#19 セルフ脈診でマインドフルネス瞑想
stand.fm『瞑想Cafe』の19回目の放送です。
16回、17回では、アーユルヴェーダの脈診を説明しました。
今回は、アーユルヴェーダを知らなくてもできる、『セルフ脈診でマインドフルネス瞑想』について、話をしてます。
『瞑想Cafe』では、瞑想に関するさまざまなこと、マインドフルネス、ヴィパッサナー瞑想、「ブッダの教え」、アーユルヴェーダなど、気軽に誰でも分かるようにお話しています。
この記事では第19回の放送内容を要約して、お伝えしたいと思います。
1.脈は心とからだのバロメーター
日々の生活の中をマインドフルに生活していこうと思う方には、「セルフ脈診」はすごく便利なツールだと考えています。
「マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR )」を開発したジョン・カバット・ジン博士のマインドフルネスの定義は
マインドフルネスとは
瞬間瞬間の体験に対して、今この瞬間に、意識的に、価値判断せずに、注意を払うことで生まれる気づき
マインドフルネスでは、今ここ、この瞬間瞬間に意識を向けて、今の心やからだの状態に気づいていることが重要です。
自然な呼吸に意識を置いて、心やからだの感覚を観察していきます。
マインドフルネスに関しては、第5回以降何度もお話していますので、そちらを参照ください。
心とからだの瞬間瞬間の実態・状態が現われるのは、呼吸にも表れますが、実は一番現れるのは『脈』なのです。
その時の脈の波動に、今この瞬間の心とからだのすべてが現われています。
皆さん、自分の脈をとったことはありますか?
ほとんどの方は自分の脈をとったことはないと思います。
もし、とったことがある人でも、脈拍数ぐらいかと思います。
また、他の人の脈など触ったことはないと思います。
脈の波動は、イライラしたとき、どんよりしたとき、疲れてきたとき、眠くなってきたときなど、その時の心とからだの反応によって、脈は瞬間に変化していきます。
ですから、脈というものは、今の私の心とからだの現している最大のシグナルであり、バロメーターになります。
今ここ、この瞬間の自分の変化を感じることは、マインドフルネスになります。
2.自分の脈のとり方
男性は右手、女性は左手の脈をとります。
橈骨動脈(とうこつどうみゃく)という、手首の親指の側にある骨の出っ張り、橈骨突起のやや下の部位に、人差し指、中指、薬指を順に置きます。
私であれば右手の脈をとりますので、左手を下から通して、人差し指、中指、薬指を橈骨動脈に当てます。
軽く三つの指を一緒に同時に置いて、脈を感じるかどうか、脈を感じてみてください。
もし感じづらければ、ほんのちょっとだけ上下左右に位置をずらしてみてください。
それでも感じづらければ、指に少しだけ力を入れて、少しだけ深く押さえてみてください。
脈を感じたら、いったん呼吸を整えます。
呼吸をコントロールせずに、自然な呼吸に意識を置いてください。
人差し指、中指、薬指の指先に感じる脈に、じっと意識を集中して、脈を感じてください。
ただ単に脈だけを、脈の波動を感じてください。
強いな・弱いな、速いな・遅いな、変な脈だな、、、、
脈を判断しないで、分析せずに、あるがままの脈をただ感じてください。
目を閉じて、脈だけを意識して、脈を観察してください。
脈を感じながら、呼吸は自然なままです。
そのまま、1分以上脈を観察し、脈の変化を感じてみてください。
自分の脈に気づいていてください。
最初荒く感じた脈が、観察しているうちに、静かになったような、整ったような、調律されたような感じがしてきませんか?
脈を観察していると、不思議と脈が整っていきます。
それとともに、心も落ち着いてきます。
少し脈を観察するだけで、脈は変わっていきます。
その変化を観察してみてください。
3.セルフ脈診はマインドフルネス瞑想
自分の脈を1日何回もとってみてください。
一番効果的なのは、
イライラしたり
カリカリしたり
ムカムカしたり
感情が高ぶったときや精神が落ち着かないときです。
何か感情の変化に気づいたら、自分の脈をとってみてください。
数分間だけでいいですので、脈を観察してください。
ただ脈を観察するだけで、感情が変化していきます。
セルフ脈診によって、脈が変化していきます。
脈が変わることにより、感情のコントロールができます。
脈は心とからだのバロメーターです。
自分の脈を感じることは、脈を通じて今の状態を自分にフィードバックしていることになります。
フィードバックすることにより、自律神経も整っていきます。
自分の脈診をとることは、今ここの、この瞬間瞬間に気づき、客観的に自分を観察していることになります。
すなわち、セルフ脈診はマインドフルネス瞑想になります。
セルフ脈診は、気づきの瞑想です。
ぜひ、自分の脈をとってみてください。
私は、セルフ脈診でマインドフルネス瞑想を広げられたらなと思っています。