瀬戸内ハンドメイドマルシェ
沖縄、奄美地方が梅雨明けしたそうですね。
僕は小学校3年生から高校卒業まで、鹿児島県の徳之島に住んでいたので梅雨明けの島の日差しを思い出して、この時期は島の海で泳ぎたくなります。
さて6月24、25日の土日2日間、愛媛県松山市で行われた、「瀬戸内ハンドメイドマルシェ」に参加して来ました。
2023年2月にも同じところでイベントに参加して、松山は2回目の訪問でした。
僕は中学生の時、司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」という小説にハマったことがきっかけで、正岡子規が心の師匠になりました。
小説の舞台であり正岡子規の出身の松山はいつか訪れたい、憧れの土地だったので、ハンドメイドでこうして何度も訪れることができてとても嬉しいです。
ハンドメイドイベントでは、周りのブースさんも、お客さんも、運営スタッフの皆さんも温かく優しい方ばかりでとても癒されました。
ものづくりが好きな人たちの、人を思いやる気持ちは本当に全国どこに行っても感じます。
ハンドメイドの文化というのは、作るのが楽しい、と言うだけでなくそれを人に手渡す、楽しい気持ちを伝染させたり共有できる、というコミュニケーションの側面もあるように思います。
小さい頃から憧れだった明治の志士たちの名所を巡ったり、今自分が傾倒してるものづくり、ということをしみじみ考えて、今回の旅は色んな感慨が湧きました。
僕は今年39歳になり、今度40歳になろうとしています。40歳の大台に乗る前に、ずっと夢だったハンドメイドをやる、という目標を掲げて2022年から波飛打(ハートビーツ)として作品を発表するようになりました。
20代から30代前半の頃は、仕事や人間関係で疲れ果て、そんな余裕はなかったです。アニメーターやイラストレーターとして有名になりたかったけど、上手くいかなくて自信も失くしていたし、生活するだけでいっぱいいっぱいでした。
誰かに引き上げてもらいたくて、何かに依存したりしていました。きっといつか、第三者が自分のことを見出してくれて、大成功することを待ち望んでいました。
だけど、そんな機会は絶対に訪れませんでした。自分では努力してるつもりで、こんなに頑張ってるのに世間は何故自分のことを認めてくれないんだろう?といつも落ち込んでいました。
そんな中、コロナ禍で外に出れなかったり、行動が制限されてたくさんの機会が無くなりました。
自分だけで無く、世界中の人が孤独になりました。
ハンドメイドにハマったのはストレス発散のためもありましたが、自分のやりたかったことを改めて見直すきっかけにもなり、さらには「自分から状況を変えていかないと何も変わらない」と心から思うことに繋がりました。
今回、松山でお会いした何人かの方も、すごく行動力があり、若くてポテンシャルの高い方がたくさんいましたが、挫折を味わった経験から、チャンスやチャレンジのきっかけを他人に委ねてる方がいました。
とても勿体ないな、と思うのと同時に、若い時の自分を思い出しました。
こんな偉そうなことを何者でもない僕が言うのも驕りかもしれませんが、人生は一度きりです。
何をしても、何を目指そうと、結局は自分の責任だし、上手く行っても行かなくても、自分の選んだ結果なんです。
人と繋がったりご縁を大事にするのも良いことですが、それと他人に依存したり選択する勇気から逃げることは全然違うことです。
僕は祖父母も両親も商人です。昔から商売人の大人の背中を見て育ちました。三方よし、の精神が僕の屋台骨となっているような気がします。
だからこそ、お金を稼いだり、利益を得るためには、しっかり自分の頭で汗をかいて、自分の体を動かして、筋を通さないと、いつかきっと痛い目を見る。逆に、辛い時期や苦しい時期をしっかり受け止めて、孤独で不安かもしれないけど、自分の選んだことを、しっかりコツコツ積み重ねてやっている商人のことを、お客さんはしっかり見てくれているし、応援してくれるものです。
若い人は、中々それは分からないかもしれないけど、不安な気持ちから逃げないでほしい。誰かの言いなりじゃ無くて、勇気を出して自分の頭でちゃんと考えて、人生を生きて欲しいです。
若い時の僕に今の自分の姿はどう映るのかなあ?もし会えたとしたら「すげー楽しくて毎日面白いよ。頭はげるほど不安だけど」って言いたいです(笑)
あ、あと松山にきっといけるから楽しみにしててね、とも言えるのが嬉しいです。