みんな難しい本読んでてすごい、わたしプリンプリン物語とおとうさんといっしょ見てる(プリンプリン編)

 こちらでおとうさんといっしょの話をしたので、その続き。


 月曜22時50分からやってた人形劇の平家物語が大好きで、終わった時はすごく寂しかったけど、プリンプリン物語にもまんまとハマった。

 第1話からとにかくプリンプリン(CV:石川ひとみさん)の声が伸びやかで心地いいのが印象的でした。セリフは時々棒読みっぽくなる部分もあるけど、声が音として心地いい。


 そしてその心地いい声で歌ってくれる劇中歌がどれも良い!
 「私の祖国」のサビの「この上もなく清らかな 愛に満たされたところ」のフレーズは、泣いているような叫んでいるような、それでいて伸びやかな声で、すごく表現力がある。

 この歌、リアルタイムで見てた母が未だに歌えてて驚いた。いい曲だから印象に残るよね…。

 プリンプリンは基本的に明るい子なんですが、「愛に満たされたところ それが故郷 私の祖国」と歌っているということは、自分がどこの国の誰なのかわからない、愛されているはずだけどどこか満たされないという思いを抱えているのでしょうか。


 そして5の倍数回(その週最後の放送)の時に流れるハッピーアドベンチャー。
 イントロのメロディーが優しくて好き!
 45年も前に作られたとは思えない、今の感覚で聞いても古い感じがしないとってもいい曲です。

 そして「君と一緒ならどこへでも行ける」というフレーズが、プリンプリン物語を象徴しているように思います。

 プリンプリンはプリンセスだけど安寧な生活をしているわけじゃなくて、祖国を探しに旅へ出たり怪人ランカーに狙われたりと大変な場面も沢山あるはずなんですが、それでも作品全体に幸福感があるのはプリンプリンの周りに一緒に旅をする仲間がいるからだと思います。

 プリンプリンの周りには、ボンボン、カセイジン、オサゲという親友、育ての親でもある天才猿(そしてランカーの弱点)モンキー、それから新たに出会ったシャーロッケ&ワット博士夫妻、ランカーに解雇されたところを仲間になったシドロとモドロと、ちょっと頼りないところはあるけどちゃんと支えてくれる人たちがいるから、「自分はどこから来た誰なのか」という根源的な問いに進んでいけるのかなと思ったり。
 プリンプリンは寂しさを抱えつつも孤独ではないというこの物語の温かさがとっても好き!

 黄色い潜水艦初登場である19話では劇中歌として使われたけど、真夜中の満月の下、寄り添うシャーロッケ夫妻、はしゃぐボンボン、カセイジン、オサゲ、モンキーを抱きしめるプリンプリンという美しい情景の中で流れたのもよかった。

 石川ひとみさん、当たり前だけど本当にプリンプリンと同じ声なんだ…喋り方も含めて美声すぎる…。



 プリンプリン物語の何が面白いのかって言葉にするのが難しいんだけど、やっぱり冒険のワクワク感と仲間のいる安心感でしょうか。
  OPの夕日をバックにプリンプリン+親友3人+モンキーが歩いてくる場面も、主役のおでましって感じがしてとても好きなんですよね。

 平家物語は心抉られる回が多かったから、こういう幸福感のある月曜夜もいいなと思いながら毎回見ています。



 キャラクターも名前が覚えやすくていいよね。
 プリンプリンは「プリンセス」が由来だし、おやつのプリンの繰り返しと覚えることもできるし、ボンボンとオサゲは髪型の印象と名前が結びつきやすいし、カセイジンはいや火星人じゃないじゃんとツッコミたくなると同時に予知能力という異星人っぽさもあるし。


 わたしはあまりキャラクターにきゅんとしたりあんな風に守られたいとか思う事はないんですが、「幼稚園時代に見たプリンプリン物語のボンボンが初恋だった」というコメントには流石にキュンとしました。罪な男だぜ、ボンボン…。

 ボンボンはCV:神谷明さんなんですが、声がかっこいいだけじゃなく喋り方に遊びがあって聞いていて楽しい!
 小五郎のおっちゃんの印象が強かったからこんなに2枚目な声だったのが意外でした。

 そしてボンボン、横から見ると生足が見えるなかなかセクシーな服装をしている。パンツをはいていたら布があるべき場所に肌色が見えるからボンボンはふんどし、と考察しているファンの人がいたな。


 シャーロッケ夫妻は一見どうしようもない大人ポジションなんですが、ランカー邸に忍び込んだりして意外と有能なんですよね。
 ワット博士も変わった人だけど動物学者だから頭は良さそう。ゴリラ用の麻酔持ってるし。
 プリンプリンは真面目そうだから、この夫婦みたいないい加減でちゃっかりしてる大人たちが近くにいるのっていいなと思う。2人とも優しいし。


 あと人形たち、みんな本当に美しい顔してるんですよね。めちゃくちゃお金かかってるらしい。
 オサゲ(CV:はせさん治)が女装してランカー邸に忍び込めたのも納得の可愛さ。


 プリンプリンも、いかにも女性ファンに嫌われないことを意識したような性格ではなく、あざとい子でもなく、思ったことをちゃんと言える素直でさっぱりした性格なのがすごくいいなと思う。
 「ちょっとそこの可愛いの」→「はーい私のこと?」というやり取りがあって、自分=かわいい をしっかり認識してるのもまた面白い。

 あと放送されたのが45年前なので「うるさいわねー」「もう引っ込んで」「あんたがたは暴力団?」などなかなかパンチの効いたセリフも多く、これを石川ひとみさんの美声で言ってるアンバランスさもなんかすごい!
 生きていると日々「うるさいわねー」と言いたくなることも、もっと汚い言葉を使いたくなることもありますが、その度に心の中のプリンプリンに代わりに「うるさいわねー」って言ってもらってます。

 あと、「プリンセスは人に見せびらかすための勲章じゃない、精神のつっかえ棒」というセリフ(18話)はちゃんと味わいたいところ。
 プリンセスであるという意識が自分が自分であるための指針になっているんですね。



 まだまだ書ききれてないけど、長くなったので一旦この辺で。

 再放送は50話までとのことなんですが、本編は600話以上あるので、何らかの形でプリンプリン達の冒険の見届けたいです。小説版とかあったりするのかな…。
 今(2024/12/23)もう22話まで放送していて折り返しなので、みんなぜひ月曜22時50分からプリンプリン物語見ましょう。


 ちなみに放送前こんなこともあった


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 書き忘れたので追記!

 「みんな難しい本読んでてすごい」と書いてるんですが、もっと難解なものに取り組まなければという焦りがあるかというとそうでもなく、ただただ子供向け番組を楽しんでいます。

 子供向けにわかりやすく作られた中にもある真実や普遍性に気づいていくことが好きなのです。

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氷の心臓
ここまで読んでくれたあなたがだいすき!