NOKTON Vintage Line 35mm F1.5 aspherical レビュー
はじめに。
(※素晴らしさのあまり10,000字を超過せずにはいられなかった。大量の文字にうんざりしてしまう前に、上の目次から先に作例へ飛ぶのもおすすめである。)
『素晴らしいレンズである。』
なのにもかかわらずインターネットに詳細なレビューや作例が少ない。
それが残念だったので自らレビューを書くためにnoteに登録することにした。それほどまでにこのレンズを気に入っている。
また、このレンズにはコシナの本気のようなものを感じざるを得ないのである。
私が所有しているのはtype Ⅱのシルバーモデルであるため、使用感などはtype Ⅱに準拠する。また、実際にカメラに装着したときの使用感はLeica M10-Rと組み合わせたときのものとなっている。
本来ならMTFなどの定量的な分析もこのレビューに載せたいと思っていたが、あいにく余裕がなく、使用感や描写の雰囲気といった主観的で定性的なレビューが中心となっている。今後時間に余裕ができれば光学的な分析も追記していきたいと考えている。
本レビューはいささか褒めすぎているかもしれないことと、まとまりや構成を意識せずだらだらと書いてしまったために、なんと10,000字を超えるレビューになってしまったことには勘弁していただきたい。冗長すぎる部分もあると思うので、読み飛ばして作例を見るだけでも構わない。
本記事に内容の誤りや誤植があれば、コメントにて報告していただけるとありがたい。
本レンズの公式ページのリンクを以下に貼っておく。
スペック
レンズ構成図などの詳細なスペックはコシナの公式ページを参照していただきたい。
他のVoigtlanderレンズ(ただしapo-lantharを除く)と同様にMTFは公開されていない。
簡潔なスペックは以下の通りである。
焦点距離:35mm
口径比:1:1.5
最短撮影距離:50cm
最大径×全長:φ53.0×36.0mm
フィルターサイズ:39mm
重量:188g(type Ⅰ,アルミ製) 284g(type Ⅱ,真鍮製)
希望小売価格:¥110,000(type Ⅰ) ¥120,000(type Ⅱ)
絶妙なスペックである。
F1.5にもかかわらず、最大径はapo-summicron 35mm Mと同じで、TypeⅡの重量はapo-summicronのそれとほぼ等しく、全長はapo-summicronよりもおよそ5mm短いかなりコンパクトなレンズなのである。(つまるところ現行ズミルックス35mmよりめちゃくちゃ小さいし軽い)
不恰好ではあるが、
コートのポケットにカメラごと突っ込むことも不可能ではない。
最短撮影距離が50cmなのもかなりうれしいところだ。
さすがにフローティング構造は搭載されていない。
4面非球面を採用しているのにコンパクト追求への本気を感じる。これによる年輪ボケなどは見られず、玉ボケ内部は綺麗なままだ。
レンズ構成図を見てもらうと分かるように、現行のsumilux 35mmにかなり似たレンズ構成になっているのである。似たレンズ構成であるためか、像高12mmくらいで一旦MTFが落ち込む傾向があるのも共通しているようである。
2024年2月現在の実売価格はそれぞれ税込でtype Ⅰが9万円前後、type Ⅱが10万円前後となっている。どちらにせよ、お値段以上の品質を有しているのは間違いない。
ズミクロンくらいのサイズにズミルックスくらいの明るさ、そして優れた描写性能に上質なビルドクオリティ。
本家ライカにはないキャラクターを持っているため、ライカのレンズしか持っていないという方にもぜひお試しいただきたいレンズである。
ビルドクオリティ・品質
非常に優れている。これまでのVoigtlanderレンズとは一線を画したビルドクオリティであると感じる。
とはいえ、これまである程度使用したことのあるVoigtlanderレンズは、nokton classic 40mm f1.4 MC, Apo-lanthar 35mm VM, Apo-lanthar 50mm E-mountの3本だけであるが…
絞りリング
非常に上質で滑らかな動きをする。施されたローレット加工も無駄なく機能している。
回してみると“カチカチカチ”というよりも“ゥリッゥリッゥリッ”といった感触。高級車のドアを閉めた時に密閉感を教えてくれる音のような上品さがある。一度は回してみていただきたい。絞りは1/2ストップで機能する。
ライカ純正のレンズは所有したことはなく、少ししか触ったことがないが、ライカのレンズよりもよい質感といっても差し支えないだろう。
ピントリング
これもまた上質である。例えるなら、高級コンポのボリュームノブの滑らかさやトルク感である。もちろんトルク感は一定である。スカスカした印象をもたらすことはない。ピントリングの回転角は0.5mから無限遠までで120°程度であり、十分な速写性を有している。
そしてこのレンズにはフォーカスノブがついている。ピントリング部にはローレット加工が施されていないため、基本的にはフォーカスノブでピント合わせをすることになる。フォーカスノブを真下に持ってくるとちょうど1m先にピントが合うようになっている。
デザイン・使用感
全体的によくまとまっているシンプルなデザインである。ローレット加工は無駄なく効果的に配置されている。鏡筒のサテン加工の肌触りも素晴らしい。とりわけサイズ感がよく、フォーカスノブを採用しているのも操作性に大きく貢献している。重量バランスもよく、レンズを最も繰り出した状態でM10-Rに装着してもカメラがお辞儀してしまうことがないのも好印象である。真鍮モデルはアルミニウムモデルよりもおよそ100g重いが、重量は気にならない。しかし、アルミニウムモデルをブラッククロームのM11に装着すれば現在のシステムに比べておよそ200gの軽量化が発生するのは非常に魅力的である。
最大径が小さいことに関連して、フィルターサイズが39mmとなっており、同様に前玉径も小さく、レンズの存在感や圧迫感がないのもよい。
これの恩恵か、カメラに詳しくない人に
『“非常識に”高額なカメラシステムであることを察されずに済む』というのも(とりわけ私にとっては)重要なのである。
39mmのフィルター径はレンズフィルターの選択肢が少ないことが困った点であったが、2023年9月にマルミが高性能保護フィルターのプライムラインに39mmを追加したので現在ではほとんど問題ではなくなった。
レンズフードは別売りでLH-4NとLH-12との2種類がある。私はLH-4Nを所有しているが、普段はレンズフードなしで運用していることが多い。このレンズは逆光,フレア,ゴーストにめっぽう強く、フードの必要性をそこまで感じないのと、フードの装着による最大径と全長の増加による携帯性の低下が否めないからである。
これは個人的なわがままになってしまうが、apo-summicron 35mm Mのような最大径に影響せず、全長の伸びを最大限に抑えた専用設計の角型レンズフードがあれば理想的だと思っている。(Voigtlanderのレンズフードは使い回しを想定して作られているので叶わぬ願いではあるが…)
なお、レンズが小型なのでフードをつけていたとしてもファインダーが大きくケラれることはなく視界良好である。もちろんだがフードなしの時の方がファインダーのケラレは少なくほぼケラれはみられない。
そして毎回のことだが、どうしてVoigtlanderのレンズは鏡筒が黒であってもフィルターネジ部やフード取り付け部をシルバーにするのだろうか?(私がシルバーをチョイスしたのもこれが原因である。)全面黒にした方がさらに統一感が出てくると思うのだが。デザイン部門には何か譲れぬこだわりでもあるのだろうか…
本レンズは“Vintage line”と銘打たれていることもあり、距離指標などのフォントが丸みを帯びたクラシカルなものになっている。個人的にはもう少し角張ったフォントにしたほうが、(vintage lineのコンセプトを逸脱してしまいそうではあるものの)さらなるデザインの統一感を獲得するのではないかと思った。
また、距離指標などに使われる小数点が多くのVoigtlanderレンズは” . ”であるが、本レンズは” , ”になっているなど、細かなこだわりが見受けられる。
描写
やはりレンズで一番大事なのは描写である。
主観的ではあるが、このレンズの特徴を簡潔に記述すると
・しっとりとした描写
・ややこってりとした色乗り
・開放から使える
・F2.8まで絞れば4000万画素に耐えうる解像力
・階調の豊かさ(特にシャドウ部)
・質感の再現力
・少し特徴的な青色(気のせいかも)
・空気感(要定義)の再現力
あなたたちは知る由もないが、
まあ要するに私好みの描写
なのである。
上記の内容を作例を踏まえながら述べていく。
気になる人もいるであろうから一応書いておくが
・周辺光量落ちはやや大きめ(絞れば改善)
・口径食は開放からそこまでひどくはなくF2.8でほぼ改善
・光条は早い段階(F2.4とかくらい?)から出はじめる
・歪曲が気になったことはない
・開放でもフリンジはそこまでひどくはない
・玉ボケ内部が年輪様,玉ねぎ様になることはない
おそらくこのレンズが気になっている人やMマウント機を所有している人はこれらの要素にあまり興味はないだろうから詳細な記述は割愛する。
作例1
先ほども出てきたこちらの写真は
・しっとりとした描写
・こってりとした色乗り
・階調の豊かさ
・解像度
・質感の再現
・空気感の再現
あたりがわかりやすいだろう。
このの写真はライカの当てにならないExifの絞り値によるとF2.4で撮影していたようである。
開放から約2段絞ったにしては十分なコントラストな上に色乗りもよい感じである。
レンガの色の描き分けに湿度を感じることができる。少なくとも冬ではないということがわかり、アスファルトの描写から少し湿った雲の多い午前中であるような予想が自然とつくような気もする。
拡大してみてみよう。
これでもかなりトリミングした状態(先ほどの画像と比べてみてほしい)である。これほどトリミングしてもまだ粗さは出てこない。むしろ、このレンズが丁寧な描写をしていることが際立ってくる。そうしてその丁寧な描写による諧調が立体感と湿度をもたらしてくれる。壁の塗り跡や、レンガの表面を見てもらうと、その中にも諧調が残っていることがわかる。それぞれのレンガの手触りを一つずつ容易く想像できる。
もっと拡大してみよう。
ここまで切り出すと大体100万画素である。表示する環境によっては等倍表示以上にもなっているだろう。あのつまめるほど小さなレンズがよくここまでやるものだと思う。
看板の金属の手触りがわかるのではないだろうか。さらさらとざらざらの中間の質感が。看板に描かれた文字のペンキの手触りも読み取れる。看板上のランプもガラスではなくプラスチックでできていると予想がつくだろう。奥の植物も単に一色の緑で描かれることなく繊細な陰翳を湛えているのが認められる。
戻ってみる。改めてかなり強烈な切り出しをしたのがわかる。
どんなレンズでも4000万画素(あるいはそれ以上)で撮影することは可能である。しかしその画素数に耐えうるかどうかはまた別の話なのである。
このレンズはそれを耐え切った上で、なお余裕を見せるポテンシャルを有しているのである。
ここで一度考えてみてほしいのだが、このレンズは世間でいうカリカリ描写のレンズではないのがわかるのではないだろうか。
カタログスペックを求めるがあまり、MTFの高さに鎬を削り競争する現代のカリカリレンズたちを否定するわけではないが、描写の情緒性(ふわっとしすぎている表現)が現代において蔑ろにされてはいないだろうか。という疑問まで思い起こさせてくれる。そんなレンズである。
ここで言いたいことについては後日別記事にしたいと考えているが、かなり近いことを偉大な先駆者様がこちらのページででわかりやすくまとめてくれている。ぜひご覧いただきたい。
作例2
サムネイルにも設定した写真である。
これまた参考にならないExifによるとどうにもF2.4で撮影したらしい。十分な解像感である。シャッタースピードは1/125でISOは100だ。アスペクト比をつけるためにこの時点で既に4000万画素から約2500万画素へのトリミングが行われている。
この写真も色乗りが良く、湿度を感じることができ、少し肌寒いくらいの空気感を読み取ることができる。
狙って湿度が高めの状況の写真をあげているわけではないのだが、やはりしっとりとした質感を表現するのが得意なレンズなのだろう。
2回も等倍近くまで拡大して「しっかり解像してるよ!」とやるつもりはない。
作例3
現像を含めお世辞にもあまり良い写真とは言えないだろうが、作例なので許していただきたく思う。参考にならないExifによるとF1.7での撮影になっているが、これは確かに開放のF1.5で撮影したような気がする。(ボケ的にもそんな感じがする)
この作例の意図としては、開放でも十分な描写が得られるということと、シャドウ部の階調の豊かさ(あるいは黒潰れ耐性)を示すことにある。
ある程度デジタル写真を撮っている方なら、この写真の現像前の状態を想像できるだろう。(ハイライトの色情報を保持するためにアンダー寄りで画面の大半が黒い状態になっている)
M10-Rは同時期に発売されていた日本製のフルフレーム機よりも確か1から2ストップくらいダイナミックレンジが狭かったような気がするが、それが気にならないくらいにシャドウ部に諧調が残ってくれる。Lightroomでシャドウのスライダーをあげた時にしっかりディティールが浮かんでくるのだ。
番外編-マウントアダプター経由の撮影について-
このレンズはライカMマウントであるため、マウントアダプターを経由することで各社ミラーレスでもこのレンズでの撮影を楽しむことができる。しかし、これにはいくつかの注意点がある。
これはSONY α7Ⅳに装着して撮った写真であるが、よく観察すると像高12mmあたり(画面中央と四隅の中点くらい)でやや像が流れており、よく言えばオールドレンズ的な描写をしている。
この原因として一番有力な説はセンサーカバーガラスの厚みの違いによるものである。(センサーのマイクロレンズがライカは独自構造で…みたいな話もあるが、支配的な要因ではないと思われる。)
こちらのサイトによるとデジライカのセンサーカバーガラスは0.8mm~1.0mmくらいだと言われており、SONYのセンサーカバーガラスは大体2mmと言われている。この差が設計で想定する範囲外の光路差を生み出すためにこのように像が流れてしまっているようである。
対策としてはミラーレス機に本レンズを装着したいならNikon Zシリーズを使用することが挙げられる。Nikon ZシリーズのカバーガラスはLeica Mシリーズ並みの薄さであるため光路長の変化を最小限に抑えられるとされる。
信憑性は薄いが、確かに以前TwitterでNikon Zシリーズで撮られた本レンズの作例には像の流れが見られなかった記憶がある。
追記:
いろいろ見て回った結果、Zシリーズでも像の流れが発生しているようである。やはりMマウントのレンズはMマウントで使用しないと本来の力を発揮できないようだ。
これは確かF8くらいまで絞った時のものである。絞ったおかげで、光束のセンサーへの入射角が開放周辺で撮影する時よりも小さくなっており、光路長の変化も小さくなるので像の流れは見られなくなっている。
「MマウントレンズはMマウントで使うべきだ!」といった思想に私も染まりつつあるが、最新のミラーレス機で撮る気楽さには捨てがたいものがある。
私としては、このレンズをミラーレス機に装着するために購入するのは大いに賛成である。かくいう私もM10-Rを入手する前はずっとα7Ⅳに装着して撮影をしていた。
追記:2024/11/05
MマウントのレンズはMマウントで使用するべきだろう。
Mマウントレンズのレビューや作例をインターネット上で見ていると、やはりマウントアダプターを介して非ライカのカメラで撮られたものには像の流れが認められる。最近はTwitterで作例を検索する時にもそれがMマウント機で撮影されたか確認するようになった。
あるレンズの作例に違和感を感じたとき、撮影に使用されたボディがM型でないケースが非常に多い。
Youtubeでレビューを見る際にも同様に注意が必要である。マウントアダプターを介して使用する前提なら問題ないが…(逆にM型で使うならマウントアダプターを介したレビューを参考にしてはならない)
これは内緒なのだがMマウント機にEVFも手ぶれ補正も欲しいと思っている。
作例4
諧調が豊かなレンズのため、モノクロームにも向いていると思う。大きなミラーレス機とは違っておさんぽに(ボディの金額を無視すれば)気軽に持ち出せるのがうれしい。
作例集+追加作例
比較対象となりうるレンズと差別化点
・Leica Summilux 35mm f1.4 aspherical
Mマウント35mm大口径ヒエラルキー最上位はこれだろう。
これを入手できるならこれで良いという人が大半だろう。
最短距離はnokton vintage lineよりも0.1m短い0.4mであるし、nokton vintage lineよりも優れた描写をもたらしてくれるだろう。
より優れた描写を求めるならズミルックスだが、(あえて価格を無視して)コンパクトさ、重さなどを考慮して、トータルとしてより良い写真を撮ることを考えた場合(あまり知られていないのだが、写真はカメラを持ち出さずには撮られることはないのだ!)には結局のところnoktonと好みの領域でいい勝負になるのではないだろうか。(ライカブランドのバイアスから逃れるのは難しいにしても)
・Zeiss Distagon T* 35/1.4 ZM
個人的には現行のズミルックスよりも好きな描写。最高。欲しい。
だが私にとってはデカめの軽自動車くらい大きく感じてしまう(nokton vintage line比)
最短撮影距離が70cmであることからも、私としてはNikon Z8にヘリコイド付きのマウントアダプターを噛ませて使いたい。
ズミルックスと同様、(今回も価格を無視して)サイズと重さが気にならないのであればDistagonが良いと思う。いやもうむしろDistagonを使って欲しい。
(あまり知られていないのだが、写真はカメラを持ち出さずには撮られることはないのだ!)
こんなことを書いていたが2024夏、このレンズに手を出してしまった。
今後しっかりしたレビューを書く予定。
正直ズミルックスよりもいいと思う。最高のレンズ。
これを手にしてから35ルクスへの物欲がなくなった。
基本distagonを使うようになってしまったが、本記事のnokton vintage lineも併用して使用している。
Distagonを持っているからこそ、nokton vintage lineを使用する際は基本F2以上に絞って撮影したり(開放は緊急用と捉えておく)トリミングを前提として50mmのレンズとして使用するなどの使い方ができる万能レンズとしての役割が見えてきた。小型軽量も手伝ってvintage lineは本当に便利なレンズなのだ。
↓簡易レビューというかファーストインプレッション。
・Voigtlander Ultron 35mm F2 Aspherical VM
現実的な比較対象のレンズ。ネットサーフィンで見てきた限りでは、Leica summicron 35mmよりも全体的に出来が良いようである。(summicronの設計年代が古い問題もあると思う)サイズも十分に小さいし、フォーカスノブもついている。F2で十分だという方はこちら。M10-Rは高感度耐性が控えめで、もちろんのこと手ぶれ補正も搭載されていないのでその辺と相談。好みの問題。
私としては操作性のためにもう少しサイズが欲しかったのと、最短撮影距離がnokton vintage lineより8cm長い58cmだったこと、そしてもう少し浅めの被写界深度が使えると撮影の幅が広がると思いnokton vintage line を選択した。
・Voigtlander NOKTON 35mm F1.2 Aspherical Ⅲ
こちらも現実的な比較対象となりうる。F1.2が強烈な個性のレンズ。
投げやりに思われるかもしれないが、もう好みの問題である!
3代目になって小さくなったといえど、レンジファインダーレンズにしてはまだデカいと思う。F1.2まであるのは確かにとても安心だとは思う。こちらもNikon Z8につけて遊びたい。デカさ重さ、被写界深度の薄さによるピント精度の要求により、携帯性,速写性あたりと要相談。
・Leica Apo-Summicron 35mm F2 Aspherical
これはもう別格。価格、描写、設計、バランス。
全く比較対象にもならないし入らないだろうが、個人の趣味でここに入れている。
フルフレーム用の民生品のレンズでは一二を争う傑作レンズなのではないだろうか。(他の有力候補はNikkor Z 58mm f/0.95 S Noctである。好みで言えばapo-summicron35mmがダントツなのだが。)
手に入れることができるのならば、もう全部これで良いと思います。
おわりに
これまで長々と(なんと10000文字以上)書いてきたが、要するにNOKTON Vintage Line 35mm F1.5 Asphericalはコンパクトで上質な作りで高性能で情緒的な描写をするレンズである。
あらゆるバランスが取れている。
素晴らしいレンズである。