもとりわけ私にとってハードルが高かったのは、海外でスマホを使えるようにすること。ポケットWi-Fi、SIMカード、eSIM…どのツールがいいのか? 私のスマホは対応機種なのか? どのサイトのものが安全? たくさんのハテナが頭の中を飛び交い、何度先送りしたことか。eSIMが良さそうだけど、初めてのことで疑問や不安があったので決めきれずにいました。
いよいよ日が迫ってくると切羽詰まってきて娘に相談をしました。すると「私もeSIMがいいと思う。簡単にできるよ」と自信のない私の背中をそっと押してくれました。また、漠然とした不安に対してはイメージできるように説明してくれたり、スマホを海外で使えるまでのステップを提示してくれ、私の不安は自分で抱えられるサイズの不安になりました。
教えてもらった操作手順を参考にしながら、恐る恐る画面をタップ。何とか自分でeSIMのインストールに成功!やってみると簡単で、「eSIM」という私にとって未知のものに必要以上に不安を感じていたんだと思いました。
そんな自分の姿がふと息子(小6)が「どうやればいい?」と恐る恐る包丁やコンロを扱い料理する姿と重なって、子どもが成長する過程みたいだなぁと感じました。この旅の準備は私にとって初めてのことが多く、人生経験の少ない子どもが日常の中で成長する姿に似てると思いました。
人生経験豊富な「親の立場」から子どもがどんなサポートを必要としているのか想像するのではなく、知識も経験も少ない子どものような立場で何を感じるのか?どんなサポートが嬉しいのか?旅の準備を通して体感することができました。
そして、いよいよ出発の日を迎えました。飛行機は無事に私をアメリカまで連れて行ってくれ、次の難関ポイントは「入国審査」です。
英語での質問に焦りながら、フィーリングとカタコトの英単語で答えて何とかパスすることができました。やり取りの中に何も特別なことはなかったのですが、「Emi,You are lucky!」と入国審査官に見送ってもらって無事に入国。軽い足取りでゲートをくぐった先に娘の姿を見つけることができて、私のミッションは無事クリアしました!
ホッと一安心した私の胸には、「You are lucky!」というポジティブな言葉が刻まれていました。何の根拠もない言葉でしたが、倍増したウキウキ感で旅を存分に楽しむことができました。
言葉のパワーってすごい! 私が子どもにポジティブな言葉をたくさんかけることができれば、その言葉のパワーが子どもの力になるだろうと確信し、これからは特に意識していこうと思いました。
経験に勝るものはない。
私の冒険の旅は、子育ての視点からも学びの多いものでした。アメリカでの留学をやり遂げた娘も、たくさんの経験を通してとても成長したのでしょう。久しぶりに会った彼女は、ひと回りもふた回りも大きく見えました。
今度は息子と海外旅行へ行って、彼の成長をサポートできる日が楽しみです。
2025年2月10日
石川県/石垣恵美
NPO法人ハートフルコミュニケーション認定ハートフルコーチ