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【イベントレポート】Heart Driven School #3〜スタートアップのPR論〜

Heart Driven Schoolについて

スタートアップに挑戦しよう思っても、知識や経験不足のから一歩目が踏み出せない方、踏み出した後の進み方がわからない方に向けた勉強会イベントです。8月21日(水)に、第3回を開催しました。

今回のイベントレポートは特別に、登壇者本人である鶴岡からの超豪華レポートです!

当日の概要

アカツキはもちろん、様々な企業やメディアでも活躍している鶴岡が登壇し、スタートアップの経営者や広報担当者に向けたPR論について、基本のフレームワークと考え方を実績と絡めてお話ししました。今回はその中から、
・スタートアップの広報に求めるもの
・プレスリリースや取材誘致の「切り口」をどう作るか
の2点をダイジェストとしてご紹介します。

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登壇者の紹介

【登壇者】
鶴岡 優子(つるおか ゆうこ)
株式会社アカツキ 広報室長

出版社でブランディング、経営企画室、広報宣伝を担当。2014年から訪日インバウンドメディア「DiGJAPAN!」プロデューサー。2017年8月より株式会社アカツキで広報室長。アカツキのオウンドメディアAkatsukiVOICE編集。グロービス経営大学院経営学修士(MBA)修了。
執筆:東洋経済オンラインにて地方創生リーダー取材記事他
登壇 :宣伝会議 インターネットフォーラム他

【モデレーター】
熊谷祐二(くまがい ゆうじ)
株式会社アカツキ Heart Driven Fund プリンシパル

IT企業3社を創業したシリアルアントレプレナー。 2014年にiemo共同代表取締役就任を経て、同社をDeNA社へ売却。 2015年にスポーツテック事業を手掛けるSkyBall社を創業、2018年にアカツキへ売却するとともに、アカツキのesports事業責任者並びにProfessional Esports League(所在地: スペイン)の取締役に就任。2019年7月より、Heart Driven Fund シニアディレクターに就任。自身の起業・経営経験を元に主にシード期の投資実行、ハンズオン支援を手掛ける。

1.スタートアップの広報に求めるものは?

このイベントに集まった起業家の皆さんは、広報をディレクションする立場です。立ち上げ期は代表が自ら広報することもあるとは思いますが、いずれは信頼できる広報チームを社内に機能させることが必要です。
 ×  広報ができるようになること
 ○ 広報パーソンを採用したり、広報をうまくディレクションすること


起業家から見た時の、スタートアップの広報に求めるものは何かをお話しします。

 スタートアップと大企業の広報は違うのか?

「ベンチャー広報」というキーワードをしばしば聞きますが、スタートアップでも大企業でも、広報パーソンに求められるマーケティングやPRの知識、プレスリリースや取材誘致の基本動作はほぼ変わりませんスタートアップ界隈に場慣れしている広報さんは確かにいますし、スタートアップに向いたメディアはありますが、スタートアップ専用の広報ノウハウというのがあるわけではないと思っています。

私はアカツキ入社前は、広報としてではなくメディアのライターとしてスタートアップのPRに関わってきました。これが非常におもしろく勉強になる経験でした。まだ、世の中に存在していない事業やサービスを提供しようと、ワクワクが止まらない起業家の皆さんの話を誰よりも先に聴ける楽しさは、もはや役得としか思えません。

 広報はもっとも冷静な壁打ち相手

その経験を通じて理解した、私なりのスタートアップ広報に大切なことは、「起業家の最初の理解者になる」です。これは、起業家の夢を鵜呑みにすることはなく、「この人、この事業、思わず誰かに伝えたくなるようなオモシロい話かどうか」を冷静に判断し、足りない場合はフィードバックしながら、冷静に企業のストーリーを作っていくという作業です。記事を作るときの視点はまさにそれでした。

起業家から見れば、スタートアップの広報は成し遂げたい事業やビジョンを深くヒアリングしてくれて、かつ、世の中の視点、トレンドも理解して冷静に打ち返してくれる壁打ち相手として、起業家にとって非常に貴重な存在です。

 ROIが高い初期のメディア露出で風を起こす

壁打ちに加えて大事なのは、メディア等への露出を早めに1、2本出ておくことです。「まだPRするタイミングではないから」と言う起業家の方もいますが、私はメディアの方の感触、世の中の反応を早めに知るために、早期に1、2本、メディア露出をしておくことをオススメしています。数多くの経営者を取材をしている記者さんからのフィードバックは、投資家からのフィードバックと同じように価値ある意見であることも多く、時にそれが事業の改善に役立つこともあるからです。

また、スタートアップだからこそ、スタートアップに特化したメディアに限らず、全国紙、信頼の置ける有名なメディアもアプローチしてみた方がいいです。最近は、大手新聞社でもスタートアップの取材に興味関心を持っているところもあるので、そうしたメディアのスタートアップ担当にお話をしてみるといいと思います。

プロダクトがまだないシードや、起業してまだまもないスタートアップに取って、自分たちのビジネス存在を承認してくれるかのようなメディア露出は、企業の成長にとって予想を超える大きな追い風にすることができます。仲間の採用、資金調達、業界や地元の理解、顧客増加など、非常にROIのよい結果が出ることがあります。メディアに出たことで連絡をくれる人が増え、手元にいい情報が集まりやすくなることを、やっていくうちに実感すると思います。

2. プレスリリースや取材誘致の「切り口」をどう作るか?

アカツキ Heart Driven Fundの投資先には、アカツキの広報チームがハンズオンで支援をしています。スポーツメディア・D2CのスタートアップTENTIALのPRはその一つ。8月のインソール販売に合わせて広報施策を全面バックアップをし、実際に多くのメディアに掲載してもらうことで、認知度が一気に高まり、結果的にロケットスタートを達成することができました。

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アカツキの投資先であるTENTIALのケース

TENTIALは当初、スポーツとアスリートに着目したビジョン中心のプレスリリースを用意していました。ですが、せっかくのファーストプロダクトのローンチなのに、創業の想いの説明が長く商品の情報が埋もれてしまっている。記事にする時に必要なファクトもわかりにくい。このままだとギアなのかスポーツなのかニュースジャンルもわからず、PR-TIMESのメディア転載も少ないだろうなと課題に感じました。

代表の中西さんとは、そのプレスリリースを持って一緒にメディアにも回ってみました。ある信頼できる編集の方からも「このままだと伝わりにくい、もっと商品をわかりやすく伝えた方がいい」とフィードバックを直接もらいました。中西さんはその日のうちにTENTIALの広報さんに指示を出し、プレスリリースをゼロから作り直しました。会社情報は整理して別添にしました。TENTIALが素晴らしいのは、こうしたフィードバックに対しての素直さと広報の行動の素早さです。

切り口3つで話題の面積を広げる

TENTIALはスポーツアスリート、ギア、D2Cの3つの切り口とそれを支える強みを整理し、話題の面積を広げて行くことにしました。切り口に対して、十分に支えられるファクトとして、素材、効果などの数字や写真も用意し直しました。初動での違和感やフィードバックを素早く改善したことで、プレスリリースからのメディア掲載数は増加し、個別アプローチの取材誘致も伸びました。最初の仮説に縛られず、外に軽くあたった感触を元にPRの切り口を広めに改善したことが大きな結果に繋がった事例です。

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切り口」はどう作るのか?

では、プレスリリースや取材誘致の「切り口」はどう作るのか?ここでは、アカツキのPRチームでやっているある方法をお伝えしました。「PEST(ペスト)」というフレームを使って、世の中の時流を整理しています。PESTは本来、ビジネスにおける外部環境をマクロで整理するための方法ですが、私は今年出る大きなニュースの予測、注目アジェンダの整理に使っています。

アカツキでは毎年のPRプランの中にPESTを入れて、自社のニュースと世の中が注目するアジェンダで掛け算できそうな切り口を見逃さないようにしています。下の図はあくまでもイメージなので、企業ごとに関連ありそうなアジェンダを出して掛け算できる領域を探してみるといいと思います。

ステークホルダーの整理と、ステークホルダー別の切り口の整理も必要ですが、そこから整理し始めると「世の中的に今、きてること」の視点を見落とすことがあるので、PESTで整理しておいた方が抜け漏れないと思います。

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当日は「切り口」の作り方の他にも、
・PRと企業の成長ステージ
・PRする情報の整理
・PR効果最大化の公式
・PESOモデル
・オウンドメディアの作り方
などについてもご紹介しました。この辺りもまた、Heart Driven Schoolでふれていきたいと思いますので、ご興味ある方はぜひチェックして下さい。

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最後に

起業家や起業準備中の方が課題に思うこと、不安に思うことがたくさんあると思います。Heart Driven Schoolでは、それらを解決できるイベントを開催していきます。興味がある方は是非ご参加ください!

直近開催予定のイベント

【10月28日(月)】 福岡開催!Heart Driven School #6 in Fukuoka〜シードファイナンスのリアル〜
https://note.mu/hdf/n/n1c46e6535ddd

【11月12日(火)】Heart Driven School#7 北米トレンド共有会〜D2C・MaaS・フィットネス・エンタメ〜
https://note.mu/hdf/n/n60d44d63740b

イベント情報などFecabookページに随時更新していますので、ぜひページのチェックもよろしくお願いします^^
https://www.facebook.com/HeartDrivenFund/

Heart Driven Fundについて

起業家、アーティスト、クリエイターなど多様な才能へ投資、コラボレーションを通じて価値創出するアカツキの投資プロジェクトです。現在投資からハンズオン支援まで積極的に行なっております。

Heart Driven Fundについて
https://aktsk.jp/heart-driven-fund-about/

Heart Driven Fundの出資先ポートフォリオ https://aktsk.jp/company/portfolio/heartdrivenfund/

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