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生活習慣は一口では説明困難!その複雑さと神秘
こんにちは!YouTubeチャンネル「リハビリ・ラボ」を運営している理学療法士です!
今回はタイトルにもありますように「医療従事者が知っておくべき生活習慣の複雑さ!患者指導をする前に知っておくべきこととは?」という内容です。
⏬YouTubeチャンネル「リハビリ・ラボ」の動画はこちら!
今回の動画の紹介
生活習慣って何か考えたことがありますか?医療従事者であれば患者さんに対して服薬指導や運動指導、食事指導など様々な患者指導を行いますよね。その中でも患者さんの生活習慣を変更させるような指導を行うことだってしばしばありますよね?「運動しましょう!」「間食やめましょう!」「タバコは控えるようにしましょう!」などなど。あげればきりがないです。人にはそれぞれ生活習慣というものがありますが、そもそも生活習慣って何か皆さんが知っていますか?皆さんにここでお聞きします。普段「歯ブラシはどっちの手でしていますか?」「靴はどちらの足から履きますか?」・・・。「え?考えたことないし、意識したことないよ。そんなの。」そうです。それが習慣です。ではなぜ、そのような意識せずとも行うことができる習慣があなたにも形成されているのでしょうか?それを知らずして、患者指導はできません。今回の動画では患者指導を行う医療従事者に「生活習慣」とは何か?について知ってほしくて、考えてほしくて作成しました。ぜひご覧ください。
今回の動画では「そもそも生活習慣って何?」というところから始まります。
そんなもんわかっているわ!とつっこまれそうですが、これが本当に不思議なんですよね。
生活習慣って。
ここで皆さんに思い出して欲しいのですが、
「歯磨きは普段どちらの手で行いますか?」
「靴はどちらの足から履きますか?」
「え・・・そんなの考えたことがないわ」という返事がかえってきそうです。
そうです。つまりは私たちの行動もほとんどが何気ない、意識したことがない習慣でできているのです。
ちょいちょい出てくる図はYouTube動画の資料と同じです笑)
1日のうち自分で考えて行動をしていることって本当に少ないんですよね。
図にも出ているように私たちは自分で行動しているかのように思いますが、「自動操縦化」されています。
この自分で行っているように行っていない、つまりは考えて行動をしていない自動操縦モードが生活習慣です。
じゃぁ、なんで行動は自動操縦化されてしまうのでしょうか。
そこには「二重過程理論」というものが働いています。あまり聴き慣れない言葉ですよね。
この限定合理性とは以下のように言われています。
全てのことを人間は知り得ず、限定的な情報の中で正しいと信じることを合理的に判断している
引用)医学書院出版 編集 一般社団法人日本健康教育学会
つまり私たち個人が知っている情報や知識に限界があるため、下される意思決定も全て合理的なものではなく
だいたいにして瞬時に判断されているものがほとんどであるとされています。
つまり、自分の知っていることには限界があるので考えるのがめんどくさいし、人間の処理能力にも限界があるので
いちいち選択をしていたら疲れるから思考と行動を自動化させているのです。
「なんとなくそうしている」ということがいかに多いことか。
でもこの行動と思考の自動化も役に立ちます。
スーパーなどでの買い物を思い出してください。
いちいちめちゃくちゃ考えますか?なんとなく国産が良いとか、なんとなく遺伝子組み替えではない大豆が良いとかで
選んでいませんか?
また牛乳やパンなどもいつもこのブランドのものしか買わないけど、なんでこのブランドにしているんだっけ?と考えた時に、
明確な理由を持っている人はすごく少ないんではないでしょうか?
そう。スーパーなどのように1つの商品に対して様々なブランドが出している時に、1つ1つ吟味していたら
「選択疲れ」が生じてしまって何も決定することができなくなってしまいます。
だからこの何となくで決めている自動操縦モードは全て悪ではないのです。
しかしながら医療現場ではそうも行きません。
もし患者さんの自動操縦化された行動、つまりは生活習慣が健康に害を及ぼす可能性があるのであれば
それを修正してもらう必要があるので、患者指導を行います。
ところが、それがうまくいかないことが多いんですよね・・・医療従事者の努力もむなしく。
なぜか。
それは、人間はこのようにほぼ直感で行動をしているのに、医療従事者は熟慮が必要な行動、意識した行動ばかりに
アプローチし続けることばかり考えるからことごとく失敗に終わっているからです。
⏬今回の記事の内容はYouTubeチャンネル「リハビリ・ラボ」よりどうぞ!
そろそろ文字を書くことに疲れてきました笑)皆さんも真剣に読むの疲れませんか?動画で楽しちゃいましょう笑)
続けます。
めんどくさがり、行動のほとんどを自動させている人間に真っ向から挑み、頭を使わせ行動を変化させようとする患者指導を行っている医療従事者はもっと広告コピーなどの本を読んだ方が良いです。
広告って不思議なものでついつい見てしまいますし、勝手に目に留まるようになっています。それは人間の潜在的または顕在的なニーズを的確に捉えているからなんですね。
人間は自分が興味あるものを瞬時に見つける能力があります。
これについてはこちらの動画で紹介中。
⏬手抜きの目!患者と医療者が見ている世界は異なります。そのことをしっかりと考えておきましょう!
私の好きな本に書かれてあったことを紹介しましょう。
広告は普通の人の意欲を期待してはいけない
引用)広告コピーってこう書くんだ!読本
これは面白い視点ですよね、そうなんです。「これはどういう意味だろう」って考えさせるような広告って本当に少ないんです。
なぜか。
それは人間がめんどくさがりな生き物なので、立ち止まって広告を見ることが少ないからです。
だから難しい内容の広告をつくってもそれを理解しようと頑張る意欲を普通の人に期待してはいけないとしているのです。
これは医療現場でも同じことが言えます。
よっぽど「なんとかしないといけない」と焦っている、本気で自分の健康について今考えている人、
つまりは普通の人の意欲以上がある人には真っ向から患者指導をしても受け入れてくれますが、そうでない人、普通の意欲もない人の場合は真っ向から患者指導をしても反応は少ないものです。
医療従事者は真面目な方が多いので「なんとかしてあげたい」と本気で挑みますが、意外と患者さんはそこまで意欲が高くないんです。実は。
最初は高くても、いつのまにか自動操縦化された行動に戻っていることがほとんどですよね?経験があるはずです。
広告コピーの世界というのはこうした人間の真理、潜在的・顕在的なニーズをつくための努力をおしみません。
「うまいこと言っているな」と感じる広告のほとんどはこうしたことをきちんと理解しているから、
人の目に止まり、話題になるのです。
そしてそれが商品の広告であれば、それが売れるようになります。
人がどのような刺激(キュー)に対しては反応をしやすいのかを医療従事者も学ぶ必要があります。
習慣とは環境にあるキューによって引き起こされ、繰り返される行動のことを言います。
習慣は自動的な行動であり自分の意識の外、つまりは無意識下での行動になります。
だから習慣が生じていることにすら人は気づきません。
そうすると、「私」とは一体何ものなのでしょうか?
お、話の展開が変わってきましたね笑)
ここから迷想します笑)
デカルトです。
かの有名な「我思うゆえに我あり」というやつです。
今回の動画のタイトルにもあるように生活習慣、つまり人の行動やその背景にある真理を一口で語ることなど不可能なのです。
人間は合理的な生き物ではありません。
なぜ、だめだとわかっていて夜中にお菓子を食べるのですか?
なぜ、だめだとわかっていて不倫をするのですか?
なぜ、だめだとわかっていていつまでもSNSをダラダラと見てしまうのですか?
超完璧合理人間などこの世にはおそらくいないでしょう。私もあなたもそうです。
医療従事者はクソ真面目な方が多いので、目の前の患者さんに対して「なんとかしてあげたい」と思うことが多いのですが、
そのクソ真面目さがうまくいっていない原因かもしれません。
これまでうまくいった事例は「普通の人以上の意欲のあった人」であったことがほとんどです。
もっと人間の行動・真理の奥深さを学ぶ必要性があります。
生活習慣・行動変容、患者指導・教育はめちゃくちゃ奥が深い話なのです。
というわけでYouTube「リハビリ・ラボ」では行動変容シリーズをアップしています。
皆さんの普段からの仕事がもっと楽しくうまくいきますように。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!!!!
これからもよろしくお願いします!!!!!