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職場になじめない、仕事が続かないのは理由がある。TELハラ問題から浮かび上がるもの。

■職場になじめない
■電話対応がうまくできない
■曖昧な指示が理解できない

近年、コンプライアンスに対する意識が社会的に高まり、さまざまな形態のハラスメントが問題として取り上げられるようになっています。そのような動向のなか、新たなハラスメントとして「TELハラ」が大手メディアで取り上げられ、SNSなどで大きな話題となりました。

職場環境への適応を阻害

TELハラは、電話に対して苦手意識を抱いている社員に電話対応を行わせることを指しています。「本人の適性に関わりなく、立場が低い者に電話番を強いる風潮」に対する問題提起となりました。新入社員に電話番を務めさせるといった慣習が、電話対応を苦手とする社員にとっては少なからず苦痛となり、職場環境への適応を阻害する要因となりうることに着目した言葉です。

コミュニケーションツールは世代で異なる

電話やメール、SNSなど、世代によってこれまでに慣れ親しんできたコミュニケーションツールは異なります。「自然に使えるコミュニケーションツール」には世代や経歴によってギャップがあり、慣れ親しんできたものと異なる形を強いられると、ストレスも生じやすくなります。そのため、従来は一種の慣習のように扱われてきた「新入社員の電話番」が、ストレスの原因として意識されやすくなっていると考えられます。

自己肯定感は急速に低下

本人の特性に関係なく、「誰でもできることは経験の浅い者・立場の低い者に任せておけばいい」という考え方も、TELハラの根底にある問題の1つです。たとえば新入社員が、その業務の意義がわからないまま「雑用係」のように扱われ、さらにその雑用もこなすことができないという評価を受ければ、自己肯定感は急速に低下していくでしょう。こうしたハラスメントの形態は、新入社員だけではなく職場のさまざまな場面で生じうると考えられます。

本人の発達障害

さて、電話に対して苦手意識を持つのはコミュニケーションツールが異なることだけが要因なのでしょうか?なかには自己の特性によるものもあるのではないかと考えます。障害の程度が軽い場合は、周囲も気づかないまま成長します。そして、社会人として働くようになって初めて、「苦手なこと」「困りごと」に仕事として取り組まなくてはならなくなります。そこで、うまくいかずに憂うつを感じるようになり、うつの症状が現れて休職に至ります。
つまり、本人の発達障害によるものです。

早期発見と正しい理解

「大人の発達障害」は成人するまで顕在化しないくらい障害の程度の軽い人が多く、医療機関では「発達障害である」という診断基準に満たないグレーゾーンとして「発達障害の傾向がある」と判断されます。職場では,嫌と言えないため,無理な仕事を引き受けたり,同僚や上司との人間関係で悩み,退社を余儀なくされる場合もある。こうした発達障害を抱えた人たちを支援するためには,障害の早期発見と正しい理解が必要になります。
 
電話に対して苦手意識を抱いているのは「若者だから」と安易に考えていいのか?少しでも気になることがあれば専門家への相談が必要と思われます。

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