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ダイアローグ13:働く意味


The meaning of work

私: マスター、やはり、どうにも仕事に身が入らないんです。毎日、同じような資料を作成し、同じような会議に参加して、まるで機械の歯車の一部になったかのようです。結局、この仕事は私の生活費を稼ぐためだけに存在している気がしてなりません。

マスター: そのように感じるのは、あなたが働くことの意味を、まだ十分に理解できていないからかもしれません。

私: 意味ですか? キレイゴトを言う人もいますが、突き詰めて考えれば、結局は自分の給料のため、自分の生活のためじゃないですか。
社会貢献とか言っても、それはおまけのようなもので、本質は自分のためだとしか思えません。まるで、カゴの中のハムスターが回し車を回しているようで、虚しさを感じてしまいます。

マスター: なるほど。あなたは、働くことを「自分のため」だけの行為だと捉え、その閉塞感に苦しんでいるのですね。
けれども、そのハムスターの回し車に例えたあなたの言葉には、重要なヒントが隠されていると言えます。ハムスターは回し車を回すことで運動し、エネルギーを発散します。それは、彼らが生きる上で必要な行為なのです。

私: それはそうですが、ハムスターはただ回し車を回しているだけです。
そこに目的や喜びがあるようには見えません。所詮、私もただ仕事をしているだけのように感じます。

マスター: いいえ、ハムスターの運動も、ただの無意味な行為ではありません。それは、彼の生命活動を維持し、心身の健康を保つための重要な行為なのです。あなたは、仕事をすることで、どのようなものを得ていますか?


Dialogue is the switch to awakening.

私: まあ、給料と、あと…少しばかりの達成感、ですかね。
でも、それも、結局は自分の評価のため、自分のキャリアのため、そういった自己満足に過ぎない気がします。

マスター: その達成感は、あなた自身が成長した証でもあります。
例えば、あなたが作成した資料が、会社の重要な意思決定に役立ったとしましょう。それは、あなた自身の貢献が、会社全体、ひいては社会全体に影響を与えたことを意味します。あなたの仕事は、目に見えないところで、他の誰かの役に立っているのです。

私: それは、理想論のような気がします。現実は、自分の仕事をこなすことで精一杯で、誰かの役に立っているという実感はほとんどありません。それに、同僚はライバル意識むき出しで、足を引っ張り合うようなことばかりです。そんな環境で、誰かのために働いているなんて、とても思えません。

マスター: ライバル意識や競争は、時に人を疲弊させ、視野を狭めてしまうことがあります。しかしながら、その競争の中であなたは自分のスキルを磨き、弱点を克服し、成長を遂げているはずです。チームで目標を達成した時の喜びは、一人では決して味わえないものです。それは、他者とのつながりによって生まれる、かけがえのない経験となるでしょう。

私: それはそうかもしれませんが、毎日、締め切りに追われ、終わりの見えない仕事にうんざりしています。自分が本当にやりたいこと、昔から好きだったこと、例えば絵を描いたり、旅をしたりする時間も、余裕もありません。結局、今は、仕事に縛られているだけなのです。

マスター: では、その「やりたいこと」は、あなたにとってどのような意味を持っていますか?なぜ、あなたは絵を描くことや旅をすることを、そんなにも大切に思うのですか?

私: それは、ただ純粋に楽しいからです。
絵を描いている時は、時間の流れを忘れ、自分が創造的になる喜びを感じます。旅をしている時は、新しい世界に触れ、心をリフレッシュすることができます。それは、私にとって、生きている喜びそのものなのです。

マスター: その喜びは、あなたの心の灯火です。
そして、働くことは、その灯火をさらに輝かせるための燃料になり得ます。あなたが、仕事をすることで得たお金で、画材を買い、旅に出ることができるとすれば、それは、あなたが働くことで、自分自身の喜びを追求する力を得ているということです。
あなたが仕事で得た経験や知識は、あなたの創造性を刺激し、旅を通して得た新しい視点は、あなたの仕事をより豊かなものにしてくれるでしょう。

私: そう言われると、少し考え方が変わってきました。でも、忙しさに追われていると、その「喜び」を意識する余裕がありません。

マスター: 忙しい時こそ、意識的に立ち止まり、自分の心と向き合う時間を持つことが大切です。庭の草木が、季節ごとに花を咲かせ、実を結ぶように、あなたの人生も、日々変化しています。働くことは、その変化の中で、自分自身を成長させ、他者とつながり、人生を豊かにするための、大切な行為です。その原動力となるのはあなた自身の「喜び」です。その喜びを大切にすることで、あなたは、より充実した人生を歩むことができるでしょう。

私:  マスター、ありがとうございます。少しずつですが、働くことの意味が見えてきたような気がします。自分のためだけでなく、誰かのため、何よりも自分の喜びのために働くことができるのかもしれません。その喜びは、私の人生を彩る美しい花となり、実を結ぶのかもしれない。そう思えるようになりました。

マスター: それは素晴らしい。あなたの心の中に、新たな光が灯ったようですね。働くことは、時に厳しく、時に困難を伴いますが、それはあなたの成長を促し、人生を豊かにしてくれる、かけがえのない経験です。あなたは、自分の可能性を信じ、より豊かな人生を創造することができるでしょう。

私: 今日から、少しだけ、前向きに仕事に取り組んでみようと思います。そして、自分の喜びを大切にしながら、人生を歩んでいこうと思います。



人生で迷ったとき、心理学はそっと背中を押してくれる優しい友人です

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Mr.こころの虹
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