完成 〜締め切りについて〜

みなさま、こんにちは

今朝の「音楽の絵本(75)」(音楽瞑想会)ありがとうございました。
今回は「完成」というエッセイを演奏とともにお送りいたしました。

アーカイブは以下でご覧いただけます。
https://youtu.be/LMTiB8LKxEg

KABUTO 音楽の絵本
Story-75 完成

「目を閉じます。今朝は、「完成」というテーマでお送りしたいと思います。
何かを完成させたい、やり遂げたいと思うことがあっても、時間ばかり過ぎて、気がついたら何も進んでいないということがあります。
時間は作ろうと思えば作れる、始めようと思えばすぐにでも始められる、でも「今日は気が乗らないからあしたにしようかな」とか思う。私もこのようなこと結構あります。

ある番組で司会者が、ゲストの小説家の2人にこんな質問をしました。
「もし出版社の締め切りがなかったら、こんなに作品を書けていると思いますか。」
答えは2人とも「ノー」でした。

1人は「締め切りがなかったら、毎日が日曜日です。新聞読んで、コーヒー飲んで、そろそろ新作、書いてみようかなぐらいにしか思わないと思います。これではプロットという筋書きだけはいくつもできるかもしれませんが、永遠に作品は生まれないように思います。」と話していました。
もう1人は「人間はもともとが怠け者だと思うのです。締め切りという設定があるから仕事というスタンスが生まれ、責任というエネルギーが本という形にしていくの・だと思います。」と話していました。

またある有名な作詞家の方のこんな話も聞いたことがあります。
「今日は気が乗らないと思うことはあります。そんなときは紙とペンをテーブルに置いて1行でも書き始めます。するとだんだんとエンジンがかかってきて、良いフレーズが生まれ、そのフレーズを光らせるフレーズが生まれてくる。気が乗らないときは「まず始めること」です。」と話していました。

またある女流作家はこんな話をしていました。
「締め切りぎりぎりまで、物語の結末の終わり・方で悩んでいたんです。主人公の思いをどこまで描くか、どのような場所で終わるか。締め切りが来て、スタッフに原稿を渡したのですが、二日経って朝起きたら「やっぱり直したい」と強く思い始めました。出版社に電話をしましたが「もう印刷に入っていて間に合いません」と言われて後悔しました。でもまた時間が過ぎていくと「あのままで良かったかな」とも思えてくるのです。不思議なものです。」と話していました。

何かを完成させるというのは、さまざまな状況やタイミングがあるように思います。しかしどんなに紆余曲折しようと、完成した作品は永遠のものになる。

心が今とても穏やかです。安心と幸せの中にいます。

何かを完成させるために、何かを継続させるために、モチベーションを維持するというのは大変なことだと思います。
そのために、自分に締め切りを作るというのはとても重要かなと思います。

発表会に出ることを決めて、当日までピアノの練習をして、できる限り技術を高める。展覧会を開くことを決めて、開催までに何が何でも作品を間に合わせる。
これらは、自身の願望実現ということもありますが、発表会でピアノの演奏を聞いた人が癒され、また展示会場で作品を見た人が、日々の疲れがとれてくつろぐ、そんな喜びの共有もあります。作り手とそれを鑑賞する人がつながる。みんなひとつという思いも生まれます。

ゆっくりと、もともとのあなた自身を感じていきます。
目を閉じたまま、だんだんとご自身に戻っていきます。
自分自身を感じていきます。全身を左右に少し動かしてみてください。
手の平を広げてください。

「締め切りを自分に課すことで、完成という日を迎えることができ、その完成は誰かと喜びを分かち合える、愛を分かち合える」その幸せを感じています。ご自身がかけがえのない存在であることを思い、安心と幸せに包まれていることを感じます。

ゆっくりと目を開けてください。
ありがとうございました。
今、素晴らしいエネルギーに包まれ、満たされています。
すべてがひとつということは、あなたはすべての命「ひとつひとつ」であるということです。
良い一日をお過ごしください。」

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