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エリザベス女王杯を考えてみた

このレースの主役はどの馬か。
競馬の推理はここからはじまる。レースは生き物。同じ舞台でも出走馬が違えば、その形は変幻自在。カメレオンのごとく。つかんだと思いきや、スルリと抜けるウナギのつかみ取り状態。的中のご馳走は遠く、気づけば夕食は茶漬けかカップ麺。夜長に響くはすすり泣きのごとし。

エリザベス女王杯は主役がいない。単勝オッズも前売り1番人気デアリングタクト4倍台後半。そこに3歳スタニングローズ、ナミュールが続く図式。菊花賞を思い出す混戦模様。菊花賞は終わってみれば実績とデータ通りだったが、さて今回はどうする。

エリザベス女王杯は過去10年、前走オープン以上1着【2-2-2-18】。前走2、3着の勝利が高い逆転レース。もっというと、単勝回収値は3~9着で100を超える。アカイイトが勝った昨年は前走7、6、3着馬で決着。これはエリザベス女王杯の伝統的なデータ。伝統的に逆転レース。つまり別条件で負けたが、当該条件でハマる馬が多いということ。これは京都、阪神関係なく、やはり2200mという距離が影響したものと考える。ただし前走10着以下は【0-0-0-23】。大敗は厳しく、アカイイトはこのデータに挑み、連覇を遂げたい。

主役がないときは逃げ馬で考える。幸い、逃げ宣言ローザノワールは宣言通りになる公算が高い。ここが崩れれば、今年はすり抜けウナギ同然。とはいえ、ここまで逃げ続けた馬がGⅠで控えまい。しかし、ローザノワールのペースは慎重に考える。前走はスタートで躓いたため、無理にハナへ行き、前半600m34.4と突っ込んで入り、締まった流れを演出した。なので飛ばしそうに映るが、本来は春のヴィクトリアマイルなど、そこまで破滅的な逃げはなく、スロー寄りに引きつけて展開する。

スローとはいわないが、平均より遅め程度に流れると踏めば、共存できるのはどの馬か。先行型のウインマリリン、ウインマイティー、ウインキートスや3歳2頭、ジェラルディーナ、アンドヴァラナウトあたり。そしてローザノワールが3着に残ったクイーンSを勝ったテルツェット。

昨年のような厳しめの流れの追い込み競馬にならない。前走1着馬を避け、そこに雨を加える。連続開催の阪神はクッション値こそ高めで推移するも、時計は週を追うごとに徐々にかかりはじめている。それでも速いは速い。雨がどこまで時計を落とすのか。これは当日じっくり観察することにする。

時計が少しかかり、道中は平均より遅い。そして混戦。スタニングローズの動き出しにナミュールもデアリングタクトも反応するはずで、先行型は早めにレースを動かされる。であれば、マジカルラグーンにもチャンスは訪れる。前半はびっくりして位置は下げるだろうが、息切れするほど速くはならない。そもそも欧州基準の斤量58キロで重賞連勝。54キロはさぞ快適だろう。スノーフェアリーのすんごい脚も斤量のいたずらでもあった。3歳で極東遠征。観光では決してない。前走5着、3キロ減、全体時計が少しかかるなら、自身の走破記録短縮と決着時計が重なる。スノーフェアリーも2年とも直前は敗戦。負けたからこその遠征でもある。

アルピ二スタを日本で観られないのは残念だが、マジカルラグーンが新たな衝撃を伝えてくれよう。阪神芝2200mは18年宝塚記念ワーザー2着もある。欧州産馬でも太刀打ちできるスピードが出ない舞台だ。ローザノワールが飛ばさないという前提に立てば、こんな結論にもなる。

◎マジカルラグーンの単複

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