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#ヘラシーな先生たち Vol.1 安田藤嗣|「続けられる理由があることは、コミュニティの魅力だと思います」
healathy VILLAGEの運営するオンラインヘラシースクールの講師へお話を伺うマガジン「ヘラシーな先生たち(healathy teachers)」。
ヘラシースクールでは、毎日のホームルームと不定期の特別講義を行なっています。その内容は、栄養学から料理教室までさまざま。それぞれの分野で活躍する講師陣が、”healthy”を盛り上げます。
そんな講師陣の活動背景や講義内容を伺うこのマガジン。第1回目のゲストは、安田藤嗣さんです。
滋賀県にて古民家ファスティング『藤樹の宿』を運営している安田さん。healathyでは“村長”の愛称で親しまれ、受講生の方々と面談や毎日の講座を通して“超少食ファスティング”のノウハウを教えています。
ー 安田さんはhealathyでどのようなことを教えているのですか?
healathy villageでは“村長”として、受講生の皆さんと面談をし、それぞれの生活習慣や食事内容をヒアリングしています。ファスティング期間中のホームルームでは、映像を通して“超少食ファスティング”とは何か、どのように行うのかなどを解説。卒業後に歴代の受講生が入れるグループLINEではコラムも掲載し、続けられる“超少食ファスティング”の生活を提案しています。
ー 普段は滋賀・琵琶湖畔の古民家で“超少食ファスティング”をされているとのことですが、これまでの経緯を教えてください。
経緯は、これまでのファスティング歴を振り返りながらお話しさせてください。
保険の代理店で営業をしていた私は、かなり忙しい生活を送っていたのですが、ある日、研修旅行で韓国へ訪れたついでに、キリスト教のファスティング施設に行ったんです。そこで86キロあった体重が18キロも減って……。「心もすっきりするし、これはいいぞ! 日本にも取り入れたい!」と思い、ファスティングへの道を志すことになりました。それが、1993年。43歳の冬でした。
もともと、ファスティングには興味があって。韓国へ行く前から「もし韓国のファスティングがよかったら、仕事では一線から退き、断食の施設を立てたい」と思っていたんです。構想はありましたが、韓国へ行き、これが自分のやるべきことだ、と確信しました。43歳から70歳に至るまでの間、頭のなかは全て断食と言っても過言ではありません(笑)。
▲ファスティングランチのお弁当
ー そうだったんですね。そこで、断食の施設を立てた、と。
はい。韓国から帰国してすぐに準備をはじめ、1995年にオープンしました。私は「人に勧める前にまず自分がやってみる」がモットー。準備期間ももちろんファスティングをしました。
はじめにオープンした施設では、韓国で行った「水だけを飲むファスティング」を始めました。ですが、参加者の皆さんがどんどん体調を崩してしまって……。必要な栄養すら取れないことが原因なのかもしれないと思い、翌年には、日本で最初の手作り酵素ジュースを飲むファスティングを始めました。
当時、アメリカのビル・ブライドが40日間断食をした体験記『THE COMING REVIVAL カミング・リバイバル』が話題になり、それを読んだ多くの人たちが来てくれるようになりました。いわゆる、断食ブームですね。
ビル・ブライドの40日間に倣って、私たちも酵素ジュースを使った40日間の断食を合計3回行いました。ただ、2005年くらいからブームが去り、だんだんと人が減って……。断食の機会も減った上に、通常の食事では物足りず、甘いものばかり食べるようになってしまいました。みるみる体重が増えて、92キロを更新してしまったのです。
次は誰でも気軽に参加しやすいよう、一泊5000円の断食施設を新たに立ち上げたのですが「断食道場なのに先生が太っている」と言われてしまうことが増えてしまって。これはまずいと思い、「糖質制限ダイエット」に挑戦し、やっと80キロまで落ちました。ただ、標準体重は62キロ。なかなか減らずに苦戦していました。
断食をしてもあっという間に太るのはなぜだろう。そう考えたときに、酵素ジュースには大量の白砂糖が使われており、それによって砂糖中毒になっていたのだと気づき、全く別の方法での「続けられるファスティング」について考えるようになったのです。
そんなとき、断食療法の推進者・甲田光雄先生の本で“超少食ファスティング”と出会いました。2015年、「老後はゆっくり過ごしたい」と事務所の引越しを考え始めたタイミングです。せっかくなら、古民家のリラックスした空間で“超少食ファスティング”をできないか、とひらめきました。
はじめは大分県・由布院で探していたのですが、来られる人が限られることを懸念して、関西で探し始めました。そうしてたどり着いたのが、琵琶湖です。見物へ行き「ここだ!」と、高島市の移住課に相談した際に紹介してもらったのが、今の『藤樹の宿』でした。
宿のリノベーションをしながら、超少食ファスティングを始めたところ、すぐに体重が標準体重まで落ちました。型さえ覚えれば期間限定ではなく、一生続けられる。そんな“超少食ファスティング”を多くの人々に知ってもらいたいとホームページを作り、2017年6月3日、私の誕生日に『藤樹の宿』をオープンさせたのです。
だんだんと人が増えてきて、2019年のお正月に情報エンターテイメント番組『ちちんぷいぷい』(MBS)の放送をきっかけにさらに勢いが増してきた……と思っていたときに、COVID-19が世界中を襲いました。
客足が途絶えはじめていたときに、京都にいたアドレスホッパー(※固定の家を持たず、さまざまな地域を転々とする“アドレスホッピング”という移動生活を送る人々)の市橋さんが長期滞在を目的に『藤樹の宿』に来てくれました。お客様は市橋さんだけ。いろんな話をしていくうちに、市橋さんが「オンラインで一緒に何かをやりましょう」と声をかけてくれて。市橋さんの友人からはじまったhealathyがどんどん広がり続け、今に至っています。
▲市橋正太郎さんの投稿
ー 超少食ファスティングは、玄米40g・おかず60g・味噌汁60gとその量が特徴的です。これは、どのような基準で決めたのでしょうか。
少食断食による療法を提唱している甲田光雄先生の提唱されている理論をベースに設計しました。本では玄米40gと書かれてあったので、参考にしつつ、1日の摂取カロリーを1000キロカロリーにするために計算し、自分の身体で実証を繰り返した結果、おかず60g、味噌汁60gで落ち着きました。
ー 最後に、healathyのコミュニティならではの魅力があれば教えてください。
参加しやすい価格設定を心がけているからか、『藤樹の宿』に来館される方々よりも年齢層が低いことです。さまざまなお客様と接してきましたが、卒業生のコミュニティーを見ても「これだけの人が超少食に目覚めているのか」とびっくりしました。始まる前「ほとんどが挫折してしまうのではないか」と心配していたのに、みんなが仲間と手を取り合って続けている。続けられる理由があることは、コミュニティの強みだと思います。
実際に断食道場に参加するとなるとハードルは高いですが、自宅で気軽に参加できますし、仲間がいることで続けやすいと思うので、まずは10日間、気軽に参加してもらえたら嬉しいです。
◆安田藤嗣
滋賀県にて、超少食ファスティングを体験できる古民家ファスティング「藤樹の宿」を運営。healathy VILLAGEでは“村長”の愛称で親しまれている。
https://tojunoyado.jp/
(取材・執筆:高城つかさ @tonkotsumai)