「アプリアイコン」を考察してみたお話
1. はじめに
2019年もあと1ヶ月程で終わりそうですが、、、
ここ1年多くのアプリのアイコンを観察してきました。そこでアイコンのスクショを撮って残すようにしていたところ、たくさんのアイコンが集まりました。
そこで、気になったことや気づきを元に調べたことをここにまとめたいと思います。
2. アイコンの意義
まずは、一般的な話になりますが、、
アイコンはアプリの顔と言っても過言ではありません。
アイコンにはさまざまなメッセージが込められているものです。
Goodpatchさんがアイコンのデザインに関して素晴らしい記事を残しています。
他にも面白い事例が掲載されているものを載せておきます。
3. アイコン変更によるダウンロード数の影響
ダウンロード数にも影響することがある、という事例があります。
少し古い記事ですが、
検索結果一覧画面で見て見ると、明らかに他のアプリのアイコンに埋もれてしまうデザインになっていました。
母数がどの程度なのか気になるところではありますが、、新規ユーザーに対してはアイコンのデザインが左右することがあるのです。
これを逆手に取れば、デザインを最適化すればダウンロード数が上がる可能性もあるということも言えるでしょう。
4. アイコン変更によるアプリのDAU向上
先ほどはアイコン変更によってインストール数が下がってしまった話でしたが、DAU(1日のアプリ利用ユーザー数)が上がった、という話もあります。
1. 一休のアプリ例
起動セッション数、DAUが伸びました!セッション数、DAUどちらもおよそ+20%ほど。アプリをフォルダーに入れる方も多く、なかなか目に触れないのでは…と懸念していたので、予想以上の数字でした。
20%増加はかなりすごいことで、驚きの一言に尽きます。
その後のCVR(お店への予約率)がどうなったかまで細かな言及がなされていませんでしたが、単純にアプリを開くユーザーが増えた方が、予約する人数が増えることは間違いないはずです。
2. マンガZEROのアプリ例
アイコンを季節にあわせたクリエイティブに変えた際に、最もインパクトがありました。春なら桜、夏は花火、秋は紅葉、冬は雪というイメージです。
通常、ストア内でのCVRの改善率は5%ほどなのですが、時々35%くらい改善することもあって。その時はめちゃくちゃ気持ちがいいですね。
マンガという性質上、普段からDAUが高い傾向にあるはずですが、それを差し引いても、35%という驚異的な数字を叩き出しています。
かなりの頻度でアイコンを差し替えており、テストしていることが伺えます。
3. 共通点
この2つの例には共通している点が存在します。
それは
「ベースのアイコンは変わっていない」
ということです。
つまり、アイコンに対してちょっとした肉付けをしたものになっているのです。「アイコン変更によるダウンロード数の影響」ではダウンロード数が下がった話をしましたが、それはそもそもアイコン自体が新しいものに変わっていました。
ダウンロード数を落とさずにDAUだけを伸ばすことを考えた場合、このようにベースのアイコンは残しつつ、アイコンにちょっとした変化を持たせるデザインが良いのかもしれません。
5. アイコンに変化を持たせる
ではどうやってアイコンに変化をもたせたらよいのでしょう?
多くのアイコンは以下の4パターンに分類されるように思います。
①「季節」に紐づける
一番単純かつ多いのは季節に紐づけることです。
上記例では「春」にちなんでいろんなアプリが春仕様のアイコンになっていることが見て取れます。
上記であげたマンガZEROもそうでしたが、季節は四季に加えて、例えば梅雨といった日本独自の現象(五季や六季など)もあり、アイコンに反映するためのきっかけはたくさんあります。
また、季節感はアプリ内のコンテンツと絡めやすいため、アイコンとコンテンツをセットで提供しているところも多いでしょう。
②「イベント」に紐づける
バレンタイン、ハロウィン、クリスマスなど、世の中に浸透しているイベントに紐づくパターンが多いでしょう。
例として、ハロウィンアイコンを集めてみました。
季節の時とは違い、アイコン変化は一部のアプリになったように感じられます。イベントはアプリ内のコンテンツに絡められないアプリもあるため、このようなことが起きているのだと思います。
(上記にもある「駅すぱあと」は電車アプリなのでハロウィン関係ないような、、とは思いつつ単に便乗しているパターンもあるのだとは思います笑)
③「記念」に紐づける
アプリのリリース記念に紐づけているパターンです。
主にはゲームアプリなどのエンタメ系のアプリで行なっているところが多い印象です。
アプリ内のコンテンツとして、記念を祝うためのイベントも行われているため、エンタメ系アプリとの親和性が高いように見受けられます。
④「目的」に紐づける
アプリのコンテンツや訴求したいものをアイコンに反映するパターンです。
あまり多くはないですが、例として
① RoomClipではアプリのコンテンツ(DIY特集)に合わせたアイコン
② タイムバンクではCM放映中のアピールをするアイコン
が見受けられました。
6. アイコンを見てみよう!
具体的にいろんなアプリの事例から、どういったアイコンがあるのかを見ていきましょう。
今回は更新頻度が高いアプリを中心に選んで見ました。
①RoomClip
季節、イベントなど幅広くアイコンに反映しており、アイコンの更新頻度が多いアプリの1つです。
②Creema
こちらも季節、イベントなど幅広くアイコンに反映しています。
③C Channel
キャラものをうまく添えており、アイコンが可愛くなっているものが多い印象を見受けられます。
④LUCRA
デザインもさることながら、背景色にまでデザインの手を入れる力っぷりが印象的です。アプリのメインカラーを一時的に変えるというのは、相当の決断だと思います。
参考:LUCRAのアイコン制作秘話
(以下のコンテンツは現在ロックがかかっています)
⑤駅すぱあと
うまくキャラクターをいかしたデザインをしています。業務アプリなのにここまでアイコンにデザインをしているところはそうはないかもしれません。
⑥minne
季節感をうまく反映している印象です。
⑦どうぶつの森
メインキャラクターをいかしつつ、周りをうまく装飾しているのを感じられます。ゲームアプリとして何周年もきっちりやっているようです。
⑧クックパッド / クラシル / E・レシピ / 食べログ / じゃらん / Mirrativ
少なかったのでまとめました。
料理系はやはりバレンタインにはアイコン変更を行なっているようです。
7. おわりに
「リリースしてからアイコンはずっとそのまま」
なんてアプリは意外にも多いのではないでしょうか、、?
もちろん、アプリのコンテンツや機能に最大限の注力をする方が望ましいとは思います。しかし、こうしたちょっとした工夫もアプリを伸ばすためには重要な要素なのです。
これからアイコンを工夫したいと思った時の参考になれば思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
良ければサポートのほどよろしくお願いしますmm