見出し画像

第4章③ 土壌水分に関する診断項目

このnoteでは、土壌医検定の問いのテーマから内容整理や関連する内容をアウトプットしていきますのでご参考にしていただければと思います。
<注意点>
問題の選択肢や解答は掲載しません。
また、内容につきましても個人的なまとめのため、保証はできかねますので、ご了承ください。

今回の対象
第4章 作物生育と土壌の物理性

問1
pF値に関する記述の中で、最も正しいものはどれか。次の中から一つ選びなさい。
問2
水田の日減水深に関する記述の中で、正しいものはどれか。次の中から一つ選びなさい。
問3
土壌水分の状態を評価するための指標であるpF値に関する記述の中で、正しいものはどれか。次の中から一つ選びなさい。

新版 土壌医検定試験既出問題集より

(1)畑作物と土壌水分

・pF値とは

土壌中に保持された水を作物が利用するためにその土壌から水を引き離すための力を表すものである。
土壌に保持された水を取り出すときに必要な圧力を水柱の高さ(cm)に換算し、その対数を取ったものである。
圃場の水分状態でみると、灌水状態の水田はpF0であり、降雨や灌漑後24時間経過したときの水分量はpF1.5~1.8でpF1.8までが重力で流去する水の量である

新版 土づくりと作物生産より

何か難しいことを書いていますが、要は水を取り出すのにどれだけの力がいるかという感じでしょうか。
灌水水田ならば、水が溜まっている状態なのでpF0で水分が少なくなるほど取り出す力は必要となるため、pF値は大きくなる。

畑作物はpF1.5~1.8からpF2.7~3.0で健全に生育でき、「易効性有効水」(成長有効水ともいう)と呼んでいる。
pF3.8から作物はしおれ出し、pF4.2は「永久しおれ点」となります。

pF値の計測は、pFメーター(テンシオメーター)によって計測する。


・作物の種類によって収量や品質向上に適した土壌水分がある

 サツマイモ、サトイモ、ゴボウ:耐湿性がある
 インゲン、トマト、ホウレンソウ、ダイコン:耐湿性がない

 温州ミカン、トマト、メロンでは、土壌水分量が減少すると糖度が向上することから節水栽培がおこなわれている


・畑作物の土壌病害虫の中には水分量が多いと発生が拡大するものがある

センチュウは基本的に水生生物であるため、土壌水分量が多いと繁殖しやすい。
アブラナ科の土壌病害である根こぶ病は土壌最大容水量の60%以上で発病しやすく、40%以下の乾燥条件では発病しにくい。


(2)水稲作と土壌水分

水稲の育成を良くするためには適度の透水性と保水性が必要である。
透水性・保水性の指標としては、水田一筆あたりの田面水位の増減を示す日減水深がある。

減水深=蒸発散量(水面蒸発散量+葉面蒸散量)+浸透量(畝浸透量+降下浸透量)

水稲においては日減水深が20~30mm/日の時が収量が最も高い。

新版 土づくりと作物生産より

透水性が良すぎる場合
・灌漑水量が大量に必要
・灌水状態での保湿機関が短く、冷水害の恐れがある
・肥料の損失が大きい

排水性が悪い場合
・水田が還元状態となり、硫化水素が多く発生し、根に障害が出やすい
・有機物の分解が遅く、有機酸など水稲の根の育成に有害な物質が生成される

まとめ

問1
pF値に関する記述の中で、最も正しいものはどれか。次の中から一つ選びなさい。

pF値について何を表している指標か?数値が小さい場合、大きい場合は何を表しているか理解すればOK。

問2
水田の日減水深に関する記述の中で、正しいものはどれか。次の中から一つ選びなさい。

適切な日減水深(20~30mm/日)と日減水深に影響を与える要素(蒸発散・浸透)及び、透水性が良すぎる場合、排水性が悪い場合の問題点を理解すればOK

問3
土壌水分の状態を評価するための指標であるpF値に関する記述の中で、正しいものはどれか。次の中から一つ選びなさい。

畑作物の健全な生育に適したpF値、しおれ点・永久しおれ点のpF値を理解すればOK


最後までお読みいただきありがとうございました。
サイトマップは以下へどうぞ!

いいなと思ったら応援しよう!