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kokoro

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医療現場のリアルを公開。突然の事故や病気による障害、余命宣告をされた患者さんたちの言葉から教えられる人生や命についてを語っています。
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#日記

今、お父ちゃん焼いている時間だわ

「今、お父ちゃん焼いている時間だわ」 ある日、リハビリを行うために患者さんのお部屋に行った際に患者さんから開口一番に言われた一言がこれでした。 私が担当していた患者さんの旦那さんは別の病院で入院中でした。夫婦揃って病気で入院をしていたのです。それも別々の病院で。 互いにかなり重症でお互いの病院を行き来することはできない状況が長く続きました。 そんな時、患者さんの旦那さんは亡くなりました。 死目にも会えず、葬式にも出られずの患者さんは今、何を思うのでしょうか。 「今

こける医者、ほくそ笑む私

私は理学療法士として病院で働いています。 この記事はstand.fmでも音声のみで配信をしていますので、読まなくても大丈夫です。 今回の記事はタイトル通りですね。 こける医者、ほくそ笑む私です。 ある日、病棟の廊下を何気なく歩いていたら、スマホを片手にスタスタと歩いている医者が私の前にいるではありませんか。 病院でスマホを見ながら、つまり歩きスマホ・・・だめな人ね・・なんて思いながらその医者の後を歩いていた私。 すると突然、私の視界から医者が消えたではありませんか

その家族の自撮りの意味、病院でのある光景

今回の記事はstand.fm「病院あるある探検隊」でも紹介した内容です。stand.fmでは今回の記事を音声で聞くことができます。 ある日の夕方、 私は、息子の保育園のお迎えのために足早に職場の敷地内を歩いている時でした。 「息子は泣いていないかな」 「今日は保育園で楽しんだかな」 と思いながら歩いている時、 私の歩行速度が急に遅くなりました。 それは目の前の光景に目を奪われたからでした。 敷地内のベンチに座る母親と病気を抱えた子供の姿。 子供はおそらく重度

自分の幸せ軸は

私は30代男性 1児の新米パパだ 仕事もおもいっきりしたいからどんだけ働いても苦痛はあまりない でもそれをすると子供との時間がなくなる 優先順位などはつけられない どちらも大切 この大切なものを載せた天秤の上で右往左往する私の「幸せ軸」 そんな時、1冊の本に書かれていた言葉が印象に残った 三浦崇宏さんの「言語化力」だ ​ この本では文字通り言葉が持つ力について書かれてある本だが、結構おもしろい この本の中で幸せについて考える章の中の言葉が妙にささった 自