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24年9月期第1四半期決算説明の書き起こし

こんにちは、ヒューマンクリエイションホールディングスのIR担当です。2月9日15時に24年9月期第1四半期の決算短信と決算説明資料を発表しました。
今回のnoteでは、決算説明を書き起こし形式でお知らせします。


ヒューマンクリエイションホールディングス代表取締役社長の富永でございます。
本日は、2024年9月期、第1四半期決算についてご説明いたします。
よろしくお願いいたします。

本日のメニューは大きく5点ございます。

1点目は中期経営計画の初年度にあたる2024年9月期・第1四半期連結業績ハイライトについて、2点目はTARA社のグループ入りについて、3点目はTARA社のグループ入りに伴い再定義した戦略領域の拡大状況について、4点目は中期経営計画について、5点目は2024年9月期通期業績見通しについてです。

今期第1四半期の実績ですが、売上実績は前年同期の実績を上回るも予算に対してはやや未達成。利益指標であるEBITDAについては、計画通りに推移しました。

スライド上・Aでお示ししました通り、売上高及び売上総利益については、それぞれ前年同期の実績を上回っているものの、1Q単期においては予算に対して未達の結果となりました。採用数は順調に増加しているものの、新規に採用したハイレイヤー人財に相応しい良好な案件検討に時間を使い、採用と売上計上にタイムラグが生じた結果だと認識しております。
営業利益以下については、スライド上・Bにお示ししました通り、ほぼ計画通りの採用が進んでいるものの、効率的な採用活動費の投入により粗利未達を吸収し、1Q予算を達成しております。

1Qにおいては採用活動費を中心に投資が先行、かつ新規採用した人財の売上計上までにタイムラグが生じていますが、今期後半にかけて投資効果の発現を見込んでおります。

2024年2月1日に公表させていただきました、株式会社TARAの子会社化についてスライドの通り整理させていただきました。
同社のグループ入りにより、当社が掲げる中長期ビジョン、特に経営コンサルティング事業領域の拡大を加速させていく目論見です。

お示ししました通り、TARA社は大手企業・中央省庁等へのサービス提供実績を数多く有しており、こうした顧客パイプラインに対して当社グループの既存リソースを直接的に投入し、サービス提供していくことで、主として経営コンサルティング領域の事業拡大を加速させて参ります。

TARA社のグループ入りにより、当社グループにおける従来の最上流事業領域であった「ITコンサルティング」から、その上位概念・上位工程と言える「経営コンサルティング」への事業領域拡大に拍車をかけ、当社グループのビジネスモデルの革新を企図して参ります。
また、並行して既存事業領域における案件参画の機会拡大も狙える状況となっております。

TARA社のグループ入りに伴い、戦略領域である子会社群を再定義し、主たる機能と狙いを明確化しました。本定義により、今期2Q以降エンドユーザー開拓を具体的に進捗させ、当社グループのビジネスモデル変革を加速させていく所存です。

このスライドでは、戦略領域である「コンサルティング」 「受託開発・運用」の売上高をグループ子会社の売上単純合算で除した割合をお示ししております。
戦略領域(コンサル・受託開発)が順調に成長しており、現在は30%程度を占めるまでに拡大しております。なお、株式会社TARAの実績は、2024年2月1日から当社グループの数字として計上されることとなります。


中期経営計画初年度にあたる今期・2024年9月期は、中長期的な成長を実現するための投資期間として位置づけ、引き続き人的資本への重点投資を行って参ります。

中期経営計画・3ヶ年計画(24/9期~26/9期)の策定背景、及び中計・3ヶ年計画の骨子でございます。

中計・3ヶ年計画策定の背景としては、スライド左側の通り、派遣・受託の2本柱での展開及び一気通貫のビジネスモデル構築等の事業戦略に関して、着実な成果が表れている状況にございます。こうした事業戦略における成果に加え、重要な経営手段のひとつとしてきたM&Aや、アライアンスにつきましても既報の通り一定の成果が得られています。
加えて資本構成におきましても、従来のフィナンシャルパートナーからストラテジックパートナー主体の資本構成となり、従来の「短期的な利益」から「中長期的な事業成長」を追求することが可能な経営環境が整った認識でおります。

こうした背景を受け、今後3年間の計画骨子として、
①プロジェクト本数の拡大による大幅な売上成長
②ITコンサル領域の上位工程とも言える、経営コンサルティング領域への事業拡大によるプロジェクト本数の飛躍的な増加
③人を財産とする当社グループならではの人的資本経営への投資加速、
以上3点を掲げております。

前述17ページ、中計策定の背景の資本パートでお示ししました通り、当社の大株主はフィナンシャルパートナー(投資ファンドであるリサ・パートナーズ)からストラテジックパートナー(事業会社である日鉄ソリューションズ及びアドバンスト・メディア)主体へ、資本構成が大きく変化しております。

日鉄ソリューションズとは人財に関して、アドバンスト・メディアとは技術に関して、資本業務提携を行っており、早期のシナジーを実現すべく協業推進に取り組んでおります。

中計の重要な部分である戦略領域を推進する子会社群を再定義しましたので、ここで再掲いたします。

中計骨子の1点目です。当社グループにおける従来の最上流事業領域であった「ITコンサルティング」から、その上位概念・上位工程と言える「経営コンサルティング」への事業領域拡大に拍車をかけることで、当社グループのビジネスモデルの革新を企図して参ります。
また、並行して既存事業領域における案件参画の機会拡大も狙える状況となっております。

中計骨子の2点目ですが、前期2023年9月期までにサブリーダークラスの育成に重点的に取り組んできた結果、プロジェクトを主体的に回していくことが可能なPM/PLクラスの拡充に繋がって参りました。そのため、現在ではサブリーダークラスの立ち位置にある人財を、いわばのれん分けのような形で新たなプロジェクトを担わせることで、技術者の付加価値向上・売上の飛躍的な拡大を目指して参ります。現場経験を充分に積んだ人財を大いに活用していきたいと考えております。

当社グループは人材を財産と考えております。従って人的資本への投入は引き続き積極的に行い、採用・育成・定着化のサイクルを高速で循環させることで、人財の付加価値を向上させて参ります。

以上3点の中計骨子を軸に、本3ヶ年計画においては積極的な投資を行うことで、成長性を加速させて参ります。
 
中期経営計画・3ヶ年計画最終年、2026年9月期には、売上高110億円・EBITDA12億25百万円を目指して参ります。
 
中計策定においては、売上高については、プロジェクト本数の拡大や経営コンサルティング事業の貢献による既存事業の成長のほか、M&Aは過去実績に基づき毎期2~4億円程度の売上高として織り込んでおります。
また、利益については、当初2年間の人的資本への重点投資等による再成長の結果、26/9期には売上総利益率が回復し、段階利益も大きく増益となる想定としております。
 

中期経営計画・3ヶ年計画における株主への還元方針です。
 
本3ヶ年計画期間については、連続増配を維持するだけでなく、当期純利益の「30%以上」を株主還元して参ります。配当だけでなく自己株式取得等も含めた総還元性向を基準として、株主への還元と利益の再投資による株主価値の向上との両立を図って参ります。

今後の成長戦略についてです。まず、日本の市場環境は少し特殊だと思っています。日本企業の場合、IT人材がユーザー側に所属しているのではなく、我々のようなIT企業側に所属しています。特に米国と比べると、IT企業側にエンジニアが存在しているのが日本固有の市場環境だと思っています。
日本企業の場合、経済産業省が発表している「2025年の崖」の問題があります。旧来型のシステムのメンテナンス期限が2025年までのものが非常に多いことから、ここに対応し、システムを載せ替えないと事業に大きな影響があるだろうということが懸念されています。
これを「2025年の崖」と表現するのですが、ここに対するシステム刷新の需要は非常に多く存在しています。このような需要は、当社のように優秀なIT人材を抱えている企業にとって、マーケットオポチュニティが非常に高いと言える状況です。

直請け・1.5次請けのターゲットを定量的にお伝えしておきたいと思います。
 
左端のゾーン、大手SIerが大型案件で激しく競合しているこの第一グループでは、我々は競合せず、
案件毎に大手SIerと協働して、1.5次請けを狙っています。
 
我々が直請けターゲットとしているのは、真ん中の部分、このボリュームニッチゾーンになります。
1000社で8兆円の市場を形成しているこのボリュームニッチな市場で、金額規模で言えば3億から3千万円程度のイメージですが
このボリュームでコンサルを行い、外注へ丸投げせずワンストップでサービスを提供できる競合はほぼないという認識です。
 
一言で言えば、当社グループは、
・勝てる市場に限定し、
・勝てる武器を用意した上で戦っている
ので、差別優位性を誇っている、ということをご理解いただければと思います。
 
 

エンドユーザーやクライアントが「IT投資をしよう」と考えた場合、右側の図・大型案件・10億円程度以上の発注先は、ほぼその全てが、大手SIerへ発注され、大手SIerをトップとしたピラミッド型の多重構造が構成されます。
 SIerとは、システムインテグレーターのことです。
大手SIerは、正社員エンジニアを豊富に抱えていますが、システム開発・特に開発工程では一時的により多くのエンジニアが必要になるので
基本的に1社のプロパー社員ではまかないきれません。そこで段階毎に細分化して外注・下請けに出していくという多重構造になっています。
 こうした多重構造をなしている業界の中で、当社はエンドユーザーからの直請け案件(一次請け)と、大手SIerと協働する形の1.5次請けをメインターゲットとしています。
まだまだスタートしたばかりの現経営体制ですが、当社グループは既に大手SIerと同じポジションについています。
 なぜ当社グループが直請け・1.5次請けが行えるのか?というと、当社グループは、システム開発における頭から最終工程まで、当社グループで担える「独自のワンストップ体制」を持っているからです。
 グループ子会社のうち、主として頭の部分・ACFとHMBがコンサル・企画(設計)の部分、開発をCLSとBKS、保守・運用、BPOをSLGとコスモピアが担っています。また、2024年2月1日からは、経営コンサルティング領域を担当するTARAもグループ入りしております。
 
IT業界では、コンサルだけやります・開発だけやります、という同業他社さんが多い中で、当社グループは頭から最終工程まで当社グループエンジニアを主軸に構成します。
この当社独自のグループ体制は、発注する側のクライアントから見ると、企画・開発の最初から、納品後のメンテナンスまで当社グループに責任もって面倒を見てもらえる、という点が大変高く評価され、継続・追加発注にも繋がっております。
企画だけします、開発だけします、保守運用は外注…メンテナンスの不安がなく、想定外のことが起きた時の責任所在もはっきりしている当社グループへの信頼感は、お客様から見て絶大だと自負しております。
 
当社グループは、中・小型案件は大手SIerが狙ってこないため直請け・一次請けを狙っています。大型案件については、むしろ大手SIer と協業し、プロジェクトの一部を受け取る・切り出し案件を狙っており、いわば1.5次請けのポジションを獲得しています。
こうした1.5次請けが狙える理由も、切り出された案件を外注へ丸投げすることをせず・当社グループで責任を以て担う当社独自のグループ体制があるからでございます。

ビジネスモデルの特徴についてです。繰り返しにはなりますが、我々はコンサルティング・システム受託開発とITエンジニア派遣の2本柱で事業を展開しています。2本柱にすることで、高い稼働率と利益率の双方が享受できる仕組みになっています。
 
また、最上流のコンサルティングから最終工程の保守運用まで一気通貫・ワンストップ、プロジェクト運営に責任を担うPMに関して正社員を主軸とした体制を整えております。このような組織体制があるからこそ、大手SIerからも信頼されるのだと考えています。
またTARA社のグループ入りに伴い、当社グループにおける従来の最上流事業領域であった「ITコンサルティング」から、その上位概念・上位工程と言える「経営コンサルティング」への事業領域拡大に拍車をかけることで、当社グループのビジネスモデルの革新を企図して参ります。
また、並行して既存事業領域における案件参画の機会拡大も狙える状況となっております。

当社グループの強みについてです。1点目は、大手SIerから信頼される組織体制を持っていることです。我々のグループでは、十分に教育指導を行った当社グループの正社員を主軸とした体制を構築することで、提供するプロジェクトの品質を担保しています。
また、当社グループでは、最上流工程のコンサルティングから開発・保守運用などの最終工程まで一気通貫で行えます。「企画するだけ」「作りっぱなし」ということがないため、大手SIerからは仕事を発注しやすい企業として認識されています。
2点目は、受託分野と派遣の2本柱で事業を展開することによって、非常に効率のよい事業運営ができていることです。当社では、必要に応じて受託チームを生成するかたちをとっています。そのため、受託案件が取れた際には派遣契約で従事しているエンジニアたちの派遣契約を一旦解除して、新たに受託チームとして招集しています。
3点目は、競合の少ない市場・セグメントが主戦場になっていることです。我々がコンサルティングや受託で狙っているのは10億円以下、主に3億円以下のプロジェクト案件が中心です。
大手SIerは3億円以下の案件であれば積極的には取りにきませんし、高単価の方々だけでプロジェクトを回していくのはなかなか難しいところがあります。競合が少ない市場を狙い、技術力の高さを示すことで、SIerから仕事を発注してもらったり、我々が自らプロジェクトを取りに行ったりしやすくなっていると思います。

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