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「ドラえもん」は世代を超えて
今年、大学4年生になる娘の思い出の品を整理していると「藤子・F・不二雄先生」宛に親子で出したファンレターの返事が出てきた。
娘は小学1年生から漫画「ドラえもん」の単行本を買い集めた。我が子を見ていると血は争えないものだなぁと感じる。なぜなら私が初めて買い集めた漫画は「ドラえもん」だったからだ。
ドラえもんは22世紀の未来の国から
「野比のび太」の未来を変えるために
やってきた猫型ロボット。
ドラえもんのポケットから出てくる道具は、使ってみたいものばかり。「どこでもドア」は扉を開けると行きたい場所に行ける。のび太君の勉強机の引き出しはタイムマシンになっており
過去、現在、未来を自由に行き来できる。自分の机も本当はタイムマシンなのではと、期待して覗いていたこともあった。
娘が小学校の低学年のころ、就寝前の読み聞かせは「ドラえもん」。私は1人でジャイアンやしずかちゃん、スネ夫など何役にもなり、大忙しで声はガラガラ。
そこまで好きならば、直接先生に気持ちを伝えようと親子でファンレターを書くことにした。
娘は小学4年生。手紙の内容は拙いながらも、作品に対する想いを伝えようと懸命に書いた。
そして6つほどの質問を先生に投げかけていた。
私からは、読書に全く興味を示さなかった娘が「ドラえもん」がきっかけとなり、漫画以外の本も読めるようになったことへの感謝の気持ちを手紙に込めた。
困ったことにどこへ送っていいのかが、わからない。
とりあえず発行元の「小学館」へ送った。それから2週間ほど経ったある日、小学館の「ドラえもん」の担当者から娘宛に返事が届いた。娘は大喜び。
ただ手紙の文末に書かれた一文が妙に気になった。
「藤子先生に手紙を渡しておきます」
あれ、藤子先生はご健在だったっけ。
慌ててインターネットで調べてみると、平成8年にお亡くなりになられていたことが判明。担当者の方は子供の気持ちを考えてこの一文を書いてくださったのだ。再度、担当者宛にお詫びの手紙を送った。
このやりとりから1年が経過したある日、私と娘宛に手紙が届いた。
「藤子プロ」からだ。
娘が先生に投げかけた6つの質問に一つ一つ子供に話しかける言葉で答えが書かれていた。
私宛の手紙には、次のように書いて
あった。
藤子・F・不二雄は子供と遊んでいる気持ちになって夢と冒険に溢れた子供のための漫画を描いております。弊社は作品を通じて皆様に笑顔を届けていけるよう、一層努力を重ねてまいります。
「小学館」と「藤子プロ」から届いた手紙を読んで、藤子先生の意思は
今もなお、作品に携わる人達にしっかりと受け継がれていることが理解できた。
2012年、この手紙のやりとりをエッセイ教室で披露した。そしてそのエッセイを「小学館」と「藤子プロ」に送った。すると「藤子プロ」から手紙が届いた。
手紙とエッセイをみんなで読ませていただきました。スタッフ一同、大感激です。○○さん(私の名前)と娘さんの手紙を読んで、私達は「ドラえもん」という作品がつなぐ絆というものを改めて感じ、嬉しく思っています。
お母さんが子供のころ読んでいたものを、その子供が読んで楽しむ。「ドラえもんは世代を超えて」まさにその通りです。私達も藤子・F・不二雄の残してくれたこの素敵な作品を、想いを、もっともっとつなげていけるように頑張ります。
この手紙のやりとりの後、藤子プロから毎年、年賀状と書中見舞いの葉書が届くようになった。
きっと藤子・F・不二雄先生と「ドラえもん」が私達親子を未来を背負う素敵な人達につないでくれたのだろうと自負している。
最後に…
私達親子の大好きな「ドラえもん」
を通じて、手紙のやりとりができて
感謝しています。
当時の手紙は我が家の宝物です。
年賀状、書中見舞いのお葉書は
いただくたびに笑顔になります。
もしこの感謝の気持ちがどこかで
関係者の方に届くと嬉しいです。
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