大学院生1年後期に研究室を変えて、"しゅうりょう"した話
3月25日に某大学院を修了し、修士(理学)をゲットしました!
先輩や後輩、先生、そして親にはお世話になり、本当に感謝の気持ちで一杯です。
しかし、修士2年の一年間は常に (卒業できないかもしれない) という不安で一杯でした。
と言うのも、私は修士1年の10月25日に諸事情があり、学士3年の夏頃からお世話になって研究室 (以後、元ラボ) を辞め、違う研究室 (現ラボ) に移籍したからです。
修士1年の後半にデータが0。野球に例えると、「8回、得点差大きく負け濃厚」といった所でしょうか。しかし、私は野球が分からないため、(マ、なんとかなるだろ) と移籍を決めました (当時はとても混乱してた照)。
しかし、改めて振り返ると (よく間に合ったな) と言う気持ちです。期間で言うと卒業するまでに17ヶ月、修論仮綴の提出までだと15ヶ月、さらに私は5ヶ月ほど就活活動をしていたため、実験時間実質10ヶ月。
周りの学生が学士4年からの3年間 (36ヶ月) で修士を取ると考えると期間で言うと半分もなかったわけです。
ここで修士を取る上で自分の利になったことは、大学2年の冬から大学3年の間に元ラボではなく、現ラボで「リサーチングアシスタント(RA)※1」として研究室で実験をし、”お酒大好きな現ラボの先輩”に誘われるがまま、”お酒大好きな私”は宴会にお邪魔し、”お酒大好きな先生達”とお酒をたくさん呑んで顔見知りになってたことです。つまり私には“酒の利”があったのです。
と言うのは半分冗談で、本当の所はRAをしていたおかげで次に所属する研究室がすぐ決まったことが大きかったと思います。運よく私には”人の利”がありました。突然連絡をしてきた野良大学院生の私を拾ってくれた先生には一生頭が上がりません。そして、その所属先に手厚く後輩指導をしてくれる博士後期の先輩がいたこと。先輩のおかげでギリギリの所を生きてた私でも(研究って楽しいんだな)と思えました。
また、生物学的なことで言うと、”研究対象の利”があったのではないかと思っています。元ラボではショウジョウバエを扱っていましたが、現ラボでは分裂酵母を扱っていたことが圧倒的に私の実験を早めてくれたように思います。どちらの生物もモデル生物※2として優秀ですが、形質転換をするのに前者は1ヶ月ほどかかるのに対し、後者は1週間もかからないのです。酵母ってすごい。
また、親が金銭援助を手厚くしてくれたことがめちゃくちゃありがたかったです。なんか汚く聞こえますが”金の利”です。飲食店でバイトをしていると1日に5~6時間くらい奪われてしまいます。その時間があれば論文が一本読めます。また、お金がないとお肉とか栄養のあるものが食べられないので、研究で大切な体力が奪われてしまいます。お金は大事だなとしみじみ思い知らされました。
そんなこんなでなんとか、修了できたわけです。軽い感じで書きましたが大学院生活は想像以上に過酷でした。私の周りにも、大学院に進学したものの、休学したり、中退したり、中には去年の12月(修論発表会直前)にデータが足りず、退学した方もいました。日本人だけではなく、留学生の友人にも「研究室がきつい」という話をされたことがあります。大学院に進学したものの、研究室を変えたいと悩んで変えて修士をとれた一例として記録しておきます。
※1 RA:大学にあった神システム。研究のお手伝いをしてお金がもらえる雇用のこと。
※2 モデル生物:全てのゲノム配列がわかっていて、研究する際に扱いやすい生物のこと