第4回:苦しむことから脱するには-②
“ストレスを手放し、心を解放しよう!”シリーズの第4回です。
前回は、苦しみを生み出す原因とその苦しみから脱する道についてまでお話しました。
今回は、その苦しみから脱する方法についてお話したいと思います。
1.苦しみを生み出さないためには
第3回でも書きましたが、私はストレスだらけでどうしようもない、とてもひどい時期がありました。
電話が鳴る、メールが届く、請求書が届く、、、
誰からかも、内容もわからないのに、、、
この一瞬で、心は反応し、「苦の車輪」が激しく回り始め、
“不安”や“恐怖”に支配され、何もできなくなってしまいます。
「苦の車輪」が回り出すのを止めることができれば、苦しみを生み出すことはなくなります。
すなわち、心が反応しなければいいわけです。
そうすれば、渇望や嫌悪が生まれる機会がなくなり、執着も生み出さず、感情に流されることもなくなります。
2.反応しないためには
反応しないようにしようとしても、常に6つの感覚器官との接触により、無意識のうちに心の4つのプロセスが回り出してしまいます。
自分が反応していることに気づいていませんし、何に対して反応しているのかも気づいていません。
「苦の車輪」が回り出すのを止めるには、まずは自分が反応していることに気づくことです。そして、反応を止めることです。
そのためには、心の4つのプロセスが起こる瞬間、その最初のプロセスである「意識」の段階で身体のどこかに必ず現れる「感覚」に気づくことが重要になります。
そして、その「感覚」に反応しないでいることができればよいのです。
身体のどこかに必ず現れる感覚に気づき、快・不快の反応をしないで、静かな心で、ただ淡々と客観的にその感覚を観察する。
その感覚が、生まれては消えていくことを観察する。
これができれば、感覚はただ現れ、ただ消え去るだけです。
感覚が消えて、反応しなければいいわけです。
身体の感覚に気づき、心の平静さを保つことができれば、苦しみは消えていきます。
心が自由になり、心は浄化されていきます。
これが苦から脱するための方法です。
反応しないためのポイントは、次の3つです。
・身体のどこかに必ず現れる感覚に気づくこと
・心は平静なままで、快・不快の反応をしないこと
・感覚が生まれては消えていくことを、客観的に観察すること
これができるようになればいいのです。
日々の生活の中で、常に実践できるようになればいいのです。
しかし、長年の心の癖はそう簡単に変わりません。
感覚に気づくだけでも難しいですし、すぐに感覚に反応してしまいます。
すぐに「苦の車輪」はぐるぐる回り出し、渇望し、嫌悪し、執着を生み出してしまいます。
ほんの一瞬だけでも、できるようになるのは、とても大変です。
これをできるようにするのが、「ヴィパッサナー瞑想」
です。
ウィッパサナー瞑想の目標は、
・いかにして反応しないでいるか
・いかにして新しい渇望や嫌悪・執着(広い意味でのサンカーラ)をつくらないか
・いかにして心を浄化していくのか
これを、自分の体験を通じて学んでいくことができます。
次回以降は、苦しみから脱する却する具体的な方法として、ヴィパッサナー瞑想とは何か、どのように行うのかなどについて、お話していきたいと思います。