第3章⑥ 化学性診断(微量元素)
このnoteでは、土壌医検定の問いのテーマから内容整理や関連する内容をアウトプットしていきますのでご参考にしていただければと思います。
<注意点>
問題の選択肢や解答は掲載しません。
また、内容につきましても個人的なまとめのため、保証はできかねますので、ご了承ください。
今回の対象
第3章 作物生育と化学性診断
まだまだ続くよ化学性診断。
今回は微量元素を勉強していきます。
微量とはいえ、無くてはならない存在ですね。
私もニッチな世界で生きていこうと思います。
さて、必須微量元素は何だったでしょう?8元素ありました。
鉄、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、ホウ素、塩素、ニッケル
今回は微量その中でも欠乏症、過剰症の発生割合が多い、マンガンとホウ素となります。
(1)微量元素の欠乏症、過剰症の発生要因
(2)マンガン
マンガンは葉緑体の形成に関与している元素です。
マンガン欠乏症はどのような条件で発生するのか?
①土壌pHの高い土壌(6.5以上)
なぜ?
・二価のマンガンが四価のマンガンとなり不可給態化し、根から吸収されにくくなるから
二価マンガン:水に溶けているか、土壌に吸着している状態で吸収されやすい
四価マンガン:酸化している状態で根から吸収されにくい
確かに酸化している物質は結合度が強い。
②養分の溶脱しやすい土壌や有機物の多い土壌
・砂土質等透水過多の場合、マンガンが流亡しやすい
・有機物の含有量は多くpHがアルカリ性の場合、マンガン参加細菌の活動が活発になり、四価マンガンとなりやすい
では、過剰症は?
①土壌pHの低い土壌(pH5.0以下)と排水不良土壌
欠乏症の土壌の逆です。
欠乏症、過剰症の症状は?
果樹に多く発生する。野菜はホウレンソウ、麦に多い。
欠乏症:着色不良障害
過剰症:葉に褐色の小斑点
(3)ホウ素
ホウ素は細胞壁の構造維持に必要な元素です。
ホウ素欠乏症はどのような条件で発生するのか?
①土壌pHの高い土壌(7.0以上)
マンガンと同じですが、理由は若干違います。
ホウ素はpHがアルカリ性に傾くと土壌有機物と結合し、根から吸収されにくくなります。
※マンガンは酸化
②乾燥した圃場や透水性の良すぎる砂質土等
③ホウ素要求量が多いアブラナ科野菜
一般に単子葉植物より双子葉植物の方がホウ素要求量が高く、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、キャベツなど)は要求量が多い。
では、過剰症は?
①ホウ素入り肥料の過剰連用
ホウ素は作物要求量の適正範囲が狭いことから過剰症が発生しやすい。
特に陽イオン交換量(CEC)が小さい土壌において、過剰障害が発生しやすい。
欠乏症、過剰症の症状は?
欠乏症:枝や根の先端など生長点での形成が進まなくなる
ダイコン、カブなどは肥大が悪く、内部に淡褐色部分ができる
過剰症:葉緑部が褐色になり、育成が低下し減収となる
まとめ
PH(アルカリ性で欠乏)、有機物の量がポイントで四価(酸化)となった場合、吸収が良くないですね。
PH(アルカリ性で欠乏)、乾燥・水はけが良い(陽イオン交換量が低い)、アブラナ科植物(要求量多い)がポイント
PH(酸性で過剰)、排水不良で発生がポイント
化学性診断は次回でやっと終了予定です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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