
空には月ふたつ (20/40)
夜の信号まち、ふと空をみあげてみると‥‥
月がふたつ浮かんでる!!!!!
村上春樹の『1Q84』のようなふたつの月がある世界にまよいこんだわけではない。
『まともがゆれる』という本を書かれた木ノ戸さんとの対話の会みたいなものに参加した帰り道のことだった。
障害のある人が通う福祉施設にあつまる人たちとのエピソードから、だれかが勝手に決めた「まとも(常識)」を見つめなおす‥‥という本でもあり、そんなトークがくりひろげられていた。
木ノ戸さんの視線は、とても個人的なことを深掘りしながら普遍的な社会課題をつらぬいている。
そんな普遍的な「問い」は、社会の、じぶんの、あなたの、「まとも(常識)」をゆるがす。
『枠組み外しの旅―― 「個性化」が変える福祉社会』という本のことをおもいだす。(著者の竹端さんにも、木ノ戸さんにも出会わせてくれた先輩には感謝しかない)
だれかが勝手に決めたと信じこんでいる「まとも(常識)」も、実はじぶんがつくりあげていることを突きつけられる本だった。
どんなことでも他人事(ひとごと)にしておくのはラクだけど、そうも言ってられないときがある‥‥。
「まとも(常識)」って、なんだろ?
だれが「まとも(常識)」をつくってるんだろ?
そんなことを、ぐるぐるおもいめぐらせているときの信号まち。
そして、空には月ふたつ。
んなわけないって常識ではわかるけど、月がふたつ浮かんでいるのもありかな!? と、一瞬おもった夜。
よくよく見てみると、電線と電線をつなぐ白い玉みたいなものでしたとさ。