なぜ英語圏の人に英語で話すのは緊張するのか
最近私の記事は英語に関する内容が多い。
英語に興味のない方には恐縮だが、
一見英語のことについて書いているようで、
実は色んな事に共通する内容を書くように
心掛けている。
今回も英語の話題だが、
最後までお付き合いいただけると嬉しい。
私にはずっと不思議なことが1つあった。
それは英語で会話をするときに
アジアの方に対して話す場合と
英語圏の方に対して話す場合で
緊張感が大きく異なることである。
この感覚はなんとなく共感いただける方も
多いだろう。
実際、私の働く会社でも
アジアの人たちとのオンラインミーティングなら
比較的開催のハードルは低いのだが、
アメリカやイギリスとのミーティングとなると
一気にハードルが上がり開催頻度は
劇的に下がってしまう。
両方ともに英語で話すことは変わらないのに
これは非常に不思議なことである。
この疑問は以前から薄々心の中に
くすぶっていた。
しかし、9月の末に世界のグループ会社との
ミーティングに参加した帰りに
タイのスタッフと2人になったときに
何とも言えない安堵を感じて
私の中で明確な疑問となった。
これはなぜだろうか。
相手に伝えるという意味で言えば
英語圏の人のほうがPoor Englishに
慣れていてもおかしくはないし、
相手の言語に合わせているのだから
むしろ堂々としてもいいぐらいなのに
なぜか私たちは緊張してしまう。
この裏には正しくない英語を使うことへの
恐れが隠れているのではないだろうか。
最近はテレビを見ることがグッと減ったが
以前はテレビで人が変な英語を話すのを
笑うような内容がたくさんあった。
インタビュアーが英語で質問して
それに対して回答者が拙い英語で回答すると
何らかの間違いが出てきて、
それを日本語訳して笑うというものである。
私も子供の頃このようなコンテンツを
楽しんで見ていた。
しかし、これこそが私たちが
英語圏の人の前で英語を話すことを
恐れさせている原因だと私は考えている。
日本語を話す海外の方と話をしても
100点満点の日本語には至らない。
それと同じように私たちの英語も
いくら長期間学んだとしても100点には
簡単に至るものではないのだ。
にもかかわらず私たちは100点満点でないと
恥ずかしいと考えてしまう。
そしてその恥ずかしさが
”相手にバカにされるのではないか”という
恐怖に変わってしまう。
これは冷静になって考えてみれば
非常にナンセンスなことであるが、
私の中にも間違いなく残っていた感覚であった。
それゆえに同じ英語で会話するにも関わらず
アジアの人に対してなら
お互いにPoor English同士なので
気楽に英語を話すことができたのだ。
しかし、以前に別の記事でも書いたが
私たちにとって第二言語である英語を
一生懸命に学び、
そして相手の主言語に合わせて話すこということは
実はすごいことである。
英語以外を話すことができない人に対して
しっかりと相手に伝わるように
発信するという意味では、
英語で話すというだけで完全に
相手目線に立っているからである。
感染症で世界の国境が開き、
日本でも海外の方を見る機会が
増えてきたが、
私たちはもっと彼らとのコミュニケーションに
自信を持っていいのだ。
仮にうまく伝わらなかったとしても、
色々な学びが得られることは間違いない。
もっともっと胸を張って
発信し続けていこうではないか。
それこそがさらなる成長に
つながる唯一の方法なのだから。