「仲嶺のお笑いクイズランド」の何がどう素晴らしいかという話
「仲嶺のお笑いクイズランド 」とは、三日月マンハッタン仲嶺さんが発明した、お笑いとクイズを融合したテーマパーク企画です。
天才を通り越して変態的にお笑いを愛する仲嶺さんが、やはり変態的にお好きでいらっしゃるであろうクイズで作り上げたエンタメ空間です。
不定期で都内でお笑いライブとして開催されています。 私はこのライブの虜なのです。
この「仲嶺のお笑いクイズランド」というライブというか企画というかコンテンツというか、要するに三日月マンハッタン仲嶺さんという天才が世に出す「仲嶺のお笑いクイズランド」とそれにまつわるものがめちゃくちゃ面白いしとにかく凄い、という話は都度勢いのままに語っているつもりなのですが、私のリコメンが下手なせいで周囲にあまり伝わっていないのがもどかしい今日この頃です。
「もー! こんなに面白いのに! こんなに面白いしとにかく素晴らしい空気を体感できるからお笑い好きな人は絶対みんな見に行ったらいいんだよ!!」と地団太を踏んで喚きたいところなのですが、それがリコメンとして逆効果なのは我が身を振り返ってみても明らかなので、ひとまず「私が思う仲嶺のお笑いクイズランドの凄さ」をまとめるところから始めてみようと思います。
大前提を書きますが、まずもって私はクイズというものにそれほど興味はありません。 お笑いの知識を競いたい気持ちもなくて、そういう場になるとたまに勃発する知識の量やライブ遍歴によるマウント合戦はしんどすぎるから絶対に避けて通りたいと思っています。 お笑いに詳しい人の話は聞きたいし、もっと言うとお笑いが大好きな人がポジティブにお笑いについて話す場には延々立ち会いたいです。 でもそれをわざわざクイズにしてもらわなくても大丈夫なタイプです。
そんなステータスの私が「仲嶺のお笑いクイズランド」が好きな一番の理由は、お笑いクイズが楽しいという点ではなく、いやお笑いクイズはめちゃくちゃ楽しすぎるけどそれが肝なのではなく、「仲嶺のお笑いクイズランド」という企画のバランスの素晴らしさと、それによって味わえるカタルシスが、他では体感できないものだからです。
そのカタルシスだの、クイズを解いている芸人さんを見ていて一緒に味わえる気持ちよさだのの要因は、おそらくですけどクイズランドにおけるあらゆるバランスの良さに起因するのではないかなと思っています。 他の有識者にとってみたら別の要因が語られるかもしれませんが(あ、それ聞きたいな、クイズランドファンみんな語ってほしい、聞きに行くから)私にとってはおそらくすべてにおいてキワッキワまで考え尽くされてプレイヤーそして観る側に提供されているバランスの良さこそが、私が感じる気持ちよさ面白さカタルシスを生み出しているように思えます。
お笑いもクイズも楽しいけど、それをあれほどに魅力的なものに仕立て上げているのは仲嶺さんのバランス感覚が凄いからなんですよね。 第一回のあのカタルシス、観に行ってた人と未だに語っちゃいますもん。 第一回の感想まとめ作らなかったの未だに後悔してるんですよね、第一回こそ作っておくべきだった。
第一回のお笑いクイズランドでは、ダントツに回答数の多いXXCLUB大島さんと、ダントツに回答数が少なく揚々とビリ街道を走っていた錦鯉隆さんが、クイズの難易度による仲嶺さんの得点配分によって、終盤トップ争いをするという、少年漫画もかくやという大接戦になったのです。 通常回答者みんなが競って早押しする問題は得点が小さめだけど、そんな若手の回答者が考え込むちょっと年代が古め(でも答えを聞けばみんな知らないものではない)問題を、隆さんが一人ぴしゃっと回答して大喝采を浴びたりするんです。
そして、第一回で一番うわー!となったのは、前半出題された問題で誰も答えられなかった高難度の問題や、前半出題された問題の問題文の中にあった情報が回答となる問題が出される、という、まるで伏線回収のような展開が終盤用意されていたこと。 このとき、仲嶺さんは「誰も知らない答えなんてひとつもないですよ、だってここにいるみんなは全員前半に答えを聞いてるんだから!」って言うんです。 これを聞いたとき、私がどれほど興奮したか。 そうして、隆さんが本当に聞いたことがあるものを回答したりして、結果トップ争いをするんです。 最後の最後に獲得ポイントが発表されるまで、途中までダントツビリだった人さえも優勝するかもしれないというワクワクを味わえる、凄い時間だったのです。
お笑いが好きであれば平等に戦えて楽しめる、それが仲嶺のお笑いクイズランドの凄みなのだと、身をもって思い知ったのが第一回でした。
仲嶺さんの作るお笑いクイズには、特別に深い知識は必要ないのです。 勿論ある程度芸人さんやバラエティ番組を知ってる方が面白いけど、じゃあ私自身がどのくらいマニアックな知識を持っているかというと、はっきり言ってそういうのはゼロに近い。 好きだから知ってたり無駄にライブに長く通ってるから知っていることだけで、M-1やキングオブコントやオンバトのデータなんて一般知識以上のものは何一つ持っていなくて、好きだから知ってるーくらいのものです。
どうしてもお笑いクイズとなると、知識の深さを競う、いわゆるカルトクイズ的なものを想像してしまうけれど、仲嶺さんの作るクイズは知識をそれほど必要としません。 例えば答えがコンビ名だとしたら誰もが知ってるコンビ名であることがほとんどです。 エピソードやネタのセリフ、登場人物の名前、オチのセリフ、小道具など、いろんな要素から仲嶺さんは問題を作ってくれます。 そのすべてが、みんなが知っているけれど、どうしても出てこない、もしくはおぼろげに覚えているけど正確に出てこない、みたいな絶妙なラインを見事に突いてきてくれます。 だから、その答えを知った瞬間に「ああー!」となります。 「やられたー!」でもいい。 この「ああー!」「やられたー!」が最高に気持ち良いんです、最高に。
たまーに、仲嶺さんの狂気じみたお笑い愛が振り切れてしまって、「いやそんなの知るわけないってば!」みたいな回答が出てきたりしますが、その時は逆に仲嶺さん以外本当に誰も知らないくらいのもが出てくるので、それはそれで逆に公平とも言えます。笑
メキシコ版ドキュメンタルの優勝者の名前なんて誰がわかるの!笑
そもそもドキュメンタルにメキシコ版があることも知らなかったよ! しかも問題として単純に誰が優勝したかを当てるんじゃなくて、たまたま1位と2位が同じ名前でメキシコ版の松ちゃんが優勝者発表時に名前だけを言っていやどっちだよ的にずっこけるノリがあったけどどっちが優勝者か、みたいな、クイズとしても面白い問題になるなんてさあ!
仲嶺さんのクイズのバランスは、観る側の脳内における知識と記憶の関わりをあまりにも軽やかに手玉にとってくれます。 その手玉に取られてる感じが最高に気持ち良いです。 前述のように絶妙に記憶の奥ではないのに何故か目につきにくい場所に保存されている情報を狙ってくるものは、大半の人たちがそこかー!となる部分を、仲嶺さんは狙えるんですね。これは多分やろうと思っただけでは難しくて、どんな情報がどこに埋もれているか、どのあたりの情報が死角になっているか、仲嶺さんがめちゃくちゃ考え尽くしているということに他ならないと思います。深い知識を持っているのに、その深いという部分をどうこうすることよりも、深い知識にまぎれた誰もが知っているのに何故か視野に入らない、というところを突くということに、とてつもない訓練というか、多分日々こんなことを信じられない濃度で積み重ねているんだと思います。じゃないと、深い知識を持つ芸人さんや一般の市井の偉人たちをあれほどまでに翻弄するなんてできないもの。
また、知識の中に埋もれている死角にある情報をどうやってクイズとして出すか、というその手法も素晴らしい。過去のクイズランドにおいて一番分かりやすく感激したのが、「共通点クイズ」で出された問題です。芸人さんの名前を読み上げていって、それらの芸人さんの共通点は何かを当てるというクイズ。
「明石家さんま」から始まって、「笑福亭鶴瓶」「板尾創路」などが上がり、その後も4人くらいかな、芸人さんの名前が出てきたにも関わらず、全然共通点がわからない、と客席も含めその場にいた全員が首をひねる中で、ニュークレープのナターシャさんが分かった!となって手を挙げて答えたのが、『ドラマ古畑任三郎に出ている』でした。これが大正解。
この問題、素晴らしいと思いませんか。間違いなく芸人さんの名前だけ出てくる、お笑いのクイズです。だけどお笑いの知識だけがあっても、バラエティ番組だけを見ていても、このクイズは正解できないんです。実際、見事に正解してみせたナターシャさんは、この時のライブではオープニングの時点で「お笑いの知識はそんなにない、自信はない」と言っていたのです。でも、このクイズに大正解したときに、「お笑いの知識はそんなにないけど、90年代のテレビには詳しいんです!」って叫んでたのです。
ちなみに仲嶺さんによると、この問題の最後のヒントはアリtoキリギリスの石井さんだったそうです。ここまでいくと誰かが気づいた可能性が高いけれど、その前にナターシャさんが当てたんですね。答えを聞いて、全員がああー!となって、知らないとかは誰も言わない、誰もが知ってる古畑任三郎だし、出てくるのも誰もが知ってる芸人さんだったので。これは本当に素晴らしかった。正解を知った瞬間凄い!ってなったし、感激しちゃったよね。 この問題を思いつける頭脳も発想も、ほんとに尋常じゃない。 凄い。
(ここまで書いて、クイズの内容と正解まで思い切り書いてしまったけど、これまずいんじゃない? というご意見があれば、この段はざっくり削除します)
(クイズのライブのネタバレの扱いってどうするのが正解なのか……)
この手の素晴らしいクイズが、時間いっぱいに山ほど出てくるんです。こういう少し大きめのクイズもあれば、早押しでどんどん回答できるクイズもある。どれも考え抜かれた素晴らしいバランスで提供されるお笑いクイズばかりです。ドキュメンタルから出題されるような少しマニアックなものもあれば、みんなで考えたり頭をひねったりして思い出すようなクイズもあります。とてつもないマニアでも、私のような一般知識程度のクイズド素人でも、同じだけの熱量で挑んで、同じだけのカタルシスを味わえるのです。
何度も書いてるけど、知っていれば答えられるというクイズとは違う、お笑いが好きであれば誰でも楽しめて、驚きや感嘆を味わえる、本当に素晴らしいエンタメなのです。だから「ランド」なんだ、みたいなこと、第一回あたりで仲嶺さんが言ってたような。
ここまでで書いたこと、仲嶺のお笑いクイズランドの本当にごく一部に過ぎないので、お笑い好きな人でちょっとでも面白そうとかワクワクしたいとかを思っているなら、次の機会には共にクイズランドに参りましょう。 本当に面白いし、素晴らしいエンタメなので。 あと、回答者として出演している芸人さんのことも大好きになります。 皆さんあまりにもお笑いが好きすぎるし、凄い! ってなれます。 お笑いクイズを真剣にやって喜んだり悔しがったりする中で、それぞれの個性で笑いを取ってのける芸人さんて最高なんです。
何より仲嶺さんのホスピタリティね! クイズや企画そのものが面白いのは勿論、客席参加型のクイズは正解すると芸人さんのポイントを増やしたり減らしたりできるシステムもオールナイト時から導入されていて、拮抗した展開をお客さんと共に作るという場面も提供してくれてるんです。
そして、たまにクイズ内で順番を決めたりするときに使われる、仲嶺さん発明の「一発じゃんけん」これがまた凄い画期的なシステムのじゃんけんなのです。 絶対に一発で決まるじゃんけん。 いやお笑いと関係ないしクイズとも関係ない。 こんなところにも面白と発明を盛り込んでくる仲嶺さんの凄まじさ。
まだ全然書けるし語れるけど、ちょっといったん落ち着きますね。
次回はまだ決まっていないようですが、最近は本編の「仲嶺のお笑いクイズランド」だけではなく、別のライブでお笑いクイズランドと仲嶺さんが企画として出張していたり、番外編のようなものが開催されていたりと、少しずつ需要が増えつつあるようなので、どこかでお笑いクイズランドに出会えたならばそれは疑いようもなく僥倖だよ、とお伝えいたします。 その際は是非全力であの楽しさを味わってきてほしい。
それから、仲嶺さんは最近はnoteで日々クイズを出題されてますから、クイズ的に興味がある人なら仲嶺さんのnoteを確認いただくのが一番いいかもしれないです。
仲嶺さんのnote ⇒ https://note.mu/mikadukinakami
そして次回の本編「仲嶺のお笑いクイズランド」を今から待ち望んでおります。 出来れば良い曜日帯に、よい時間に、2時間くらいで! それで、全員で「2時間じゃ足りない! オールナイトでやってほしい!」って叫んで、次にオールナイトで開催された際にはみんなで行きましょう。 オールナイトのクイズランド、本当に最高だったので。
最後に、勝手に作った「仲嶺のお笑いクイズランド」の感想ツイートまとめを貼っておきます。 前述のように1回目をまとめられてないので、2回目以降のまとめで、番外編等はまとめられていませんが、少しでもこの面白さが伝わってほしい、というのと同時に、私自身が過去のお笑いクイズランドの素晴らしさを振り返りたくて作っているものなので、そういう目的で見返すのが実は用途としては良い気がします。
『仲嶺のお笑いクイズランド2』感想まとめ
https://togetter.com/li/1261657
『K-PROのオールナイト9~仲嶺のお笑いクイズランド』感想まとめ
https://togetter.com/li/1294713
『仲嶺のお笑いクイズランド3』感想まとめ
https://togetter.com/li/1359805
私、仲嶺さんがお笑いクイズランドのエンディングのたびに「作ってきたクイズの半分くらいしか出来なかった」「まだまだクイズはある」「明日にでもできる」って真顔で言うのが大好きなんですよね。 なので今後も良きタイミングで観続けられたら最高だなと思います。
仲嶺さんの負担にならない程度に、でもできれば早めに、次も観たいです。
そんではやいとこAbemaあたりでお笑いクイズランドごと番組になったりしてほしいですよね!!
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