第5章② 土壌病害、センチュウ害の抑制対策
このnoteでは、土壌医検定の問いのテーマから内容整理や関連する内容をアウトプットしていきますのでご参考にしていただければと思います。
<注意点>
問題の選択肢や解答は掲載しません。
また、内容につきましても個人的なまとめのため、保証はできかねますので、ご了承ください。
今回の対象
第5章 土壌病害、センチュウ害の抑制対策
(1)作付体系の改善
1)輪作
作物を連作することにより土壌微生物相が単純化され病原菌密度も増加する。輪作を実施することにより、土壌微生物相の単純化を抑止し病原菌密度を低下させることができる。
田畑輪換は、田畑と水田の性質の違いから微生物相の変化を伴うので、病原菌等の密度を積極的に低下させる。
ただし、病原菌の中には休眠胞子等で長期間生存するものや寄主範囲が広いものも存在する。
輪作体系の実施は病原菌を完全に除去するものではなく、病原菌の密度を低いレベルに維持していくものである。
2)輪作体系に組み込む作物
輪作体系に組み込む作物は、異なった科の作物と組み合わせたほうが良い。
作物の中には連作障害を受けにくい作物があるので連作体系に組み込むと良い。
<連作障害を受けにくい作物>
イネ科作物、カボチャ、アスパラガス、シソ、タマネギ、ジャガイモ
また、連作体系に組み込むことでセンチュウ害を積極的に抑制することができる対抗作物がある。
<有害センチュウと主な対抗作物>
・ネコブセンチュウ
⇒クロタラリア、ギニアグラス、ソルゴー
・ネグサレセンチュウ
⇒マリーゴールド、エンバク、クロタラリア
(2)土壌管理と施肥管理
1)pH
土壌の化学性と土壌病害の発生については、土壌pHとの関連が深い。
概して糸状菌による病気は酸性で多くなり、中性からアルカリ性で
少なくなる傾向がある。
アブラナ科の根こぶ病はpHを7.2~7.4に調整することにより、遊走子の鞭毛が動けなくなり感染できなくなる。
ジャガイモそうか病は放線菌による土壌病害であり中性からアルカリ性で発病が激しくなる。pHを5.0前後の酸性にすることで対応することが多い。
2)肥料養分
・窒素
窒素過剰により作物が軟弱に育ち、病害虫の被害を受けやすくなる
・リン酸
多くの土壌病害において、リン酸過剰は発病を助長する傾向がある
・カルシウム
作物のカルシウム含有量が低下すると一般に病原菌に侵入されやすくなる
・マンガン
マンガンは作物のリグニンの生合成に必要な微量元素で、不足すると土壌病害にかかりやすくなる
(3)土壌病害やセンチュウ害の抑制資材
・石灰窒素
カルシウムシアナミドを主成分とする肥料。根こぶ病や有害センチュウに対し抑制効果がある
・生物農薬
天敵昆虫、天敵センチュウ、拮抗微生物など生物的防除資材で環境負荷が少ないが、現状農薬登録されているものは少ない
(4)熱による土壌消毒
・太陽熱土壌消毒法
栽培休閑期にハウス内を密閉し、土壌の水分量を高めマルチを張り太陽熱を利用し40~45℃を1カ月程度持続させ、有害な病害虫を死滅させます
・土壌還元消毒法
有機物を土壌に混入させ強い還元状態にすることで土壌を消毒する方法。
太陽熱土壌消毒法より低温で効果が得られる。
有機物としては、ショ糖、低濃度のエタノールが効果が高い
・蒸気土壌消毒法
蒸気ボイラーで発生させた水蒸気を土壌中に送り込み、水蒸気が液化する際に放出する熱を利用して地温を上げ、殺菌する消毒法。
太陽土壌消毒法のように時期が限定されず、期間も短期間で実施可能であるがコストがかかる。
・熱水土壌消毒法
高温の熱水を土壌に注入する消毒法。注入された熱水で 土壌中に生息している病原菌や有害線虫、害虫、雑草 種子等を死滅させる。
こちらもコストがかかる。
(5)化学合成農薬による土壌消毒
主な土壌消毒材としては、クロルビクリン、ダゾメットがり、土壌病害と有害センチュウの防除や雑草種子の死滅に効果がある。
これらは揮発性で臭気や刺激臭のガスを発生するものが多いので、作業者の安全や近隣への影響を十分考慮する必要がある。
まとめ
有害センチュウの種類や対象の作物を押さえればOK。
前述の(1)~(5)の対策を押さえておきましょう。
前述の「(2)土壌管理と施肥管理」の作物とpHの関係、肥料養分を押さえておきましょう。
前述の「(4)熱による土壌消毒」の種類と特徴を押さえておきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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