「産地で大きく違う」ポリコサノール。チョ教授がHDLへの作用を立証へ〜長寿因子HDLシンポジウム@ソウル〜
世界中の研究者が集結した「長寿因子HDLシンポジウム」
世界中の医学研究者や専門家、約150名が集結した「長寿因子HDLシンポジウム」が、2023年8月28日、ソウルで開催されました。日本の長寿因子 HDL研究会メンバーとしては、上原 吉就(うえはら・よしなり)教授、チョ・ギョンヒョン研究院長、サライ・カスタノ薬理学者が登壇。HDL(善玉コレステロール)が血圧、コロナ、癌、糖尿病など多角的に私たちの身体に関わっていることを示す研究結果や、HDLの構造や仕組みについて発表され、メディアからも注目を集めています。
本シンポジウムのなかでも締めくくりのセッションで登壇したのが、レイデル研究所のチョ・ギョンヒョン研究院長です。
彼は、キューバ産ポリコサノールのHDLへの作用と、他の国で抽出されたポリコサノールとの比較研究結果を発表しました。
ポリコサノールは「キューバ産」である必要性があるのか?
チョ教授は、HDL分野「Apolipoprotein A-1」の専門家ランキングでアジアでトップと言われ(※1)る研究者。そのチョ教授の運命を大きく変えたのがキューバ産の天然サトウキビから抽出したポリコサノールという成分でした。
※1:世界中の何百万人もの医師の中から超専門的な医療専門知識を特定し、共有するサイト「Expertscape」調べ
「多くの成分でHDLにどのような作用があるか研究をしてきたけれど、なかなか効果的なものに出会えない……。」
そんな時、キューバ産サトウキビ由来のポリコサノールと出会い、HDLへの作用があることを確認し、彼の研究が大きく進んだのです。
以前より、彼の研究結果を知った専門家たちからは、「キューバ産のサトウキビである『理由』はあるのか?」「世界には、中国産、アメリカ産など他の国のポリコサノールもあるが、それではダメなのか?」という質問もありました。
そんな疑問に答える形で、チョ教授は「長寿因子HDLシンポジウム」の発表テーマに「『キューバ産』ポリコサノールのHDLへの作用」を選んだのです。
中国産、アメリカ産と有効成分組成が大きく異なることを実証
ポリコサノールは植物から抽出されるため、植物の種類や育った環境によって、 ポリコサノールの高分子アルコール成分の構成が異なります。
キューバ産サトウキビの葉や茎から抽出されたポリコサノールには、 8つの特別な脂肪族アルコール成分が特定の割合で構成されています。 この特定の割合は、1996年の世界知的財産権機関(WIPO)で 「新しいコレステロール低下治療剤」として「発明金メダル」を受賞しています。
このキューバ産ポリコサノールと中国産3種、アメリカ産1種のポリコサノールを比較したところ、有効成分組成が大きく異なり、キューバ産が圧倒的なHDL保護能力、抗酸化能力、抗糖化能力、抗炎症能力を示したのです。
チョ教授はその他にも多くの客観的なデータ、新章試験結果を示しながら、HDLの可能性について語りました。
成分は産地や抽出元の動植物で異なる
今回のチョ教授の発表では、ポリコサノールに焦点を当て、産地や抽出元の植物で成分が大きく異なることを示しました。このような差が生まれるのは、ポリコサノールに限ったことではありません。多くの成分でこのようなことが言えるのです。
皆さんはサプリメントや医薬品を選ぶ際、そのようなことまで気にしているでしょうか?
「○○という成分は、△△△の症状に効く」という謳い文句が多く見られますが、場合によっては産地や抽出元の動植物で大きく異なる(場合によってはほとんど効果がない)ことを、お伝えしたいと思います。
【長寿因子 HDL研究会について】
長寿因子 HDL研究会は、多くの疾患の引き金とされる“血管系の疾患”に深く影響する「善玉コレステロール(以下、HDL)」の重要性を社会へ啓蒙する研究会です。「HDLの正しい知識を広め、人々の健康寿命に役立てる」ことを目指し、シンポジウム開催、特設サイトの運営、論文・コラム・研究レポートの発表やSNSでの情報発信などを多角的に展開しています。
商号 : 長寿因子 HDL研究会
代表 :上原吉就(うえはら・よしなり)博士/医師
設立 : 2023年5月
事業内容:
「HDLの正しい知識を広め、人々の健康寿命に役立てる」ことを目的としたシンポジウム開催、特設サイトの運営、論文・コラム・研究レポートの発表やSNSでの情報発信など
URL :https://hdl-research.jp/