ドラマ「陳情令」感想
気軽に薦められて見てみたらとんでもないものを見せられました。
時間:50エピソード
ジャンル:仙侠、ファンタジー、BL(ブロマンス)
視聴媒体:U-NEXT
あらすじ
五大世家(藍氏、江氏、聶氏、温氏、金氏)が世の秩序を治める中、快活で何ものにも縛られない自由奔放な魏無羨(ウェイ・ウーシエン)が無口で戒律を重んじ己にも厳しい藍忘機(ラン・ワンジー)に出会う。そんな対照的な二人は、偶然にも藍氏の禁地へ足を踏み入れ、藍氏が代々守ってきた秘密を知る。正義のため力を尽くすことを誓った二人は、共に事件を解決していくうちに、徐々に絆を強めていくが、魏無羨は罪を被せられ、断崖から身を投げそのまま消息を断ってしまうのだった。
その16年後、呪術によって再び蘇る魏無羨は藍忘機と再会した。二人は新たな事件の真相にたどりつくと、それが16年前の忌まわしい過去につながることに気づく…。
種類
元々中国のweb小説が存在し、それがアニメやドラマになっているようです。私はゼロ知識で観たのでアニメや原作小説は全くわかりませんが、ドラマの種類だけ載せておきます。
字幕
日本語字幕+中国語吹き替えのものが観れます。中国ドラマは役者の方言を統一するため吹き替えにするんだとか。この記事を書いている現在、U-NEXTで字幕版が観れます。
吹き替え
吹き替え版もあります。私はまだ未視聴。アマプラのエンタメアジアを契約すると見放題になるようです。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CNCSK1F2/ref=atv_dp_share_cu_r
感想
名前を覚えるのが難しい
以前人から勧められた中国恋愛ドラマは難しい単語もなくなんとなーく雰囲気で見れました。今回は難しい!まず人の名前が難しい!
名前が「姓」「名」「字(あざな)」「通り名(もしくは二つ名っぽい雰囲気)」があります。
大抵は「姓+字」や「通り名」で呼ぶようです。もしくは姓に敬称つける感じ。ただ「〇〇の若君」とか「〇〇殿」のような敬称は翻訳されたものだと思われるので、本当に敬称なのかは不明です。
「名」は特別に親しい人が呼ぶようで、「姓名」はかなり親し気な大人同士の呼び名っぽいです。ただし「兄」と呼ぶのも男同士の親し気な呼び名っぽい。
相手を可愛がっていたりすると「阿〇」という呼び名に、子供扱いしてるのかもっと可愛い扱いをしてるのが連呼してる呼び名。たとえば綿という漢字が入った子の場合は「綿綿」。動物園のパンダに付けられている名前をイメージしてれば良さそうです。
うーーん!この辺の判断が本当に難しいなあ!
言葉を覚えるのが難しい
名前は「姓」「名」「字」「通り名」でそれらを組み合わせ、一人に対してかなりの数の呼び名があるのでまずそこで混乱します。ですが、さらに混乱するのが固有名詞。今聞いた単語が人名なのか地名なのかこの世界の何かしらの固有名詞なのかが全くわかりません。そして人物も数多く登場するんですよ、同じような髪型と服装で!難しいよ!!
把握しきれなかったら有志の情報を頼るべし
少しずつでも見て行けば段々把握できるようになってきますが、それまでが本当に大変なんですよ。なので私は途中から有志のサイトを片手に見始めました。名前が全然覚えられなくて……。
私はこちらの方の相関図にめちゃくちゃ助けられました。
しかしその手のサイトにはネタバレが多く存在しているため(貼ってあるリンクでも記事の下あたりにネタバレはあります)、知人がいれば手取り足取り教えてもらうのが一番良さそうです。
話ぶつ切り
ここが結構慣れなかったのですが、良いシーンを描いていようがなんだろうが話がいきなり途切れてエンディングに入ります。フェードアウトしない。いきなりブツ!と切れます。情緒はない。
戦闘が面白い
分母が少なすぎるんですが、中国の実写戦闘ってワイヤーをふんだんに使ってスーッと移動したり布をひらひらさせてくるくる回転させたり、なかなか面白いんですよね! おそらく優美さを重視して勢いが無くしてるので、そこがチープさを出してしまってる感じかなぁ。チープではあるけど見たことなくて面白い感じです。
美術がすごい
この凄さは一言で伝えられます。「金のかかり具合がすごい!」。ドラマのどこを取っても美術がすごい。安っぽくない。舞台、服飾、雑貨などの画面に映るすべてがすごいです。
このメイキングを見てあの背景ってCGだったんだ……と初めて知りました。中国の技術って、すげー!
逆カプに注意すべし
ドラマはあくまでブロマンスとして描かれているため直接的なBL表現はありません。ですがこの作品は公式カップリングと異なるカップリングは禁止(主人公組以外なら可とのこと)らしいので個人で妄想する場合には注意が必要です。
こちらの方のブログがわかりやすかったので載せます。
ネタバレあり感想
主人公(ウェイイン)と主人公のライバルからの親友ポジ(ランジャン)の物語です。
逆カプの者になっちゃった……
もう日の元を歩けません。逆カプになっちゃった……。カップリングならこうかな~?とぼんやり考えて見てましたが、途中まで王道だと信じていたんです。本当です。ランジャンがエンディング曲をいきなり奏で始め、曲名について言及するのに作中では答えませんでした。エンディングが流れ、曲名を確認したところその名前は「忘羡」。主人公の名前は魏無羨、ライバルの名前は藍忘機。いやまさか……カップリング名を名付けるわけがない。そして調べてみたらカップリング名でした。はい、逆カプ確定でした!!うわーーー!!!!死!!!!!!
とは言ってもドラマはブロマンス
ドラマはBL的な直接表現がないブロマンスです。なので正直どっちが攻めだとか受けだとかは考えなくて済みました。逆カプって言うのも「もしカップリングで考えるなら」だったしな。良かったこれで最後まで見れる。
最後まで見ても逆カプ
最後の最後まで見終わって見どころもすべてポイントを押さえられたと思うんですが、それでも私は逆カプの者でした。畑すら耕せない村にやってきました。死です。
理解するために王道カプの萌えポイント感想とかも覗いてみたのですが、「攻めのこういうとこ萌える!」というポイントは「それはどう考えても受けでは……?」となるし「受けのこういうとこ萌える!」というポイントも「それはどう考えても攻めでは……?」となったので私は日影に追いやられるべき存在なことが確定しました。同じポイントを見ていても真逆を見出してるから畑を耕すことすら禁止なんだよ。はい、すいません。
重い感情持ってるやつらが他にもいる
ブロマンスって激重感情って意味なんだっけ……? ブロマンスは主人公組だけかと思いきや、重い感情を持ってるやつらが他にもいる。
どっちも悪党なのですが、どっちも「自分のしたことは過去にされたことを考えたら仕方ないから!なあそうだろ!?」と同意を求めてくるタイプで、「そうかも……?」と思わせる口の上手さがすごくて結構好きなタイプの悪党でした。チャラになるわけないだろ。でもその傲慢さが悪人っぽくて良い。
この作品、普通に面白い
この作品の世界やストーリーの展開は本当にちゃんとした話づくりをしています。家同士の確執、上下関係の確執、個人同士の確執。最初は訳も分からず、人も多すぎるし関係性が複雑すぎるし、付いていけるか心配なくらいでしたが見終わったあとに思い返してもやっぱり面白かった。展開も気になるし、次へ次へと見たくなります。
私は特に江(ジャン)氏の主人公含めた三人組の話と江氏夫妻の話と温(ウェン)姉弟の話がめちゃくちゃ好きだったな~!全部家族の話なんですけど、それがどれも良くて!
でも理解できないところが多い気がする
日本で作られた話は日本人が無意識に共有してる感覚が自然と描かれていると思うのですが、海外の作品も同じくそうだと思っています。陳情令はさらに「中国の中でのお決まり仙侠ジャンル」なのでさらに分かりにくくなってると思うんです。一通り見て話も理解できた気になってるけど、たぶん見落としが数多く存在している気がする。
そもそも仙門ってなんであんな金持ちなんだろうとか。弟子から金を取ってるのかそれとも領地運営してるのか、妖魔を狩って金を貰ってるのか?うーん、わからない。この辺は色々読み込んでこのジャンルの当たり前を学習する必要があると思うんですよね。
観終わったら
公式のYOUTUBEチャンネルがあるらしいのでこれを観たらもっと楽しめるかもしれません。メイキングを無料で見れるのありがたすぎる。
まとめ
人に勧められて見ましたが、見て良かったな~と思いました。これが中国でめちゃくちゃ流行してるBL(というかブロマンス)か~! 把握するのが難しいけど楽しかったな!逆カプと公言したことで村八分にされませんように!