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京都 五山送り火
8月16日は京都の夏の風物詩
「五山送り火」
お盆に戻ってこられた先祖の精霊を
冥土にお送りする伝統行事である。
BSで生中継をしていたので
自分も一緒にご先祖様のお帰りを
見送った。
点火時間
午後8時
東山如意ヶ嶽の「大文字」
午後8時05分 「妙法」
午後8時10分 「船形」
午後8時15分 「左大文字」
午後8時20分 「鳥居形」
四山は護摩木などを組んで点火するが、
「鳥居形」だけは7つの親火床から
松明を持って走るため「火が走る」と
言われている。
すべての山々で僧侶がお経をあげ、
今年も夜空にくっきりと文字が浮かびあがった。
テレビの前で合掌した🙏
今から30年ほど前に、母と母の友人、
私の3人で東山如意ヶ嶽の山に登って
送り火を見た。
母から誘われたときは、若かったので
「邪魔くさいから行きたくない」と
誘いを断った。しかしやけに強く説得されてしぶしぶ行くことに。
有名な銀閣寺キャンディー店に立ち寄り、乾いた喉を潤す。
(現在は廃業されていました😭)
いよいよ山登りが始まる。
うっすらとした記憶しかないが、
入山制限があり、午後4時か5時には
現地に入っていたはずだ。
銀閣寺門前を左折し、八神社の
鳥居を右折すると山道入口がある。
3、40分ほど歩くと市内を見渡せる
絶景スポットに到着した。
こんなにステキな所があったんだ。
京都タワーに御所、平安神宮の鳥居は
あそこにある。
知っているところを必死に探した。
歩くのは疲れたけれど、景色が全てを吹っ飛ばしてくれた。
日が暮れると今度は夜景が楽しめた。
市内のネオンがいつもとは違って見える。
大文字の点火が始まる前に街の明かりが消えた。
夜空には揺らめく火しか見えない。
とっても幻想的。
私達のいた場所は大文字の火が近くて暑かったのだが、とても厳かな気持ちになり、この場所にこれたことを、深く感謝した。
当時の私には分からなかったが、
送り火に感動したのだと思う。
以前に勤めていた旅行会社で
五山送り火に関するエピソードが
ある。
この時期になると必ず
「送り火を見ながら食事ができる
宿を探してほしい」と、他の支店から
依頼がきていた。
宿泊担当の男性が、この問い合わせに毎回憤慨していた。
「送り火はご先祖様が帰って行かれる道を明るく照らし清める厳かな行事だ。食事をしながら見るものではない。そんなこともお客様に説明できないなんて」と。
見物客は大切な人に思いを馳せ
そっと合掌する。
そういう行事なのだ。
話は30年前の五山送り火を見ていた話に戻り…。
9時になると市内のネオンも元に戻っていた。
送り火で焼かれた松明や護摩木を持ち帰り、針金で家の前に吊るしておくと
家内安全、無病息災のお守りになると言われているので、皆がこぞってもらいに行った。
五山の長い1日は終わりを告げた。
帰り道はあっという間に下山したように感じた。
今でも如意ヶ嶽でみた五山の送り火は
心に鮮明に残っている。
今年もテレビ越しではあったが、
五山の送り火を見られて良かった。
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