第3回:苦しむことから脱するにはー①
“ストレスを手放し、心を解放しよう!”シリーズの第3回です。
今回は、苦しみはなぜ生まれてくるのか、その上でどうしたら苦しみから脱することができるのかについて、お話したいと思います。
1.苦しみを生み出す原因
私がストレスだらけでどうしようもない、とてもひどい時期
電話が鳴る、メールが届く、請求書が届く、、、
誰からかも、内容もわからないのに、、、
この一瞬で、もう心の中は嵐に。
呼吸は早くなるし、頭は真っ白、何も手に付かなくなり、感情が噴き出てきます。
心の中はぐるぐる回り出し、“不安”や“恐怖”に支配されてしまいます。
自分を否定し、自分を責め、自分が許せなくなります。
パブロフの犬ではないですが、条件反射ですね。
第2回「苦しみはなぜ生まれてくるのか」で説明しましたように
五感と心の6つの感覚器官が何かに接触するとき、
心の4つのプロセスが瞬間に働き、
それを心が感じ取ります。
その反応が繰り返えされて強化されたとき、
執着が生まれ、苦しみが生まれます。
本当の原因は、心の反応(サンカーラ)
あらゆる苦は、反応より生じる。
反応が止滅すれば、苦も止滅する。
(ブッダ)
苦しみの原因は、身体の感覚に無意識に反応・反発し、渇望や嫌悪を生み出し、執着を生み出す心の習性にあります。
心の癖と言ってもいいと思います。
2.苦しみから脱する道
心はたえず「反応」しています。
そして、それにとらわれ、「意識」へと流れだし、ループが始まり、はずみがつき、流れが強くなります。
私たちは自分が「反応」していることに気づいていません。
何に対して「反応」しているのかも気づいていません。
無意識に働いている心の働き、心の癖を知らないから、やみくもに反応を繰り返し、それを強めてしまいます。
これをブッダは『無知』という
無知(無明)とは、心の奥にある真理を知らないことをいいます。
この流れに盲目的に反応し、この流れを繰り返し、「苦の車輪」がどんどん回り始めます。
苦しみから脱するためには、この心の習慣の流れ、心の癖、苦の車輪を止めてしまえばいいわけです。
では、この流れを止めるためにはどうすればよいのでしょう?
反応しないでいられるようになればいいのです。
すなわち、「反応」することを止めればいい。
反応することを止めるためには、
自分が反応していることに気づいていないことに気づばいいわけです。
反応に気づけなければ止めることもできません。
「無知」を止めればいいわけです。
電話が鳴る、メールが届く、請求書が届く、、など
これに反応にていることに気づき、反応を止めれば、苦の車輪を止めることができます。
その上で、客観的・理性的に状況を判断して、冷静な行動をとることができるようになればいいわけです。
生きていく中で、日々問題が生じます。
浮き沈みが生じます。
どのような状況であっても、心が乱されず、感情的にならず、常に静かな心を保ち、客観的で冷静な行動がとれるようになることが理想ですよね。
過去にとらわれず、将来に不安を感じず、感情を手放し、今起こっていることを冷静に分析し、判断し、問題を問題として解決していくことができるようになることです。
無知が止滅すれば、反応が止滅する。
反応が止滅すれば、意識が止滅する。
意識が止滅すれば、心と物が止滅する。
心と物が止滅すれば、6つの感覚器官が止滅する。
6つの感覚器官が止滅すれば、接触が止滅する。
接触が止滅すれば、感覚が止滅する。
感覚が止滅すれば、渇望と嫌悪が止滅する。
渇望と嫌悪が止滅すれば、執着が止滅する。
執着が止滅すれば、生成のプロセスが止滅する。
生成のプロセスが止滅すれば、誕生が止滅する。
誕生が止滅すれば、老と死が止滅する。
さらに、嘆き、悲しみ、心とからだの苦しみ、諸々の苦難が止滅する。
こうして、ありとあらゆる「苦」が止滅する。
(ブッダ)
反応に気づき、反応しないようにすればよいと頭でわかっても、
実際やってみると本当に難しいです。
どうすればよいかなど、私の体験も交えて説明できればと思います。
次回は、「第4回 苦しむことから脱するには-②」として、苦しむことから脱するための道はわかりましたので、その方法などについてお話できればと思います。