#14 マインドフルネスの本質「気づき」 なぜストレスが低減されるのでしょう?
stand.fm『瞑想Cafe』の14回目の放送です。
今回は、マインドフルネスの本質「気づき」、その「気づき」により、なぜストレスが低減されるのか?
「呼吸による気づき」その5つのステップに関してお話したいと思います。
『瞑想Cafe』では、瞑想に関すること、マインドフルネスやヴィパッサナー瞑想、「ブッダの教え」など、瞑想に関連するさまざまなことを、その日の気分で、気軽に、誰でも分かるようにお話していきます。
この記事では第14回の放送内容を要約して、お伝えしたいと思います。
(参考)ジャスティン・ビーバー ドキュメンタリー映像
シーズン 1・ エピソード 1 「スポットライトから離れて」
この動画は、2年間休止していた、心の苦しみ、格闘が、このドキュメント動画にあります。
焦点やゴールが自分自身だと
目的を見失うことが よくある
自分のためではなく
苦しんでいる誰かを助けたい
歌を通して経験や苦しみを語るんだ
それができたら最高にクールだと思う
1.なぜ「気づき」により、ストレスが低減されるのでしょうか?
ストレスとは何でしょう?
ストレスという用語は、もともと物理学の分野で使われていたものです。
「物体の外側からかけられた圧力によって歪みが生じた状態」です。
外からの刺激に適応しようとして、心や体に生じたさまざまな反応をストレス反応といい、外からの刺激に耐えられない心の歪みの反応のことをいいます。
出来事に対する私たちの見方、捉え方によって生ずるものです。
2.ストレス、苦しみはなぜ生まれるのでしょう?
普段、あまり考えたことがないテーマかもしれませんね。
ストレスや苦しみを生み出す原因は、
自分の思い込みやこだわり、
自分の理想と現実にギャップがあるから、
自分の思いどおりにならないから、
そのギャップに心に歪みが生じてしまいます。
怒りや恐怖、不安などの強い感情が生まれ、心が耐えられなくなり、悲鳴を上げている状態です。
3.その根本原因はなんだと思いますか?
ストレスや苦しみを生む原因、それは何でしょうか。
もっともっとと、常に心は何かを欲しています。
本当はもっとこうしていたのに
もっとこうなっていたいのに
もっと理解して欲しいのに
もっとわかってほしいのに
そして、ギャップが生まれ、
こんなの本来の自分とは違う
こんなこと本当はやりたくないのに
こんなの自分ではない
根本にあるのは「渇望」なんです。
そして、その「渇望」に心が『執着』してしまい、
思い通りにならないことに執着して苦しんでしまうのです。
ストレスが発生してしまうんですね。
4.私たちが執着しているものは何でしょうか。
私たちが、今までの経験してきた
成功体験や過去の幸せだったときの記憶
これが「わたしだ」というプライド、アイデンティティ
理想の自分
などに、私たちは無意識に強く執着してしまっているんですね。
すなわち、私たちは、無意識に「渇望」して、その感情と結びつき、執着してしまう心の働き、それが苦しみを生み出しているです。
それは、無意識に働いている「心の習慣」であり、「心の癖」です。
5.ストレスを減らすためにはどうしたらいいのでしょう?
前回での紹介した瑛人(えいと)さんの大ヒット曲「香水」
そのサビの歌詞
別に君を求めてないけど 横にいられると思い出す
君のドルチェ&ガッバーナの その香水のせいだよ
別に君をまた好きになるくらい君は素敵な人だよ
でもまた同じことの繰り返しって
僕がフラれるんだ
香水の匂いにより、臭覚が刺激されて、心が働き、思い出とともに、
その時の感情を思い出し、感情が膨れ上がっていきます。
感情が膨れ上がり、グルグル頭の中で想いが巡り出します。
最終的には、フラれた嫌な感情が吹き出して、僕がフラれるというネガティブな感情になっていくわけです。
香水の香り一つから、過去のいろいろな記憶を思い出し、その時の感情が広がり、フラれた感情が吹き出すたんですね。
このように、私たちの心は、思考や感覚器官との接触によって、心が無意識に反応し、働いています。
そして、無意識の反応によって、体にシグナルを生じます。
そのシグナルは、体のどこに発生する、何かしらの感覚です。
体のどこに発生する感覚に心が反応して、快・不快という1次反応の感情が生まれます。
1次感情が生まれ、それが刺激となり、過去の記憶と結びつき、より強い2次感情、3次感情と感情はどんどん強く激しくなっていきます。
感情が強く激しくなると、私たちの心はそれに囚われ、コントールできなくなってしまいます。
そして、苦しみやストレスが生じてきます。
ストレスを低減するためには、今この瞬間の自分に気づくことが大切になります。
理想的には、1次感情に気づき、それ以上反応しないようにすることです。しかし、この1次感情に気づくには、そうとうな訓練が必要です。
そのため、2次感情、3次感情と強くなっていた「感情」にいかに早く気づくかということです。
それに気づいて、客観的な視点で心が見れたら、自分が感じている心を、違う視点で見ることができます。
これ以上感情が強くならないように、それ以上心が反応しないようにすることができます。
反応しないで、感情をコントロールすることを訓練するのが、「気づきの瞑想(アーナーパーナ・サティ)」になります。
今ここ、この瞬間瞬間の心の動きに気づくことで、感情をコントロールできるようになります。
気づくことで、無意識に心が回り出すことを止めることができます。
心が執着することを手放すことです。
渇望あっても、それに執着しなければ、ストレスや苦しみは生み出しません。
ストレスを低減するためには、「気づき」が大切なんです。
6.「呼吸による気づき」5つのステップ
【フェーズ1:心を「今ここ」に向け、集中力を育む 】
STEP1:呼吸に意識を向ける
心を鎮め、集中されていくためには、心に何か対象を与えて、それに意識を向けさせることが必要になります。
それが「呼吸」、自然な呼吸です。
STEP2:呼吸を感じる
鼻孔から入っていく息、出ていく息、これに意識を向け続けて、ただ観察します。
呼吸をコントロールするのではなく、自然な呼吸に意識を置きます。
息が出たり、息が入ってくる感覚を、ただじっと感じるのです。
呼吸にベクトルを向けて、呼吸に意識を置き続けます。
【フェーズ2:気づく、気づきを育む 】
STEP3:今の心(感情)を気づく
呼吸に気づくこと、常に呼吸していることに気づいていることです。
今この瞬間の呼吸に意識を置き、呼吸を観察していると、今この瞬間の心(感情)に気づきます。
今この瞬間、今の自分を客観的に認識します。
一般的なマインドフルネスでは、この段階までになります。
これ以降のステップは、ヴィパッサナー瞑想の領域に入っていきます。
STEP4:感覚に気づく
アーナパーナサティ(呼吸による気づき)
自然な呼吸に意識を置いて、今この瞬間「いま、ここ」に気づいていてことです。
体に現れる「感覚」に気づく訓練です。
STEP5:無意識下(潜在意識)での心の働きに気づく
ヴィパッサナー瞑想は、からだとからだに生じる感覚、心と心の内側を観察していきます。
その瞬間瞬間に無意識に働いている心の働きを観察し、これを顕在化させていきます。
そして、心の奥にある苦しみの原因を取り除き、心を浄化させます。
※ ストレスを手放し、心を解放しよう! 図解『ブッダ・メソッド』
このマガジンの中の記事では、より詳しくアーナーパーナ・サティやヴィパッサナー瞑想のことに関して、説明しています。