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細井健二さんの個展「異次元の予感」〜高円寺「ポルトリブレ」にて



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リンクに飛ぶのが面倒な人もいるでしょう。全文を貼っておきます。


高円寺「ポルトリブレ」@ 細井健二展『異次元の予感』
2024年12月10日、高円寺「ポルトリブレ」@ 細井健二展『異次元の予感』。昨年の個展『古の水辺』に感銘を受けたので、楽しみにしていた展示。今回は予定が目一杯で行けないかもしれないと思っていたが、打ち合わせが思いのほか早く終わったので立ち寄ることができた。
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前回に引き続き、 “ 水辺(海底・潮だまり)や舟 ” を描いた作品が中心。壁いっぱいに細井さんの世界が広がっていた。大小33点の作品の中で、今回はボトルを描いたものがひときわ目立つ。ファンからの「ボトルを描いてほしい」という声が多いというのが理由。細井さんは某洋酒メーカーの技術のトップとして名を馳せた方。リタイヤした現在も全国で活躍されている。ボトルを描いてほしいとお願いされるのもうなずける。
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「最近になって絵を描くことが自分をサルベージ(引き揚げ作業・救助)する行為だったと気がついた」。これは自分に内在する海民の遺伝子が絵を描かせていると確信するに至った細井さんの言葉。高校時代にピカソに触発され、大学ではシュールレアリズムやフォービズムに傾倒し、就職後も毎年個展を続けてきた。日曜画家のような趣味的なレベルではない。自身の求めるスタイルを半世紀ほど追求し続けてきた。そして辿り着いたのが、「水」と「舟」、そして背景にある「遺伝子」の存在。具体的に紹介すると長文になってしまうので割愛するが、会場では「魚の仲卸・海運業を営んでいたルーツ」「先々々代にあたる船主細井音松の良栄丸遭難事故」「太平洋戦争で撃沈された先々代の細井寅吉氏の徴収されたタンカー」「補陀落渡海(ふだらくとかい)」「黒潮反流」「貝殻」などといった海に関する話が続いた。
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作品は石塑粘土などを用いた表情豊かな絵肌にアクリルで描き、その上に工芸漆を塗るスタイル。海底から見上げるパターンや上空から潮だまりを見下ろすような視点。描かれた作品の中央部分に、少し変わった模様が描かれている。これは3次元から2次元へと要素を減らしていく抽象絵画ではなく、要素を増やして3次元から4次元へと次元を上げることを意識していることから生まれたもの。具体的にはヨーロッパなどの街並みなどを “ 積分 ” して描いたそうだ。積分の内容を掘り下げると話が難しくなるので触れないが、数学の要素を取り入れているという手法が面白い。数学は自然の、いや、宇宙の真理ともいえる。また、芸術を明らかにする行為ともいえる。
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自身の遺伝子に気づき、さらに数学の要素を組み入れた作品は、非常に刺激的だった。現在は南紀の海べりにあるアトリエで制作を続けている細井さん。次回作がいまから気になって仕方がない。高円寺「ポルトリブレ」にて12月11日(水)終了

◯細井健二展 「異次元の予感」
会場:ポルトリブレ(杉並区高円寺南3-25-18)
会期:2024年12月 6日(金)~11日(水)
時間:13:00~20:00 会期中無休
会場ホームページ:http://portolibre.com/


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