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3年前の自分から手紙が来た

すっかり秋らしい空気になりました東京。
みなさんいかがお過ごしですか?
僕は今週末のTOKYOハンドメイド祭に出展するため、日夜レジンを作りまくっております。(もしくは必死で秋アニメを追いかけています。)

さて今日は、突然自分から来た手紙がとても面白かったので文面をnoteに記して残しておこうかな、と思います。

どゆこと?って思いましたよね?

僕は2年半前に、とあるインターンシップに参加していて、その最終回のお題で「3年前の自分に手紙を書く」というのをやりました。それをインターンの会社さんが年月を経て送ってくださったようです。

そのインターンは、あのベストセラーになった「伝え方が9割」の著者、佐々木圭一さんの会社で行われているもので、大学生が多い中僕のような年配の者も参加させていただく機会があり、とてもありがたく色々なことを学ばせていただきました。

そのインターンのこともとても面白かったのですが…今日はそれでは無く、僕が課題で書いた自分へのメッセージを綴ろうと思います。
とても長いし、独りよがりかもしれないのでお時間ある方は読んでみてください…以下、お手紙です。
※は内容の説明のため、現在の僕が補足した文章です。


2024年のNへ(※半年早く届いたため2024年になってます。本名をとりあえずNとしました。ご了承ください。)

 この手紙を2021年1月14日(木)書いています。○○(インターンをやってくれた会社さん)の最後の回の課題で、3年後の自分への手紙を書く、というワーク中です。

 3年後のこの時期を振り返って、あなたはどんな印象ですか?仕事を諦め、いろんなことを経て、2021年の私は「旅するように生きる」「失礼なことをしてもあやまらない」「もう他人のために自分の能力を使わない」など、これまでにない生き方を始めましたね。今までの人生のどの時期よりも自分らしく、自分を大切にする生き方をしよう、と心に決めた年でした。合ってますか?

 今のあなたはそれから3年が経って、どんな人生を過ごしているでしょうか。願わくば、Nらしく、生きてくれていることを願います。

 3年前の私は特に2021年を迎えて、色んなことを感じています。社会の中で「より成功し、より他人から抜きん出たものだけが正しい」という価値観にうんざりし、それらを提唱している今まで師事してきた人たちを、どこか薄っぺらく感じています。資本主義の中で生きていくには、私のような考えの者は時代遅れなのか、それとも文化的でないのか、よく分かりません。世の中の大半の人たちは、若者に、これからより大きく、強く、お金を稼ぎ、成長し、他人より一歩先へ、富める者へと変貌を遂げることを期待していますし、そんな若者が生まれることを望んでいます。

 私も、自分に対してそうあるべきだと思っていたし、いつまでたってもそうなれない自分を、ここ数年残念に思っていました。次こそはもっと大きく、来年こそはもっと稼げるように、数年後はずっと今より富めるように、と。でもそうなりませんでした。もちろん努力が足りなかったのかもしれないし、もっと頑張れば叶うのかもしれません。

 でも、会社で働いていじめに遭ったり、自分の身も心も傷つけてみたり、社内で自分と同じ境遇の若者がやはり世の中の食い物にされているのに、自分は何もできずに見ているしかない無力感に苛まれてみたり。

 私はコロナ禍にあって、世の中に何も貢献できないし、何も変化をもたらせないし、間違っていることに対して何の力も権限も持たず、子供の頃思っているよりずっと大人は何も出来ないのだ、と2020年に改めて思い知らされました。

 いったい私は何をしてきたのだろう、そしてこれから何をしていくべきなのか、本当にわからなくなりました。Aを辞めた時も、Bを辞めた時も、Cを辞めた時も、同じように迷い、不安を抱え、分からなくなり、のたうち回りましたが、今回のこの「虚無感」とは全然違いました。

 私は、ここ数年勉強してきたことから、この焦燥感や無力感はすべて、脳が見せている「不安→期待」のスパイラルだと、本当の意味で気付きました。

 人類が古代より、未来に不安を覚え、他人に恐怖を感じ、対応策を講じて生き長らえてきた古のプログラミングにより、精神の「食品添加物」であるアドレナリンやドーパミンが、すべての負のスパイラルの根源であると。

 神は本当に恐ろしいデザイナーだと思います。人間に感情の昂りを植え付けたり、承認欲求を植え付けてみたり、このシステムを設定するなんて、本当に酷なことだと思います。

 私はこの「不安」がる脳のシステムはまさにコロナウイルスの働きと同じだと思います。コロナはどこまで人類を滅ぼすつもりなのでしょう。きっと、このコロナは心底人類に滅んでほしいわけではないのでしょう。私の脳みそも、こんなに私を苦しめ、不安に叩き落とし、焦りや恐怖のどん底へ突き落としておきながら「長生きして欲しい」のです。だからこそ、不安を掻き立て、昔あった嫌な記憶を引っ張り出し、夜中に眠れないほどの孤独感を湧き立たせ、次の日もっと稼げる方法を朝日が昇るまで考えさせるのですから。

 コロナもきっと、神様のプログラミングのおかげで、人間にひどい仕打ちをしているのですが、それはきっと、人間にもっと賢くなって、もっと生きながらえて、さらに子孫を残して欲しいからに違いありません。

 私はコロナウイルスのように生きていくべきなのかもしれません。世の中の人にとって失礼で、怪しくて、恐ろしくて、迷惑極まりない存在として目に映り、とんでもない変化と、人々に恐怖を植え付ける存在。それこそアーティストなのかもしれません。そう、コロナウイルスは最もアーティスティックな存在なのです。

 ウイルスは古来より、人間を恐怖のどん底に突き落とす異形の存在でしたが、そのおかげで、人間の精子と卵子が結びつき、細胞分裂によって遺伝子を残す術を学びました。アートもまさに、人々に感性の細胞分裂を与え、発想や思考に画期的な変化をもたらしてきたのだと思います。

 きっと、私はそんな巨大な生物史の潮流のほんのわずかな一瞬に生きているにすぎないのでしょう。

 3年後の私は、この手紙を見てどう思うでしょうか。たった3年前に私がそんな風に思って過ごしてきたことを、いとも簡単に忘れ去っているでしょうか?それともこの考えにさらなる飛躍を加え、より深い理解を楽しんでいるでしょうか?

 私はそれが楽しみでもあり、恐ろしくもあります。

 長くなりましたが、せめて3年後は、一度は藤井風くんのLIVEに行っててほしいと思います。(※これは達成できてます。良かったね、3年前の僕!)3年後のあなたはもっと素敵な曲を聴き、素敵な映画作品に触れていることでしょう。それがとても羨ましいです。

 コロナでたくさんの芸術が蓋をされたり、アーティストが困難にぶち当たったり、生活困窮者もたくさん生まれています。私も明日は我が身だと思います。

 ただ、Rは(※2013年に亡くなった僕の弟)やはり27歳で亡くなり、生きていてもきっと半身不随などで思ったように生きられなかったのではないでしょうか。それを思うと、人の命などなんとはかなく、もろいものでしょう。

 私は、その経験があればこそ、いつでも初心に立ち戻れるような気がしています。だからこそ、今年はもっと自分に対して温かく、甘やかす気持ちで過ごしたいと思います。

 3年後のあなたにも、あなた自身が私に対してずっと優しくしてくれていることを望んでいますし、期待しています。

 3年後のNは、自分を大事にしていますか?自分のやりたいことを優先していますか?誰かに失礼なことをしても、あやまらず、ちゃんと挨拶せずに生きていますか?日々旅をするように生きていますか?そして、会社を辞めて、ストレスなく、自分の時間をしっかり持って生きられていますか?

 もちろん、3年後は3年後で新しい価値観や、生き方の基準があるかもしれません。今の私にはない視点が生まれていたら、それはそれで楽しみです。

 世の中は相変わらずクソだと思いますが、どうかそれに振り回されずにいてください。今の私も精一杯自分の内面を鍛えようと頑張っています。3年後の私が毎日過ごしやすくなるように、環境を整えて、私が生きやすい状況をしっかり作っていこうと思います。

 3年後のNのために。
 あ、あと、コロナが落ち着いて、台湾に一人旅出来てると良いなあ…ではまた。  名前


と、ここまでてお手紙は終わっています。
そう言えばそんなこと書いてたなあ、と覚えてることもあるしすっかり忘れていることもありました。

ただ、思いの根幹はずっと同じところにあったのですごく良かったなと思ったし、随分筆が乗ってたなあ(笑)とちょっと気恥ずかしくもなりました。

さらにはコロナ禍真っ只中の緊張感というか、先行きの不透明な時代を進んでいるような気配が文面から感じられて、このヒリヒリとした感じを覚えておくことは必要かな?とちょっと思いました。

どんな他人の言葉よりも、こうして自分が書いた手紙が何より嬉しいのは初めてで、これからの未来の自分へも、優しくあろう、と思えたのでした。

あとやっぱ台湾行きたい…この約束はなるべく早く実現したいと思いました!
おわり

差出人が無くて随分怪しんだけどよく見たら自分の文字

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