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ちょっと怖かった(びっくりした)話

今日はちょっと怖い話(?)を

先日家族で旅行に行きました。
駅近の新しくリニューアルされたホテルに宿泊したのですが、その時のお話です。

家族が5人なのですが、5人同じ部屋に宿泊できるお部屋が取れなかったので、ツインルームを二部屋お願いしました。私と息子、主人と娘たちという構成で隣り合う部屋に宿泊したのですが、今回は私の部屋でのお話です。

部屋はいたって普通なのですが、なんだかちょっと空気が重いというような雰囲気のお部屋でした。窓を開けると駅の大きなロータリーや通りが見え、お部屋自体はホテルの10階と結構な高さです。(高所恐怖症)

玄関側のベッドを息子、窓際のベッドを私が使うということだったのですが、小学校低学年の甘えたな子供なので夜は意見が変わり、私のベッドで寝ると言い張りました。

その日は疲れていたことと、はじめての場所でなかなか寝付けなかったのか子供が就寝したのがようやく22時に差し掛かった時。

添い寝をしながら、うとうと、と私と息子が寝入りかけた時、玄関入ってすぐの洗面所のところから「パサ、カサカサ」というプラスティックの袋をくしゃっとしたものが広がるような音が何度もしました。

あともう少しで眠りに落ちる、という瞬間に音が何度か聞こえたので、息子は「何の音?」と怖がってなかなか寝付けなかった、というのも理由でした。

どうせ洗面台のところのアメニティか、ゴミ箱の袋が音を立てているのだと思い「袋がちょっと広がっただけだから、気にせず寝なさい」と言い、ようやく眠ってくれました。

息子は窓際の方のベッドで眠り、さすがにシングルベッドで二人は翌朝の体調に響くかも、と思い、なんだか嫌だなぁと思いながら玄関側のベッドで眠ることにしました。あの音はもうしませんでした。

意識がふっと浮かぶというか、起きた、目が覚めた、というような感覚がしたのですが、体が全く動かないことに気づきました。目はあけられていて、部屋がうっすら明るくなっているので、夜ではなく朝だということがわかりました。

寝入りしなにものすごく疲れている時、金縛り(頭が寝ていて体が起きている状態)は何度か経験したことがあるのですが、とっさに「これマジやばい時だ」と思いました。

声は出ず、意識はあり、目は動かせるのですが首も指も体も動かせないのです。

私は息子が寝ている窓際のベッドに背を向ける形で、体をくの字のようにして玄関側に顔を向けて寝ていたのですが、脂汗が出始める私のすぐ頭上。枕のある位置の、ちょうど後頭部の方から

ぱさ、ぱさ、ぱさ
というか。
枕に手がひとつずつ重みをもって沈んで、顔の方向に向かって頭の上を移動しているような音と雰囲気を感じました。

これは感じた、としか形容が仕様がないほどの何とも言えない雰囲気で、子供が起きてこちらのベッドにやってきたのかもしれない、とは思いませんでした。

というのも、体が動かないので顔を向けて確認することができないため、確証はないのですが脳裏には三つくらいの別々に稼働する生白い手が、枕を這っているようなイメージなのです。

マジで怖い。
すげぇ怖い。
超怖い!!

と思うと同時に、こういう時は弱気になった方が負け。気を強く持って、ぶん殴ってやるくらいの気持ちでいる方が強い、という何かの刷り込みを思い出し、声は出ないのですが

ふざけんなぁああああああ!
なんかしてきたら殴ってやるからな!
マジふざけんな!!!
こっちに来るな!あっちに行け!
お前、許さんからな!絶対に殴ってやるからなぁあああ!!
(本当はもっと強めの言葉を叫びつつ(音は出ない)、念じたのですが、さすがに文面が汚くなってしまうのでちょっと変えています)

と思い切り抵抗をしてみることにしました。
そうすると、頭上を這うようにして顔方向に移動していた何かが見えました。

首がものすごく長い。
人間の肩の付け根から指先くらいの長さの首が奇妙に歪んでいる。

ニタァと笑いながらこちらを覗き込んでいる、女性のような顔立ちの、黄土色に白っぽさとうっすらとした水色を足したような顔でした。

目が合ったのかはわからないのですが、
私はブチ切れていて、完全に理性を失っていたので
気合と根性で叫び拳を突き上げたような気がします。

体が動いて、目の前のナニカが消えました。

煙のようなというよりは、何もなかったかのように
すっと消えたというか。
突き上げた拳が壁に当たって、左手のげんこつが痛かったです。

私はベッドから起きて、子供の場所を確認すると。
息子は窓際のベッドの方ですやすや寝ています。

部屋は明るく朝だということがわかり、ベッドから降りて
壁向こうにあるバスルームを開けましたがなにもおらず。

カーテンを開けて朝日を入れ、
テレビを付けました。
時刻は早朝の5時55分でした。

この日、たまたま1時間ほど朝時間が空いたので
最寄りで一番近く、有名で、以前からちょっと行きたかった神社さんへ家族へ行きました。

帰ってから別に何かが起きたとか
帰る道中何が起きたとかは全くなく。
今日まで平安無事に過ごしております。

あれは何だったのか。とか、何をしようと出てきたのかはわからないのですが。
ニタァ、と笑った顔がものすごく気持ち悪くて、今でも脳裏に張り付いているのに、細かな女性の顔の輪郭や印象がまるで記憶から抜け落ちています。

あれはいったい、なんだったのか。

帰宅後、興味本位で「大島てる」で検索してみました。
炎のマークがついていました。

駅地下ですごく便利がよかったのですが
次回はちょっと別のホテルにしたいと思います。
(どこにでもいる、と言われればそれまでなのですが(笑))

追記。
たくさんの方にお読みいただき
ありがとうございました。
ちなみに10階で部屋番号は5006号室でした。


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石野@マクラメアクセサリー作家
天然石を極細の糸で編むマクラメクリエイター。天然石をマクラメの技法を駆使して宝石いっぱいのペンダントにしています。