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リーダーやHRが示すべきAuthenticityとは

今朝のSHRM(米国人材マネジメント協会)のDaily Newsletterを見ていると「職場のAuthenticityが上がればRetentionとProductivityが向上する(”More Authentic Workplaces Lead to Better Retention, Productivity”)という記事が掲載されていた。

このAuthentic/Authenticityという単語は英和辞書を引いてもなかなかわかりにくい英語の一つなので、少し調べてみよう。

例えば英辞郎でAuthenticityを調べると次のような訳語が並んでいる。

信ぴょう性、信頼性、真正性◆情報・芸術作品・商品などが本物または真実であること。

信憑性や誠実・正直というとCredibilityやIntegrityもあるのでそれらとの差異がわかりにくい。「◆」の後にある定義を見ると、個人が本物・真実ということは、自分らしさを維持すれば良いのか、とも想像できるが、どうもそういうことでは無いようだ。

例えばこのPersonalbrand.comというサイトの記事を見ると、「現代のAuthenticityの意味とはCredibility (”Today, authenticity is credibility. ")」である、と言っている。そこに掲げられている事例がヒントになる。

”The “always-polished” image, and over-rehearsed presentation style comes off as phony, fabricated and trying too hard.” 例えばいつも磨き上げられた個人イメージや練習しつくしたプレゼンテーションは逆に偽物臭かったり、作り物っぽくて、やり過ぎのような感じがする
”Everyone knows that even the most successful people in the world aren’t perfect. So, when you try to emulate perfection, people’s B.S. meter goes through the roof. If they don’t trust you, they definitely won’t buy from you.” 誰でも本当に成功した人でさえ完璧では無いことを知っている。このため完璧を装うのを見た途端、「嘘臭」警報が発動する。そして信頼が置けない人とは誰もビジネスをしようとは思わない
”Authenticity is a mix of three main values (among many others). Those main values that make up authenticity are: Transparency, Vulnerability, and Integrity.” Authenticityは何よりも次の三つの主要な価値観の組み合わせだ。それは透明性、もろさ、高潔さだ。

この中でも「Transparency=透明性」と「Integrity=高潔さ」はわかるとして、Vulnerabilityは「もろさ」と訳したが、もっとわかりやすく言うと「隙があること」。先ほどの「完璧」を装う態度の真逆で、弱みを見せるようなリーダーをイメージする。

このAuthenticityがLeadershipと組み合わさってAuthentic Leadershipになったり、先のSHRMの記事にあるようにHRとしての振る舞いだったりする。そこに共通するのは信頼=Credibilityだ。自信の無いリーダーは頼りなく思うが、自信満々に見せる姿が嘘臭かったり、まったく隙が無いように見せるリーダーはフォロワーと信頼を築くことができない。自信を持ちながらも謙虚さを持つ方が良い。

実際、私が長年使ったリーダー適性の要素の一つにもAuthenticityがあって、その説明は次のようなものだった。

Provides genuine and true opinions and statements; acts with integrity; promotes trust among others; expresses self-disclosure when appropriate; displays confidence while avoiding arrogance.
私利私欲が無く偽りのない意見や言動を発信している; 高潔に行動している; 人同士の信頼関係を促している; 適宜自分を赤裸々に語っている; 傲慢を避けながらも自信を示している。

また冒頭のSHRM記事にあるようにAuthenticな職場環境を築くためにHRは次のような模範的な行動を振舞うべきだ。

1. Remain Fair and Consistent 公平で首尾一貫している
2. Lead the Way Authenticityを率先垂範する
3. Provide Civility Training 礼節トレーニングを提供する
4. Support Active Listening 積極的傾聴を支援する
5. Focus on Inclusion インクルージョンを重視する

以上を見てみると、Authenticityは人との関わりの中での信頼性を持っていることと解釈できるのではないか。Leaderとしてであれ、HRとしてであれ、このAuthenticityが非常に大切なものになることを肝に銘じておくべきだろう。

(本記事の内容についてより詳しくご相談されたい方はこのリンクからコンタクトください。リーダーが身に付けるべき特性、コンピタンシー、Authentic Leadershipのトレーニングについてお手伝いいたします。)

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