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訪問リハビリというリスクと隣り合わせの職務

今回は訪問リハビリは施設リハとは少し違ったリスクと共存しながら行う仕事だな、というお話。

訪問リハビリに従事してみたいな!という療法士の方へ、わたしは「良い仕事ですよ!」とオススメしたい気持ちでいっぱいです。

もちろん、病院やクリニックもリスクを管理しながらです。
しかし、訪問リハビリにはどんな特有のリスクがあるのか?それがわからない方もおられることでしょう。

一般的に訪問リハビリのお仕事は病院やクリニックなどの医療施設で働くよりも少し高めにお給料が設定されることが多いです。
特に訪問看護ステーションからの訪問リハビリは高めに設定されています。

これは何よりも訪問リハビリはリスクある職務だから、に帰結するんじゃないか、と思うのです。

そのリスクとは肉体的にも、精神的にもつねに意思決定が伴う、ということです。

新卒や経験が浅くて訪問リハビリのお仕事を選ぶのはリハビリ業界として批判的な意見があるのは確かです。
もし、そうするのであれば、現場教育が行き届いた施設に入ることをオススメされるのも「意思決定が伴う」から、と解釈しています。

今回のnoteは訪問リハビリとは
こんなリスクがある職務なのだ、をお伝えできるようにつづります。

①交通事故

わたしは26歳の就業時間中、交通事故で胸椎の圧迫骨折をしました。
その結果、1年間、休職して理学療法士なのに、リハビリしました。

幸運なことに、神経障害は無く、多くの人の助けによって復職して今もこの仕事に従事しています。
しかし、このリスクは常につきまといます。

②天候で体調が左右される

これは地域によって変わりますが、わたしの地域である大阪は夏は暑すぎます。冬は雪は積もりませんが、寒いです。
雨であれば、業務量が1.5倍になる感覚にもなります。

体調管理に対して、この仕事を始めてから綿密にコントロールすることを気にするようになりました。

この天候への順応ができなくて、訪問リハビリから手を引く療法士も少なくありません。

③マルチなスキルが求められる

訪問看護ステーションは大きい医療法人であれば、多くの職種が関与してくれます。
しかし、大部分の訪問看護ステーションは企業の単位が小さいです。
なので、少ない人材という資源をどうやって稼働させるのか?これが常に大きな命題です。

電話対応、スケジュール管理、他職種との連携はもちろんのこと、営業や事務職としてのレセプト請求の仕事まで求められる場所もあります。

ひとつのリハビリテーション分野だけで完結せず、マルチなスキルが求められるのです。

コミュニケーションスキルについても、多職種連携だけではなく、同僚としてのチームを築き上げられる力が求められます。

「ひとりで訪問する仕事」であるがゆえに、ルールに反するスタッフやモラルを守らないスタッフは大問題です。

名古屋で訪問看護ステーションを複数経営されている、株式会社geneの張本浩平氏はこのようにおっしゃっておられます。

ひとりのモラルブレーカーで組織はあっという間に崩壊する」

リハビリテーション部門の管理とKPI年間立案に関わる因子:リハノメチャンネル

これはその通りで、ひとりの「問題ある行動」で組織の内部信頼はもちろんのこと、外部信頼が一瞬で墜落するのです。

その信頼をリカバリーすること。
歯をくいしばらなくてはいけない場面があります。

④現場に医師も上司も同僚もいない

訪問リハビリは自由度の高い仕事です。

それは「ひとりで訪問するから」に他なりません。

病院という集合体では上司や同僚の「視線」が気になることも多いでしょう。そんな視線は存在しません。

しかし、裏を返せば「わたし以外、誰もいない」のです。

・家に着いたらご利用者さんがベッドから転落していた
・リハビリ中に急変して意識がままならない状態だった
療法士としては怖すぎるシーンです。

その場面に遭遇して助けられるのは「わたしだけ」なのです。
そんな時に冷静な確認、連絡手順と判断が必要となります。

現場について、救急車を要請することもある仕事なのです。

⑤意思決定がストレートに患者さんの明日を変える

④に関連しますが、「わたしの意思決定」でご利用者さんへ明日が変わります。

時に、リハビリ中「あれ?いつもと違う」という違和感を抱くことがあります。その違和感を追及する必要があります。

・直近のお薬変更を把握している。
・おおむね、いつものバイタルを把握している。
・表情、行動を把握している。
・医師からの指示を理解している。

これらは出来ていますか?
トレーニングや、関節の動きに目線がもっていかれてしまってませんか?
「まったく気づかない」なんてこともあるでしょう。

しかし、重ねていいますが「現場にあなたしか、いない」のです。

その重要度をいつも頭に入れて訪問できる療法士はデキる療法士なのです。

まとめ

今回は給与が高い訪問看護ステーションはなぜお給料が高いのか?という問いかけに対して、訪問リハビリはリスクある職務だから、に帰結するnoteを作成しました。

そのリスクとは肉体的にも、精神的にもつねに意思決定が伴う、ということです。

この仕事の業務の辛さと、お給料が高いのが「意思決定の連続」をつかわなければならないから、と思ってください。

わたしはこの業界に色々な療法士さんが入って欲しいと願っております。

そんな方々が、この記事を読み、リスクを分かって入ってこられる。または、リハビリであったとしてもリスクがある仕事なんだよ!と伝われば、私のこのnoteは価値があったといえます。

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