Chillas Artの新作ホラーゲーム「呪われたデジカメ」に関する個人的な考察(ネタバレ多数)

現在、配信者界隈で注目のホラーゲーム「呪われたデジカメ」に関して、各配信者の放送中に明かされなかった謎、作品に隠された背景や人物描写、ミスリードにつながる表現へのツッコミ、及び、作品全体を通した裏読みの考察を行ってます。

なお、あくまでも「私的な考察」なので過不足や誤認表現も多いかと思いますが、そこは「テキトー言ってやがる」ぐらいに笑っていただいて、ご自身の知識や考察に微量の肉付けを行う程度の物だと思ってください。

プロローグ

ホームビデオ映像で仲のよい親子の公園での様子から始まる。
楽し気な娘との会話中、突如、映像が切れ不安な雰囲気が漂う。

モノローグによる父親の述懐。
「先日、近くの公園で娘が死んだ」
父親(主人公)の自宅リビングには行方不明の子ども捜索ビラと共に、
「それ以来眠れず、あの子が苦しめてくる」
「あの子はこの世に縛られている、解放しなければ」
・・・と、悲壮な父親の決意とともにゲームが幕を開ける。

もはや、この世に居ない愛娘を成仏させるためにあらゆる方法を模索し、
とある霊媒師の個人サイトに辿り着く。
怪しげなサイトだが13日以内に亡くなった愛する故人の写真を15枚集めてサイトにアップロードすれば成仏させることができるらしい。
さらに霊媒師の特製カメラを使えば故人のこの世への未練を撮影できるとのこと。父親は藁にも縋る思いで霊媒師サイトを頼ることにする。

公園編

霊媒師の特製カメラを手に入れた主人公(父親)は公園で娘の未練を探し撮影(心霊写真)を開始する。
まずは、公園内の公衆トイレ個室からスタート。
公衆トイレの入り口は封鎖されており、外部に出るためには公衆トイレ内で心霊写真の撮影を成功させねばならない。(※1)
(※1 気付きにくいが最初の心霊写真の左手はありえない角度から出ている。)

最初の撮影に成功すると、公衆トイレの封鎖が解除され公園内へと進むことができるようになるが、すぐに公衆トイレ横の公衆電話の呼び出し音が鳴り、電話に出ると死んだ娘からのメッセージを受けとることになる。(※2)
(※2 電話ボックス内の上部にゲーム攻略のヒントが表示されているので確認しておこう。)

公園内の様々な場所に書き込まれた4桁の電話番号をもとに公衆電話でヒントを得て公園内での探索が始まる。(※3)
(※3 ヒント内容は娘(みつか)視点の物であるため、父親を陰ながらアシストしている演出となっている。)
また、ときおり地域放送で、事件の背景や地域の近況、みつかの思い出など様々な情報を聞くことができる。

公園内は自由に移動して探索できるが、肉眼ではヒントの電話番号は確認できるものの他の怪奇現象は視認できず、カメラのファインダー越しでなければ心霊現象は見ることができない。(※4)
(※4 肉眼で見える不審者(マイキーの着ぐるみ)の姿は、撮影すると姿を消したり写真に写ったり写らなかったりと謎が多い。)
公衆トイレをはじめ様々な遊具や設備(一部公園外)などありとあらゆる場面で心霊写真を撮影できるのだが、特定の条件を満たしていないと現れない物や、特定の向き・角度からでなければ撮影できない心霊映像も多い。

公園編では相当な数の怪奇現象が隠されているが、公園からの脱出は心霊写真を15枚収集するだけでよい。
なお、公園外の団地敷地内、団地最上階の部屋、山の奥、男子トイレ、ジャングルジムの上部など、様々な場所で謎の不審者(マイキー)を肉眼で確認できる。

[考察]
いくつかの心霊写真は水溜まりで溺れていたり排水口で助けを求めるなど故人の水難を想起させるシチュエーションが目立つ。
また、遊具で撮影された心霊写真では、半身のみ、四肢欠損など、完全体での写真は非常に少ない。また、頭部のみ、腕のみ、脚のみなどの部分写真も多く見られる。

とりわけ、鉄棒ではファインダーに捉えたクビなし幽霊と土嚢サイズの袋にシャッターを切ると、写真では大量の首なし幽霊が写り、肉眼では大量の袋が辺り一面に散らばるなど、大量殺人を想起させる演出もある。
また、いくつかの心霊写真には、長髪の子や体格の違う子など明らかに同一個体でない幽霊も含まれており、娘だけでなく非常に多くの死者の霊が彷徨っていることが見て取れる。

なお、公園では判断の難しい不審者の撮影だけでなく、心霊写真の撮影も無数に行えるが、公園からの脱出は故人の霊が写った写真15枚がノルマとなっており、公園外に出ようとすると成功した撮影枚数と残りノルマが現れ、ノルマを達成していれば自宅に帰る選択肢が表示され公園を脱出できるようになる。(戻ってくることはできない)

自宅編(公園編決着)

公園を脱出するとすぐに自宅に戻った状況となり、心霊写真を霊媒師サイトにアップロードして故人を成仏させることになるのだが、その際の注意事項として「13日以内の故人の写真に限る」とした制限や、「自動選択」に任せても不審者の画像はカウントされることがないなど細かな伏線が多い。

サイトへのアップロードに成功すると、故人からのメッセージとして動画がダウンロードされ生前の最期の姿が自動再生される。
(※ 公園内で遊んでいる女児の映像だが、次第に何かに追われるように公衆トイレに逃げ込むまでが映し出され、娘の鳴き声も混じるなど死の直前の恐怖体験の再現となっている。)

自宅編

公園編を終えた主人公であるが、自宅でも多くの霊障や幻視幻聴に苛まれているようで、ここでも故人となった娘がまだいて自分を苦しめると呟く。

まずはPCやテレビのあるリビングからスタートするが、最初は公園編と同様にリビングから他の部屋への移動はできない。
台所への扉は完全に閉じ、和室への襖も半開きで動かせないなどかなりの行動制限を強いられるが、その状況で1枚の心霊写真の撮影に成功すると、部屋の封鎖が解かれ自宅内の様々な場所への移動が可能になる。
(※ 家族向けの団地らしく3LDKと水周りの簡素な造りであるため移動範囲は広くないものの、娘の部屋、風呂場、玄関、ベランダは開けることができない。)

また、主人公は娘の死後はかなり荒んだ生活を送っていたようで、自宅内のあらゆるところに大量のビール缶とゴミ袋、さらに大量に湧いた害虫が徘徊するなどかなり劣悪な環境となっており、主人公の精神状態がとうに壊れている様子が部屋の状態に表れている。

自宅内でも公園編と同様に様々な場所にヒントの電話番号が描かれており、電話でのヒントをもとに多くの心霊写真を撮影することとなる。

[考察]
最初に撮影が成功する写真は公園のとある場所で撮影できる「クビを180度ねじ切られた女の子」の写真と同じ構図である。
また、自宅内で撮影できる心霊写真の大半は、無理矢理部屋の死角に押し込められたものが多く、四肢欠損した部分写真も多い。

さらに、公園と同様に、娘の物とは思えない長髪の子や体格の大きな子の霊まで現れるため、間違いなく自宅内でも非常に大量の故人が彷徨っていることがわかる。

また、自宅内では成人体型の霊や、様々な場面で公園の不審者マイキーとも出会うが、どちらも娘の小学校の制服姿である点が非常に奇妙で何か特別なつながりがあるものに思われる。
(※ 成人型の霊やマイキーは肉眼でも確認でき、撮影後には姿を消すパターンまで同じである。)

自宅内で多くの心霊写真の撮影に成功すると、あるタイミングでキッチン隣から大きな物音が聴こえるようになり、物音の方向にあるみつかの部屋に向かうと扉が少し開いており、中の様子を伺うとマイキーと遭遇して主人公は気を失う。

ほどなく主人公は気が付くが、みつかの部屋は再び閉じられ、自宅内も電気が切れた真っ暗闇となっている。
真っ暗な自宅内は肉眼でもカメラ越しでも視界が悪く、暗闇からマイキーが迫ってくる気配と足音を感じ取り、マイキーに接触される前に撮影に成功することで撃退することができる。
(※ 公園編でも近距離で撮影に成功すると姿が消える。)
マイキーの襲撃は何度も続き、次第に早足になりチェーンソウを構えてくるなどどんどんエスカレートするが、一定回数、撃退するとマイキーを振り切ってみつかの部屋に逃げ込む強制イベントとなる。

息を切らして逃げ込んだみつかの部屋では壁一面に貼られたマイキーの似顔絵、床の血だまりに脱ぎ捨てられた制服の傍にクビの千切れたマイキー人形、机に飾られたみつかの写真にも笑顔でマイキー人形とともに写っているなど、みつかはマイキーというキャラクターを非常に好んでいたことが明らかになる。

ひととおり、みつかの部屋を確認していると再び自宅内へと招くように閉じられてた扉が開くが、何もない状態でカメラを構えてもファインダーには何も映らないものの、シャッターを切ると何もない写真の後に肉眼で目の前まで迫っているマイキーの姿に主人公は気を失う。

目を覚ますとみつかの部屋の内部で自身が幽霊になったかのように奇妙な浮遊感に包まれるが、正気に戻ると自宅の奥の方から伸びる青い点滅光に導かれリビングのPCへと移動する。
PCでは再び霊媒師のサイトでの故人の写真のアップロードが求められる。

しかし、自宅内で収集した心霊写真はすべてみつかの遺影と同じ画像に変わっており、強制的にみつかの写真をアップロードしなければならなくなる。
すると、死後13日を超える故人が写っていると警告メッセージが無数に表れ、娘のみつかが14日以上前に死亡したことが確定する。
そして、動画のダウンロードが始まり生前のみつかの最期の姿が映し出される。

動画はゲーム序盤で公園の公衆電話から流れるみつかのメッセージとリンクしており、パジャマ姿で電話を切った直後に床に倒れこんだたみつかを仕事から帰宅した父親が発見し、死んだみつかと再開する流れとなっている。
(※ この時のみつかはパジャマ姿であるが、何らかの理由で負傷(おそらく頭部)して多くの血を流しており、それを電話で「すこしあたまがいたい」と父親に訴えていたが、父に再開する前に息絶えてしまったのが確定する。)
(※ なお、グラフィック解像度が低いとパジャマ姿のみつかが流血している描写が分かりにくくなるため、ゲーム終了後に死因が分からない原因となっている。)

自宅編決着

みつかの死後のメッセージを見て、主人公はみつかが死んだ本当の状況を正確に思い出すことができたが、その時に何者かが来訪し玄関を叩く音に気付くが、玄関に向かうと一通のビラが投函される。
投函されたのは冒頭の娘の物と思われた子どもの捜索ビラと同じものであるが、隠されていた部分には娘のみつかではなく、公団愛美という別の名前が記されている。

自身の記憶と捜索ビラの整合性がとれず混乱する中、次第に知覚が異常になりリビングの方から乱れた幻聴が聴こえるようになり、リビングに向かうとテレビのスイッチが入っており冒頭のホームビデオの映像が流れている。
記憶と事実が混ざり合い混乱していると、自宅電話の着信音が鳴り響き電話に出ると娘のみつかの声で、冒頭の公衆電話と同じく死の間際に父親に発信したメッセージが再生される。

状況が理解できないまま主人公が立ち尽くしていると、電話脇の風呂場の扉が自然と開き、血だまりになった床面が露になる。
カメラを浴室に構えるとファインダー越しに制服姿の子ども(髪型から愛美と思われる)が浴槽から這い出てきてじわじわとにじり寄ってくる。
だが、浴槽から廊下に出ると制服姿の愛美はパジャマ姿のみつかに変わり、みつかは父親の姿など目に移らないかのように電話機に向かい、警察に「父親が公団愛美を殺した」と通報する。

エンディング(製作クレジットとサポータークレジット)

Cパート

エンディングが終わりかけると窓の外から赤色灯が差し込むようになり、自宅周辺をパトカーが包囲している様子が分かる。
自宅内は自由に移動できるが取れる行動は玄関を開けることだけで他に何もできない。
玄関を開けると暗転しゲームは終わる。

ラストシーンはムービーで、ベランダから何かを投げ捨てる音が響き、ヒビの入ったカメラのレンズが虚空を映し出す中、真相を知って投身自殺を図った主人公である父親が地面に打ち付けられた音の後パジャマ姿のみつかの幽体も身を投げ出す(※ 落下音はしない。)

そして、それらを映し出したカメラを謎のマイキーの手が回収するところで全ての幕が閉じる。

矛盾やミスリード、その他もろもろ

みつかの死亡時期と公団愛美ほかの死亡時期

みつかは14日以上前に死亡している。
公団愛美や他に撮影された子ども達の幽霊は死後13日以内である。
(※霊媒師のサイトの注意事項で明確にみつかの写真だけ警告される。)

冒頭の父親の様子

冒頭の「公園で娘が死んだ」という述懐は親子で仲良く遊んでいた印象からほど遠い他人事のように淡々と事実を述べているような状況である。
また、その発言と捜索ビラが結びついてるような描写はプレイヤーを錯覚させるためのミスリードである。
(※ プレイ後に分かる事だがみつかは自宅で死亡しており、冒頭の父親の状態やセリフはすでに精神が崩壊して妄想に囚われている事を示唆している。)

公園での違和感

公園で撮影される心霊写真は、みつかに似た公団愛美の物が多いが、タイヤでは全く異なる長髪の子や、鉄棒では非常に大量のクビなし霊体と同時にクビが収まる大きさの土嚢状のゴミ袋が大量に表れる。
また、頭部のみ、頭部なし、腕のみ、脚のみ、太ももが無いなど様々な形でバラバラ死体を彷彿とさせる写真が多く登場する。
さらに、公園で撮影された心霊写真には、排水口、水溜り、溺れるなど、水難を想像させる状況が多い。
加えて、公園内では数種類の長靴や運動靴が視認できるなど犠牲者は何人も出ていると示唆されている。

自宅での違和感

本編でみつかは14日以上前に自宅で死亡していることが明らかになるが、公団愛美らは13日以内に死んでいる。
(※ ゲーム冒頭で捜索ビラを持っているのに、地域放送では昨日の夜に行方不明になった小学生がいるなど時系列に辻褄が合わず、他の犠牲者がいることを示唆している。)

また、霊媒師サイトにアップロード後のみつかのメッセージ動画では、みつかの最後の様子や死亡直後に駆け寄った父の身なり、自宅内(電話機・水場周り)も荒れた様子がなく、みつかの部屋も綺麗にベッドメイクされていたなど育児放棄や存命時からの虐待の様子などは見られない。

みつかの死亡から公団愛美らの惨劇までどの程度の期間が空いたのかは明確に示されていないが、父親の冒頭の様子(娘が死後も彷徨っている)から察するにさほど時間がたっておらず、みつかの死から14日後の出来事と見る向きが強い。
だが、公団愛美を含む子どもたちが13日以内の殺人だとして、彼らの怨念に苛まれていたとしても、わずか2週間弱の間に異様な量のビール缶、大量のゴミ袋、さらに害虫の大量発生など正常な精神状態とは思えないほど荒んだ生活状態が見て取れるため、みつかの死を受け止めきれず精神が崩壊したものと推測される。

エンディングでのみつかの警察通報

いたって冷静に実の父親が犯した犯行を警察に報告しており、現世に未練や怨念などなく自らの死後も父の姿を見守っていた事がうかがわれる。
また、公園内での放送やヒントは思い出を楽しむような明るいトーンな一方、通報の際の話し声は終始悲しみに包まれている。
おそらくは、自分の死後に心を壊した父親が変わっていく様、狂気に走り多くの子どもを亡き者にしていく様子など、死後も見守っていたと思われる。

マイキーの存在

カメラに撮影できたりできなかったり存在自体に謎が多いが、通常の幽霊や心霊現象とは明らかに異なる存在である。
公園編でのマイキーは公園外の団地から監視、遊具やトイレの入り口からこちらを観察、遊具の内部から飛び出し迫ってくる。
自宅編でもたびたび主人公の行動を観察していたり、主人公に害意があるかのように迫ってくる様子がうかがえる。

また、マイキー(不審者)を視認できるのは主人公だけ(作中にマイキーを示す不審者情報が一切無い=周辺住民に認識されていない)であるため、みつかの死後に心を壊した父親から、死んだ娘を取り戻すため凶行に走る悪意の存在がマイキー(娘の学校制服やマイキーに扮して大好きだった公園に向かえば娘に会えると思い込む)の姿であり、分裂した正気に近い側が主人公視点であるというように、精神分裂を発症している二重人格状態だったと思われる。

そのため、公園・自宅で主人公がマイキーを目撃した際は悪意に染まった自身を見つめる幻視状態なのではないかと思われる。
そのため、肉眼で確認できるが写真には写らないなど曖昧な表現の存在となったと思われる。
(※ 自宅内でマイキーに襲われるパートでマイキーの撮影に何度も成功するが、それらの写真は最終的には存在しない物であるため、マイキーの存在自体が主人公が幻視した妄想であるのと同様に、その撮影した記憶さえも主人公の妄想の産物であったとすることができる。)
(※ 同様に自宅内で肉眼で確認、また、写真撮影に成功する成人女性状の存在は、着ぐるみこそ被っていないがマイキーと同じく学校制服を着用している点から、マイキーの着ぐるみを被り凶行に及んでい自身のもう一つの人格から、正気に近い側へ移行する際の放心状態を表していると考えるのが自然なのかもしれない。その説の延長で、自宅編ではマイキーと接触もしくはエンカウントしてしまうと度々気を失ってしまうが、幻視した妄想のため直接的にその後の展開が何も起こらないのではないのではなかろうか。)

父親の真実(推測)

おそらく、公園で遊んでいる時に負傷し結果として自宅で失血死したと思われるみつかが父に救いを求めた電話を仕事人間だった父はおざなりにしてしまい、手遅れでみつかを死なせてしまったことで自責の念に苛まれる事になる。
その自責の念に心が押しつぶされて精神分裂を発症したと考えるのが時系列的にも状況的にも自然ではなかろうか。
娘が好きだったマイキー人形に扮し、みつかと楽しく遊んでいた公園なら再会できると信じ込み、公園を監視しみつか似の公団愛美をはじめ多くの子どもを誘拐してきては、本当のみつかでない事実を受け止められず殺人を重ねてきたと考えられる。
公園での写真に水難状況が多いことから、さらってきた子どもは自宅浴室で溺死させ、チェーンソウで四肢を分断しゴミ袋に詰めて放置、それでも足らなくなり、直接的に自室の様々な場所に押し込み隠蔽し放置していたことから害虫の大量発生を招いたとも考えられる。
(※ 押し込められた洗濯機が稼働中であったことから、バラバラ死体を脱水(血抜き)して処分していたとする考察もあるが、そこまで理性が働いていたとは容易に考えにくい。)

また、ゲーム冒頭で娘の死を受け入れた側の人格である主人公視点では娘が自分を恨んでこの世に縛られていると考えているため、その怨念に苛まれる日々を送りプロローグのように娘を成仏させる方法を考えるように、マイキー側と真逆の方法をとったのではないかと思われる。

最終局面

自宅で死亡したみつかは幽霊となった後も、父の精神が崩壊する様を見届け、誘拐と殺人を繰り返す狂気の父と、自責の念に苛まれる父の両方の姿を知っていた。
もとより父に恨みはなく事件の幕引きを行うべく警察を呼び、父に真相を悟らせるとともに正気を取り戻させた。
(※ 幽霊が物理的にどうやって電話を掛けた?など矛盾は残るが、普通に誘拐事件の警察の捜査とタイミングが合っただけで警察への通報自体も主人公の妄想の産物であるかもしれない。どこまでが現実でどこからが妄想であるかは分からない。)

改名されない謎

自宅内に表れる成人女性型の霊は性別も存在も不明。
おそらくは、マイキーの着ぐるみを脱いだ狂気の父から正気の父へと移行する際中の姿だと思われるが、トイレの扉越しに佇みタンク内の霊を眺めていたり、コタツの部屋で苦しむ愛美の姿をリビングから覗いていたりと、その行動には謎が多い。
(※ 仮説だけなら作中に一切触れられなかった母親も殺していたり、殺された子供たちの母親が突き止めてきたのを父が返り討ちにしたとも考えられるが、それだと娘の制服姿である必要性がなくなるので可能性は極めて低い。)

細かいミス

みつかの部屋は向かって扉左にドアノブがありドアの隙間から室内中央部を覗く構図となっているが、最後の真相を知る過程でみつかの部屋の扉を開ける際には扉右にドアノブがある左開きになっている。
(※ あるいは、これも含めてすべてのシーンで主人公の認識や記憶が曖昧になっていた描写の一つかもしれない。)

蛇足

生前のみつかの最後の姿(自宅で写真アップロード後)ではパジャマ姿ではあるものの流血している描写が見られ、またエンディング前に風呂場から現れ警察に通報する際にも血まみれのパジャマ姿なのが確認できる。

父親への最後の電話でも「あたまがすこしいたい」と証言していることから、何らかの事故で頭部を負傷して帰宅後にパジャマに着替えて静養(小学1年生のため治療の知識がない+みつか部屋の血だまりの中の制服。)していたが結果的にそれが致命傷となり通話後に死亡したという考え方ができる。

なお、公園編で撮影できる数少ない完全体の心霊写真は山オブジェの頂上で足を踏み外しハシゴに向かって転落し引っかかっている状態であるが、転落する際に頭部をハシゴに打ち付け流血しているように見える。
(※ しかし、この画像は霊媒師サイトのアップロード対象である13日以内の故人であると判定されるため、みつかだとすると死亡時期に矛盾が生じる。)

改名不可能な謎

自宅パートで玄関ポストから公団愛美の捜索ビラを投函したのは誰か?
最後のエンディングでデジカメを持ち去ったマイキー状の人物は誰か?
(※ 後者はホラー映画に多い惨劇は終わらないの匂わせ演出と思われるが、ビラ投函だけはどうしても登場人物が足らず、まさに黒幕として別のマイキーが存在していた事の信憑性が増す要素となっている)