【POG2021-22対策②】今年のキズナはどうしよう
イメージほど瞬発力勝負に強い馬は出てこないものの、初年度から活躍馬をコンスタンスに出し、ディープインパクト後継種牡馬として無難なスタートを切ったキズナ。しかし、2020-21シーズンはちょっと様相が変わりつつある。はたしてキズナはPOGで頼りになるのか。
初年度269頭、2年目212頭、そして2021-22世代(2019年生まれ)は152頭。種付数だけをみると、順調に下降傾向。しかし、初年度が春のクラシックを賑わせた2020年種付けは242頭と一変。初年度の水準まで戻した。これ、生まれてすぐ育成段階で評判が芳しくなかったのか、種付け料金が250万円から350万円にあがったからか。そんなに影響するような値上がりでもないような。ちなみに頭数が回復した2020年は600万円とさらにあがった。デビュー前の生産者のジャッジが辛口だったのか。で、実際に産駒が走ったら、やっぱりキズナは優秀だったとなったわけ。
ということは、今年の2021-22シーズンのキズナはそういった事情の狭間にあたる産駒。さあどうしよう。というのも、初年度に比べると今年の3歳キズナ産駒2世代目はちょっと頼りない。
これがクラス別成績。なお、初年度の同じ時期までのデータがこちら。
確実に2勝目をあげられる産駒が減少。1勝クラスの勝率は半分以下に落ちた。重賞は初年度4勝(ビアンフェ、クリスタルブラック、アブレイズ、マルタ―ズディオサ)、今年は2勝(バスラットレオンのNZT、ファインルージュのフェアリーS)、重賞は簡単に勝てるものではないが、全体的2勝目が遠くなった印象。POGはまずは1勝、できれば2勝目をあげられる馬を指名できるかどうかが勝負の分かれ目。そういった意味ではPOG指名は2021年産のデビューまで様子見でもいいかも。初年度はやはり種牡馬としての将来を決める大事なシーズンだけにいい牝馬を集めた結果だろう。その水準に戻ってからでもいいかもしれない。
父ディープインパクト、母の父ストームキャットという血統から花嫁は非サンデーが中心。3勝のニューアプローチはガリレオ実子のサドラー持ち。3勝はすべてバスラットレオン。ストームキャット持ちのディープインパクトに欧州の重めの血がマッチしたか。バスラットレオンはマイルのNZTを圧巻の逃げ切り勝ち。スピードの持続力を武器にしたパワー型で、キングカメハメハやボストンハーバー、シンボリクリスエス、キングマンボなど、どちらかというと持続力タイプとの相性がよさそう。
生産者はやはりノーザンFがトップ。しかし初年度のトップはこの時点で11勝のノースヒルズだった。ノーザンFは2位8勝。2年目でひっくり返した。ノースヒルズが相当気合を入れたのは確かだろうが、2年目で早くも見放したわけではない。これはノーザンFがキズナ産駒の育成方法をつかんだといえる。ディープインパクト系としては、ダートも走れるキズナ産駒はどちらかといえばタフなタイプ。おそらく育成時点から異なるだろう。こういった特性をつかみつつある。つまり、3年目もノーザンF産のキズナを指名したい。
馬主別成績は僅差の戦い。こちらも初年度はノースヒルズ軍団をはじめ非ノーザン系が強かったが、2年目はサンデーRやシルクR、社台RHなど社台・ノーザン系のクラブが躍進。昨年同時点でサンデーRは12位、シルクRは28位だった。生産者と同じように社台・ノーザン系クラブ馬が伸びるのではと予測できる。これらの点から、
アイリッシュシーの19(牝) 母の父ガリレオ シルクR ノーザンF産
リュシオルの19(牡)母の父クロフネ キャロットF ノーザンF産
ヴィンテージドールの19(牡)母の父ホワイトマズル サンデーR ノーザンF産
このあたりが指名候補だろうか。