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「がんになっても働きたい」という記事から考えたこと
日経Goodday+30という新聞にこんな記事が載っていたので、今回はこの記事に即して「病気をもちながら働き続けること」について考えてみたいと思います。
現在社労士の勉強をしているのですが、ちょうど健康診断に関する項目を勉強したところでした。
企業は雇い入れている人に健康診断を受けさせる義務があり、異常な結果が出た人に対しては、医師の意見を聞いて就業場所の変更などを検討しなくてはいけません(じゃあ「ギグワーカーはどうなんだ」とか「そもそも会社の健康診断で異常がわかるときはもう末期」という話についてはおいておきます)。
これから定年が70歳を超えるであろう社会で「病気持ちの人とどう働くか」というのは、子育て世代の就労改善と同じくらい大切なのかもしれません。
私はこの記事を読んで初めて精神腫瘍医という言葉を知りました。
がんを専門とした精神科医、心療内科医さんのことを精神腫瘍医というそうです。
日本人の主な死因はがん・心疾患・脳梗塞と言われていますが、たしかに他の2つと違って、がんは「突発的に亡くなる」というよりは「何年か闘病する」というイメージがあります。
その分患者さんへの精神負担が大きく、このような学問が発達したのだと思いました。
この記事では「外来の8割ががん患者で2割が家族」と書いてありました。
大切な人が弱っていく、残された時間の過ごし方について考える…家族にもフォローは必要だと思いました。
先程「企業は異常がわかった従業員の配置を考えなければならない」と書きましたが、「家族の異常がわかったとき」のフォローもあったらいいなと思いました。
私の勤務先では数年前、長年勤めていた50代の女性がお辞めになりました。
「親の介護に集中したい。最後の親孝行をしたい」という理由でした。
確かに何年かかるかわからない家族の介護・ケアについて会社がフォローするというのは負担が大きいとは思います。
ですから休暇制度までいかなくても、時短勤務や在宅業務に切り替えるなど柔軟な働き方で社会とのつながりや収入が確保できるようにならないでしょうか。
この記事の最後の方で「障害者のことを『自分とは関係のない別世界の人たち』と思っている人がいます。しかし、自分がいつ障害者になるかわかりませんし、年をとって介護が必要になれば、いろいろな人のお世話になるかもしれないのです」という言葉がありました。
私は大学時代介護の先生から「老人の人にもあなた達と同じ若くて健康だった時代があったことを忘れないで」と言われ、今でも心に残っています。
私だっていつか病気になるかもしれない、周りの人に迷惑をかけるかもしれない、情けは人のためならずだなぁと感じました。
今回もstand.fmで話をしているので、よかったら聞いてください。
次回は「目の前のことを一生懸命やる」4月5日(月)6:30配信予定です