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日本ダービーを考える①毎日杯を振り返る

日本ダービーで86年以降、前走毎日杯は【0-0-0-4】。たった4頭しかいない。有名なのは18年ブラストワンピース2番人気5着か。明らかに主要路線ではない毎日杯組が上位人気に2頭入りそうだとか。もう異例もいいところだ。主要路線よりこの異例なローテが目についたので、ここからひも解こう。

そもそも毎日杯を勝ったシャフリヤールは共同通信杯3着。その勝ち馬が皐月賞馬エフフォーリア。もう共同通信杯は世代屈指のハイレベル戦であることは周知の事実。これが日本ダービーの人気に影響している。だが、ブラストワンピースをみても、このローテではどうしても経験値が不足する。毎日杯はそれを補うだけの内容だったのか。

勝ち時計はレコードの1分43秒9の大記録。春の阪神は良馬場なら超高速馬場。この日の10R2勝クラス天神橋特別が1分32秒4。全体時計はそう鵜呑みにできない。しかし、毎日杯のラップ構成はちょっと違う。

12.4-11.2-10.9-11.4-11.7-11.9-11.5-11.2-11.7

前半1000m通過57秒6、後半800m46.3。ポイントは3ハロン目の10.9。通常助走区間を考慮して、2ハロン目に早いラップを記録されるが、このレースは3ハロン目に最速ラップが入った。逃げたウエストンバートはきっと大逃げを打ちに行った。ところが、ルペルカーリア(京都新聞杯逃げて2着)やシャフリヤールら先行勢が馬場を考え、楽逃げさせまいと大逃げに持ち込ませなかった。毎日杯を落とすと、この先のローテが大きく狂う。両陣営、なにがなんでも勝ちたかったはず。だからこそ、人気薄とはいえ、この馬場でレースを難しくする単騎大逃げを許さなかった。

自然と前半が早くなりながら、後半で時計が落ちなかった。これは馬場も影響しているとも考えられる。同日同条件3歳1勝クラスの君子蘭賞は1000m通過1分1秒5、後半800m46秒1、1分47秒6。勝ったニーナドレスはオークスに出走したが、こことは明らかにレベルがちがう。

気になるのはシャフリヤールはデビュー以来18、12、9頭と徐々に頭数が少ないレースに出走している点。逆ならいいが、レベルがあがるにつれ、少頭数競馬になるのはどうだろうか。毎日杯も9頭立てながら最後の直線はウエストンバートとルペルカーリアの間で狭くなる場面があった。大外を回したグレートマジシャンより待たされてもしのいだ価値はあるが、あの場面、明らかに脚がなかったウエストンバートの騎手がシャフリヤールに進路を譲ったため、仕掛けられた。川田将雅騎手だからこそ、あのスペースを確保したとも見える。馬群に躊躇するようなところもあり、馬にまだまだ精神面の弱さがある点は、見逃せない。フルゲート割れとはいえ、日本ダービーの1コーナーでの攻防は厳しい。まさか大外回して勝つわけにはいくまい。スケール感はあるものの……という評価はブラストワンピースと重なってしまう。

現状ではブラストワンピースと同評価でいいのではないだろうか。のちに有馬記念を勝った馬と同じなんだから、スケールは大きい。

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