GIDと個人史
私は性同一性障害(GID)の診断を受けたあとに発達検査を受け、ASDの診断が出た。
GIDの診察を受けにジェンダークリニックに通院していた当時、この性別違和が、自己嫌悪が、LGBT界隈のみんなとは違う気もしていて、発達障害の「こだわり」から来ているのではないかと思っていた。機能不全家族で育ったので、育ちの環境のせいかもしれない、とも。
つまり、自分はトランスジェンダーなのか、発達障害者なのか、その他なのか、とにかく自分を何と呼べばいいのか分からなくて、焦っていた。当時、何の病名もない23歳。
GIDの診察を受けるとき、これまでの人生を数年ずつに区切って振り返る「個人史」を作る。いつから、どういう場面で性別違和があったのか、を簡単に書けば良かったのだろうけれど、私は当時好きな遊び、交友関係、教室での様子、トラブル、家庭環境など、覚えていることは何でもWordに書いた。
人格形成に関わり、今の困りごとに繫がっていると思ったできごとには解釈を書いたりもした。
主治医「見たことない書式です」
リュー「」
……そうですよねぇ。
書いているときは、悲しいことをたくさん思い出した。自傷行為と変わらなかった。
けれど、この個人史をもう一度振り返ることで、自分の芯を強くできる気がする。
私は個人史を公開しようと思う。