綺麗な字であなたに会いに行く
ご覧の通り。
字が上手く書けない。
奇跡的に急に上手くなること期待して生きてきたが、奇跡は起きないまま今に至る。
とはいえ、問診票に名前を書くときに「うわ……」と思う以外で困ることはなかったので、解読可能ならOKという気持ちで乗り切るつもりだった。
今になって困る日が来るとは。
緋田美琴さんにファンレターを送りたくて下書きをしてみたら、いかにも中等部な字しか書けなかった。
ファンレターの字が綺麗かどうかなんて些細な問題だ。どれだけ気持ちを込めるかのほうがよほど大事だと思う。
そもそも美琴さんは他人の字の美醜に対してとやかく思うような人ではない。
私が見栄っ張りなだけだろうか。どうでもいいことにこだわって行動しないのが一番良くない。
それでも、この字に自分を託すのは嫌だった。
ファンレターは自分の分身だ。直接会えない代わりに、長くは話せない代わりに、自分の心を手紙に変えて会いにいく。
大袈裟かもしれないが、私にとってはそれくらい大切で繊細なものだ。
だからこそ、分身は身綺麗であってほしい。
次の美琴さんの誕生日までに字の練習をすることにした。
毎日、は続けられないかもしれないが、なるべく日が空かないように練習したい。
綺麗な字であなたに会いにいく。
手始めにペン字練習帳を1冊やり通してみた。
練習のお供にノクチルのデトロイト配信を流していたので全く進まず、終わらせるのにかなり時間がかかってしまった。浅倉さんのジェリコ解散させるタイミング変すぎる。
最初はまっすぐに線を書くこともままならなかったが、
今でもままならない。
全然上手くならないのですが。むしろ下手になってませんか?微課金で新しい技術を獲得することは無理なんですか??
自分のできなさにイライラする。
でも投げ出すにはまだ早い。
昨日できたことが、今日絶対にできるとは限らない。
美琴さんが言っていた言葉だ。だから毎日練習を続けるのだと。
美琴さんほどストイックになれなくとも、美琴さんの努力に便乗させてもらうことはできるはずだ。
美琴さんの信じるやり方を私も信じてみよう。まずは続けること。
とりあえず、冬まで。