『日本語教師の働き方とプラットフォームと私の思い』 のこと。
日本語教師のトレーニングを、2011年くらいから続けていると、様々な変化が見えます。
当初、日本語教師は、そんなに「資格重視」ではなく、もちろん学校や就職先にはよりますが、資格を持っていることが重視される職場と、人数が足りないから〜という理由で、どこからか声がかかって、日本語教師同士、口コミみたいな感じで就職が決まることも少なくありませんでした。
私は、
●アジア系の方中心の進学目的の日本語学校
●欧米の方達中心の学校
●個人でプライベートで開校された小さな日本語教室
●ボランティア教室の運営
●個人での募集
●教師仲間との、日本語学校設立
●個人事業設立
●株式会社設立
など、様々な場所に関わりながら日本語教師を経験してきました。
これは私の簡単な「日本語教師History」なのですが、数年前から
●資格重視(更に厳しく)
●プラットフォーム
など、この2点のキーワードを耳にすることが多くなりました。
時代の変化だな〜、と思います。
そして、以前は
①「日本語教師の横の繋がりがない」
②「スキルアップする場所がない」
③「収入が安定しない」⬅️主に、授業準備が大変で、コマ数を増やしたくても増やせない、という理由
という、この3つのお悩みが多かったのですが(はぁとinternationalは、この3つの問題を解決するために生まれました^^)、この頃は
①「オンラインで一人でやっているので、授業がこれでいいのか分からない」
②「誰にも教わらずやっているので、この人だ!という目標になる人が欲しい」
③「相談相手が欲しい」
④「技術を磨きたいけど、日本語学校で働きたいわけではなく、誰にでも教えら得る技術力・対応力を身につけたい」
というお悩みに加えて
⑤「他の先生のことが気になって、自分に自信がなくなったり、落ち込んでしまうことが多い、、」
というお悩みも耳にするようになりました。
SNSで、他の教師の動向が見えやすくなった?!というのはあると思いますが、その次の展開として
「プラットフォームで教える、という働き方のおかげで(せいで?)、より、他の方々との比較がしやすくなった(したいかどうかは別として、、、)」
という現実があるようです。
「プラットフォームで教えているけど、なかなか申し込みが増えない」
「プラットフォームで教えているけど、教え方にまだまだ自信がないし、どうやって成長すればいいのか分からない」
「プラットフォームで教えているけど、自分の生徒が他の先生のところに申し込んでいるのが見えて、自信をなくしてしまう、、、」
「プラットフォームで教えているけど、とにかくレッスン料が安すぎて(数百円単位)、準備にはかなり時間がかかるのに、虚しくなる、、、」
「本当は、自分で集客して、自分が好きなように教えて、それなりのレッスン料をいただきたい、、、。」
この10年ちょっとで、このような変化が生まれるとは、まったく想像もしていませんでした。。。
「時代のおかげで」と考えれば
「日本語教師が、資格にとらわれず、様々な学習者に教える経験が積みやすくなった」とも言えますが、
「時代のせいで」と考えれば
「日本語教師としての価値や自尊心をどこに置けばいいのか分からない、、、」とも言えると思います。
理想は、
「やりたい!」➡️「だからやってみよう!(体験)」➡️「よし!もっと磨こう!」と、自分の意欲が高まる方向に技術も比例し、それに伴いお給料も上がり、更に磨く意欲が増す、、、という方向だとは思いますが、
「それに伴わない」のであれば、「虚しさ」を感じるのは当然で、ここは、日本語教師個人の問題ではないと思います。
「私の教え方が悪いから」
というところが焦点ではないと思います。
現に、そういう先生方の授業を見せていただくと
「え!!!!!十分ですよ、すっごく上手ですよ!」
と思える方もかなり多くいらっしゃいます。
現に、私の講座内で、模擬授業をしていただいても、
「ちゃんと生徒さんが満足している」
「ちゃんと生徒さんが成長している」
のです。
時代が変わって、きっとまた次の時代がくるのだと思いますが、約10年前と比べても、決して、決して日本語教師の働く環境がよくなった、、、と言えない気がします。
最終的に「満足いくお給料」をいただくことが仕事の満足度の大部分であり(どんなに「お金ではない」と言っても、ここは外せないはずです)、そこを本当に解決しようとするのであれば、
社会が教師に求めるのは
「プロとしての教える技術力と人間力」
教師が社会に求めるのは
「それに伴い保証されるお給料がいただける仕組み」
だと思います。
双方が同じ目的であれば、双方の「歩み寄り」で近づく方向に行くと思いますが、片方の「片思い」であれば、そこは「虚しさ」しか残りません。
だから私が何ができる、、、とは、大きなことは言えませんが、今も思いは、はぁとinternationalを設立したときと同じです。
「日本語教師の皆さんの問題解決をしたい」
が、目の前の「目標」で、その先にある最大の「目的」は
「世界平和に寄与したい」
です。
この「目標」➡️「目的」の繋がりを心底信じながら、この時代の変化の中でもがいている日本語教師の皆さんのことを常に心に思いながら、私も、私なりに自分の「働き方」の中に、その思いと活動を組み込んできました。
Step1:
日本語教師の目先の問題解決をするためにはぁとinternational を設立し、
Step2:
「歩み寄り」の、一方の問題解決として「日本語教師の教える技術力と人間力の向上」への活動を継続しており、
Step3:
「歩み寄り」の、もう一方の問題解決として「それに伴い保証されるお給料がいただける仕組み」作りのために「JIC協会」を設立しました。
Step2で、日本語教師からの歩み寄り、Step3で、社会の仕組みの歩み寄りを、なんとか形にしようと続けています。
とくにJIC協会での形は、私や教師の皆さんの「理想型」を目指しており、まだまだ始まったばかりですが、「仲間作り」「技術の向上」「お仕事の提供」の仕組みを一つずつ形にするべく、活動を進めています。
尽きた知恵を絞ったり、
泣いても泣いても改善しない状況に「終わり」を感じたり、
「まだ壁があるのか、、、」と、気持ちが沈むばかりの日々を過ごしたり、
書き切れないくらいの思いや失望を感じてきましたが、でも、すこ〜しずつではありますが、このStep1,2,3を、世の中に生み出すことができました。
必ずしも自他共に納得いく方法を取れなかったこともあります。
でも、産みの苦しみは、きっとそういうものだと思います。
理想を強く掲げながらも、人に言えないような惨めな思いや消えてしまいたいくらい自分が嫌いになったこともあります。
でも、きっと、もう少し先に、このStep1,2,3がリンクする時が来るだろう、、、と信じて、もっと頑張っていこうと思います。
日本語教師の働き方、、、きれいな情報もたくさんあるかと思いますが、どこまで本気で、また、ゴールがどこにあるかで、
「なりふり構わず」とか
「がむしゃらに」とか
「誰にも言えない」とか
本当は避けて通りたかった道を進まないといけないこともあるかと思います。
私も同じです。
今もその渦中にいます。
ですので、お会いしたことがない方も、これからお会いする方も
「日本語教師の皆さんが平和や幸せを感じる場所」
を必死で作ろうとしている人が居る、ということを、少しでも心の支えにしていただきながら、理想と現実の狭間に押しつぶされないように、前に進んでいただけたらと、この小さなnoteの記事からエールをお送りしています。
「人と比べる」ことを少しでも減らし
「自分の過去、今、未来を比べて、分析して、そこから未来に可能性を見出し」
「自分を肯定し、前に進め、一つずつ丁寧に日々の活動をこなし」
そこから見える小さな光を見つけながら、自分らしい「日本語教師人生」を楽しんで下さい。
私自身も、一人でも多くの日本語教師の皆さんの支えになれるような活動を、これからも続けていきたいと思います。
では、世界中の日本語教師の皆様、今日も充実したよい一日をお過ごし下さいませ!
Chihomi
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