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田村ゆかりさんの楽曲データをSpotifyから取得して指標ごとに並べてみた
現在、声優の田村ゆかりさんによる「田村ゆかり LOVE ♡ LIVE 2023 with me?」というライブツアーが行われています。約4年ぶりに声を出すことができるライブツアーが開催されるということで、もしかしたら田村ゆかりさんのライブに興味を持つ方が新たに現れるかもしれません。そこで膨大な数を誇る田村ゆかりさんの楽曲を聴くために音楽ストリーミングサービスを利用するという方もいるでしょう。
さて、世の中には多種多様な音楽ストリーミングサービスが存在します。厳密には少し違うと思いますが、いわゆるサブスクと呼ばれるものですね。
このサブスクの中の一つにSpotifyというものがあり、僕は主にこのSpotifyを利用して音楽を聴くことが多いです。(といっても最近はハロプロの曲しか聴いてないのであまり使ってない)
Sporify Web APIについて
このSpotifyの特色の一つとして挙げられるのが、Web APIを提供しているという点です。このWeb APIを使用すると以下のような楽曲に関する情報を取得することが可能です。各指標については公式ドキュメントから抜粋し、ついでに適当な日本語訳も併せて記載しておきます。
"acousticness": トラックがアコースティックであるかどうかの0.0から1.0までの信頼性の尺度です。1.0は、トラックがアコースティックであることの高い信頼性を表します。
"danceability": ダンサブルとは、テンポ、リズムの安定性、ビートの強さ、全体的な規則性など、音楽的な要素の組み合わせに基づいて、楽曲がダンスに適しているかどうかを表すものです。0.0は最もダンサブルでなく、1.0は最もダンサブルです。
"energy": エネルギーは0.0から1.0までの値で、強度と活動性の知覚的な尺度を表します。一般的に、エネルギッシュな曲は速く、うるさく、騒々しいと感じられます。
"instrumentalness": トラックにボーカルが含まれていないかどうかを予測します。"Ooh "や "aah "の音は、この文脈ではインストゥルメンタルとして扱われます。ラップや話し言葉のトラックは、明らかに「ボーカル」です。インストゥルメンタルネスの値が1.0に近いほど、そのトラックにボーカルが含まれていない可能性が高くなります。0.5以上の値はインストゥルメンタル・トラックを表すことを意図していますが、値が1.0に近づくほど信頼度は高くなります。
"key": トラックのキーです。整数は、標準的なピッチクラス表記でピッチにマッピングされます。例:0=C、1=C♯/D♭、2=D、といった具合に。キーが検出されなかった場合、値は-1です。
"liveness": 録音にオーディエンスが存在することを検出します。ライブ性の値が高いほど、そのトラックがライブで演奏された可能性が高いことを表します。0.8以上の値は、そのトラックがライブである可能性が高いことを示します。
"loudness": トラックの全体的なラウドネスをデシベル(dB)で表示します。ラウドネス値はトラック全体の平均値であり、トラックの相対的なラウドネスを比較するのに便利です。ラウドネスとは、物理的な強さ(振幅)と心理的な相関関係がある音の質のことです。値は通常、-60~0dbの間です。
"mode": Modeは、楽曲の旋律がどのような音階から得られているかというモダリティ(メジャーまたはマイナー)を示します。メジャーは1、マイナーは0で表されます。
"speechiness": Speechinessは、トラック内の話し言葉の存在を検出します。トークショー、オーディオブック、詩など、話し言葉に特化した録音ほど、属性値は1.0に近くなります。0.66を超える値は、おそらくすべて話し言葉でできているトラックを表します。0.33から0.66の値は、音楽と音声の両方が部分的に、あるいは重層的に含まれている可能性がある楽曲を表し、ラップ音楽などのケースも含まれます。0.33以下は、音楽など音声以外のトラックである可能性が高い。
"tempo": トラックの全体的な推定テンポを1分あたりの拍数(BPM)で表したものです。音楽用語では、テンポは楽曲の速度やペースを表し、平均的な拍動時間から直接導かれます。
"time_signature": 推定される拍子記号。拍子記号(メートル)とは、1小節(または1小節)の中に何拍あるのかを指定するための表記法である。拍子は3から7まであり、"3/4 "から "7/4 "までの拍子記号を表します。
"valence": 0.0から1.0までの数値で、楽曲の持つ音楽的なポジティブさを表現する。高バランスの曲はよりポジティブに聞こえ(例:ハッピー、陽気、多幸感)、低バランスの曲はよりネガティブに聞こえる(例:悲しい、落ち込む、怒る)。
"popularity":アーティストの人気度を表します。値は0から100の間で、100が最も人気があります。アーティストの人気は、そのアーティストの全楽曲の人気から算出されます。
このWeb APIを用いて田村ゆかりさんの楽曲データを眺めてみたら面白そうだなと思ったのでやってみることにしました。
田村ゆかりさんの楽曲データを取得する
それでは実際にWeb APIを利用して田村ゆかりさんの楽曲データを取得してみることにします。技術的な話をしたい訳ではないのでここでは細かいコード等については割愛しますが、Spotify上で作成されたプレイリストを指定することでそれに含まれる楽曲データを取得することができます。今回使用するプレイリストは、「田村ゆかり全曲リリース順」というものにします。
当然ですが、シングルやアルバムも全て含まれているので同じ楽曲もこのプレイリストの中に存在するようです。今回は特に重複分を省くことなくデータを見てみることにします。(理由は後述)
それでは上記の指標ごとに10曲ずつ見てみましょう。
"acousticness"
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説明文の通り、アコースティック性の高い曲というかボーカルがないような曲が多いですね。ちなみに10位のRock'n Rougeは『VOICE~声優たちが歌う松田聖子ソング~ (Female Edition)』に収録されている松田聖子さんの曲をカバーしたものです。
"danceability"
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この指標はテンポ、リズムの安定性、ビートの強さ、全体的な規則性など、音楽的な要素の組み合わせに基づいて、楽曲がダンスに適しているかどうかを表しているとのことですが、なんとなく直感に反しているような感じがします。どちらかというとダンスするよりしっとり聴くような曲だと思うんですけど、実はめちゃくちゃに踊った方が楽しいのかもしれませんね。そんな人ライブ会場で見かけたら面白すぎるな。
"energy"
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ここでFantastic futureが1,2位を占める形に。上で重複楽曲を削除しないと書きましたが、これを見ると分かる通り同じ楽曲でも微妙に数値が異なることがあるので今回はそのままにしています。そして10位には神楽坂ゆかさんの曲がランクイン。また、6,9位のYou & Meはどちらも『Everlasting Gift』や『シトロンの雨』のようなアルバムに収録されているものです。シングルCDの『You & Me』に収録されているYou & Meは18位なんですよね。シングルよりアルバムの方が数値が高く出るという傾向があったりするのでしょうか。
"instrumentalness"
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この指標はトラックにボーカルが含まれていないかどうかを予測しており、0.5以上の値はインストゥルメンタル・トラックを表すことを意図しているそうですが、これを見ると合っていそうです。でもスパークリング☆トラベラーがこの位置に来るんだなぁ。
"liveness"
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値が高いほど、そのトラックがライブで演奏された可能性が高いとのことですが、これはあんまりピンとこないかもしれません。どういうことなのか誰か教えてください。ちなみに2位のLOVE SHOWERはm.o.v.eの曲ですね。田村ゆかりさんはこの曲にフィーチャリングゲストとして参加しています。
"loudness"
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全体的にアップテンポな曲が多いですね。ライブの終盤で披露されるような曲という印象を受けます。3位の恋はエクスプロージョンはオーイシマサヨシさんの曲ですね。田村ゆかりさんはLOVE SHOWERと同様の形での参加です。
"speechiness"
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ここでもFantastic futureが1,2位を占めていますが、はじめまして、神楽坂ゆかです!!の存在感が凄い。ていうかこれで0.66超えないんだと思ったけど、後半ずっとリコーダーを吹いているからか。それでもFantastic future以下なのはかなり不思議ですね。
0.66を超える値は、おそらくすべて話し言葉でできているトラックを表します。
"tempo"
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いわゆるBPMです。Black cherryが脅威の200オーバー。田村ゆかりさん曰く、「速い曲は上手く舌が回らないことがあるため苦手」とのことです。
"valence"
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ポジティブさを表す指標とのことですが、Shooting Starってそうなのか……
あまりそう感じないけど僕がおかしいのかもしれません。
"key","time_signature"
keyは0~11まで幅広くある一方、time_signature(拍子)3/4か4/4しか存在しないようですね。
"popularity"
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各アーティストの曲における相対的な人気を表しているとのことですが、これはSpotify上で確認できるPolularランキングとは異なるようですね。似たような面子が並んでいますがちょっと違います。恋はエクスプロージョンとかは最近リリースされた曲なので直近で聴かれてる回数が多いとかそういう理由で上にランクインしているのかもしれません。
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所感
ここまで様々な指標を基に楽曲のデータを見てきましたが、ざっくりとした感想を述べるとこんなに細かい情報が一つの楽曲に対して存在しているなんて凄まじいなと思いました。今回はただ並べただけですが、相関関係等をプロットしてみるのも面白そうだなと思ったので気が向いたらやってみようと思います。
最後に今回使用したデータをcsvでアップしておきますので自分でも見てみたいという方はどうぞご覧になってください。