見出し画像

ストラスブール大学の修士課程に入学しました

はじめに

社会人として仕事を継続しながら、ストラスブール大学の修士課程に入学しました

近年、海外の大学院に進む人も増えてきたとは思いますが、ストラスブール大学を選択する人は日本でもほとんどいないと思います。今後これを参考にされる方もいるかなと思い、記録を兼ねてこちらを書いています。

今回はあまり濃い内容はお届けできないかもしれませんが、各セミスターごとの振り返りは書こうと思っているので、2年間で4本ほどの記事が上がると思っていただけますとmm

(モチベ次第ですが…😂)

概要

- ストラスブール大学に関して

フランスのストラスブールにある大学で、フランス北東部に位置しており、ドイツ国境の近くに位置しています。

Google Map より

- 修士課程に関して

今回入学した修士課程は
「CAWEB Master - Multilingual Web Communication and UX Design」
というものです。

少し長い名前なので一応解説すると…

  • CAWEB Master
    フランス語の「Création et Administration de Sites Web」の略で、直訳するなら「ウェブサイトの作成と管理に関する修士課程」という感じでしょうか。
    スタンス的にはMBA(Master of Business Administration)= 経営学修士 みたいな感覚だと思っていただければと思います(たぶん..笑)。

  • Multilingual Web Communication and UX Design
    こちらも日本語名がないのですが、直訳するなら「多言語ウェブコミュニケーションとUXデザイン」になります。

(上記の通り長いので、以後は CAWEB と記載)

この CAWEB では、以下のことを学習できます。

Digital marketing, project management, programming, and multilingual communication are at the heart of our program: you’ll learn how to use UX design principles and programming languages to build a website, how to create a visual identity using graphic design tools, how to translate and localize the content in multiple languages, how to optimize content through SEO, and how to promote the finished product on social media.

https://mastercaweb.unistra.fr/en/

ざっくりいうとインターネットに関連する技術を、実践的に学ぶことができます。

さらに今年から新設された「UX Design Specialization」コースでは、上記に加えて UX の専門的な授業を受けることができます。

私が入学したのはこの UX のコースであり、これが入学した理由でもあります。

- 大学院との出会い

3年前、私はエンジニアでありながら DevRel というポジションでも仕事をしていました。そんなおり DevRel の業務範囲を含む大学院に通っている日本人の方を見つけました。それがストラスブール大学でした。

当時、エンジニアとしては7年目のキャリアでしたが、DevRelのキャリアが1年と浅かったので、これを補うために大学院へ行くのもありだな、と思ったのがきっかけです。

修士課程は「Technical Communication and Localization」(TCLoc) という、テクニカルライティングやその周りの技術を学べるものです。

結局、当時はエンジニアを軸に仕事をしていくことに決めたので、大学院へ行くことはしませんでした。

参考までに、気になる人はこちらを読むと面白いと思います。

- 大学院へ行くことにした理由

そこから3年経ち…

エンジニアとして英語を使って海外や外資系企業で働きたいとずっと思ってきましたが、今年の6月から念願かなって、日本に支店を持つアメリカの外資系企業に Software Engineer として転職することができました。

まだ、海外では働けていませんが、私が達成したいことの1つが叶ってしまいました。そこで次の目標やステップを考えたときに、大学院へ行って何か新しいことを学びたいと考えました。

これは今後もし海外で働く場合に、大学院を出ている方が

  • 面接の受けが良い

  • ビザとしても有利に働く

  • プロモーションしやすい(日本で外資系に居続ける場合でも)

という思惑も多少はあります。

- 大学院の選定

(個人的な体感ですが)パンデミックになってから、日本でもオンラインで通える大学院が増えました。そして、ITエンジニア界隈?では、CSの大学院に通う人が増え「入学しました」というブログエントリーがいくつも散見されました。

Google で検索すると、たくさん出てくる

私自身は学部で数学を専攻しており、CS相当の授業も一部ありました。過去、外資系企業の求人で「CS学部卒が必須」なものに2回応募しましたが、どちらも通ったので、経歴としてもいらず、これ以上は学ぶ必要はないかな、というのが本音としてありました。
(ぶっちゃけ理系の学部でも結構しんどかったので、もう一回やりたくはない…😂笑)

そこで、以下のような世界中の大学でどんな学位が取れるかを探せるサイトを使って、興味があることを探してみました。

日本語にローカライズされていますが、少し変な日本語になっているので、気になる場合は英語にしてみると良いです。ここから修士のみを絞り込みします。

そこで偶然にもストラスブール大学が、オンラインで UX に関しての修士課程プログラムを出していることを発見しました!

今の自分のキャリアにおいて、デザインについて学ぶのはすごく良いと感じ、すぐに申し込みました。結果として1つ問題があったのですが(後述します)、以下の流れで入学となりました。

6月中旬:HPから申し込み
6月末 :面接
8月末 :返事催促
9月初旬:契約まわりのやりとり
10月初旬:大学院に入学

わりとギリギリに応募してしまったので、かなりバタバタしてしまったと思います。(大学側の対応もそんな感じだった…チョット申し訳なかった…😂)

- 他大学院の検討(余談)

実は先のプロセスにおいて、6月末に英語での面接があったのですが、先方から2ヶ月連絡がなく、落ちたと思い翌年の4月に入学する想定で、他の大学院を探し始めました。

正直にいうと、仕事で使っているとはいえ、英語での面接がしんどかったので、授業も英語はやはり辛いだろうなと思い、日本の大学院も検討し出しました。

以下は、その際に検討した大学院です。(一部、海外もありますが)

  • 奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)

  • 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)

  • 情報セキュリティ大学院大学

  • 京都情報大学院大学(KCGI)

  • 神戸情報大学院大学(KIC)

  • 東京都立産業技術大学院大学(AIIT)

  • 立教大学大学院人工知能科学研究科

  • University of the People(UoPeople)

  • ヨーク大学(イギリス)

ここから「仕事を辞めないで通えそう」を大前提として、以下に絞り込みました。

  • 東京都立産業技術大学院大学(AIIT)

  • 神戸情報大学院大学(KIC)

特に AIIT は私の中でもかなり良いなと感じていました。大学院には、

  • アカデミックベース

  • PBL(実践ベース)

があり、理系の学部にいた私としては前者がとても辛かったので、後者の実践ベースがとても魅力的でした。

AIIT は実践ベースで修士論文がなく、プロジェクトを成果物として出すという点もその魅力にあります。(論文ないのに修士ゲットできて良いのか?というツッコミはさておき…)

ストラスブール大学は落ちたと思っていたので、実際に両校の資料請求をオンラインでして、受ける気満々でいました…が、無事に入学できることになり、結果的には受けずという感じです😂笑

実はストラスブール大学も実践ベースなので、そこに魅力を感じています。
(※ただし、こちらは修士論文があります)

- 授業とスケジュール

ヨーロッパの大学院では、1年で卒業できるコースが結構あります。

ストラスブール大学の CAWEB では1年と2年のコースを選択できますが、1年はあくまで仕事をしていない想定であり、普通に働いている人は2年コースを選択します。

これはもらった資料を元に、自分で作ったざっくりのスケジュールです。

(これは暫定的でアップデートされる)

簡単に説明するとこんな感じでしょう

  • 2年を4分割して1つのセミスター(学期)ごとに3-4個の授業がある

  • 期の終わりにはテストや課題がある

  • 2年目からは通年で修士論文を書き始める

授業は専用のプラットフォームを使って、オンラインで参加します。ちなみにオフラインで校舎に行くことも可能です。

大学はフランスにあるため、7時間の時差があり、日本だと授業がいつも夜中になってしまいます。初回のキックオフを除いて、今のところは録画されたものを見ています。

- 金銭面において

金銭面に関してはあまり気にしないようにしました。というのも、修士の学位を取って年収を上げればいくらでも回収できるからです。また、現状そんなに金銭的にも困っていないというのもあります。

ちなみに日本では、国の給付金制度をつかって最大112万円まで補助が出る大学院も多いので、近年の大学院に行く人が増えたのは、これも理由の1つにありそうだなと。

CAWEB では、選択したコースによって金額が変わります。

  • 1年コース:5980ユーロ(≒ 100万円)

  • 2年コース:7774 ユーロ(≒ 130万円)

実際はこれに一部の諸経費、テキストやツール代がかかると思ってください。こうやってみると、海外の大学院でこの額はかなり安いです。

ちなみにコースを落とした場合や年度を延長した場合は、600ユーロを追加で支払うそうです。(2回目からは400ユーロらしい)

終わりに

1周目が終わったところで、基本的にキックオフ的な感じなので、まだなんともコメントしづらいですが…

先生もネイティブではないため、先生によって英語のばらつきがあり、しんどいなと思う先生もいます😂

しかし、便利な時代になったもので、リアルタイムの音声書き出しツールや翻訳ツールを使って、先週分の授業をなんとかこなせました。

とりあえず、まず最初の4ヶ月(1セミスター)を頑張ってみようと思います!


貯金します!