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劇団四季「クレイジー・フォー・ユー」感想

 劇団四季「クレイジー・フォー・ユー」2015年2月28日(土)13:00回を見てきました。

■ 会場

 場所は四季劇場[秋]、浜松町駅から行ける場所です。毎度のごとく、安い席で観てきました!


■ 上演時間

第一幕 13:00~14:30
休憩  14:30~14:50
第二幕 14:50~16:25

意外と長い感じです。でも、長いのが気にならないくらい面白かった!


■ ストーリー

※ネタバレしてます。

 ある時代のニューヨーク。銀行の御曹司である主人公は銀行を継がず、ダンサーになりたかった。業界で有名なプロデューサーにダンスを見てもらうも、真剣に取り合えってもらえない。そして母に言われて、銀行の仕事をする事になってしまった。主人公はアメリカの僻地へ移動する。

 そんなアメリカの僻地ではかつて町全体でショーが栄えていた。だが今は人もいなくなってしまい、さびれた町と化していた。ヒロインは生活のために借金を抱え、その借金の返済期限が迫っていた。ヒロインが持っているのは舞台劇場のみ。しかし劇場は売りたくない、どうしようと町人に相談するも具体案が出ずに悩んでいる時、主人公が町へやってきた。
 主人公はヒロインに一目惚れし、猛アタック。借金は舞台をもう一度成功させれば良いとヒロインを励まし、全面的に手伝うことを約束する。その結果良い雰囲気になるが、主人公が借金の取り立てに来た人物だということがヒロインに知られ、フラれてしまう。
 ヒロインにはフラれたが、「舞台を成功させる」という約束を果たすため、業界で有名なプロデューサーに変装して再び町に出向くことに。町は歓迎し、町全体で再びショーを上演することになった。主人公は町の人々にショーの特訓を施し、その熱心さにヒロインは変装した主人公に惚れ、恋人になる。

 そんな時、くたびれた男がやってきた。主人公が変装していた本物の人物、業界有名人のプロデューサーだった。だがヒロインは主人公の変装とその有名人が別人だと分からず、有名人に対して恋人のような振る舞いをする。主人公はたまらなくなり、変装の事実を明かす。その事実にショックを受け、ヒロインは主人公を拒否した。主人公はニューヨークに帰る事を決意する。
 ヒロインは悩むが、結局は主人公を追いかけ、二人は再会。そして町へ帰り、二人揃って有名プロデューサーが手がけるショーに出演して、ハッピーエンドで終了。

 な、長い!かなり省略してもまとまらなかった!
話はとても面白かったです。主人公はいい年して職につかず夢を追いかけており婚約者(みたいな人)へは曖昧な態度を取り続けるクソ野郎なのですが、惚れたら一直線なところ、底抜けに明るいところが良い塩梅になっていると思えました。とても良かった!愛すべきクソ野郎でした!サンキュークソ野郎!


■ 演出

 この作品は当時の流行の最先端、ニューヨークを表現したり、さびれた田舎町を表現したりと舞台美術がとてもすごかった印象があります。

 例えばニューヨークにいた時のダンスシーン。これは素晴らしかった!1台の自動車がゆっくりと主人公の前にやってきて、停止。扉が開くと1人、また1人、更にまた1人と合計えーと9人くらい?の女性がわんさかと出てきました。
そこから車をうまく使ってショーのようなダンスシーンが繰り広げられます。1台の車からこんなに人が出てくるの!?と驚いたシーンです。冷静に考えれば停車した位置の下から出てこれるような仕組みになっているんだろうと思うのですが、まるで手品ショーを見ているようでした。

 また、主人公が変装して町の人達にショーの手ほどきをする時のダンスもとても良かった。町の人達はショーなんてやったことがない人達ですので、当然ダンスも踊れません。ショーに出るには実力不足です。そんな時、町人の1人に「君はダンスは壊滅的に下手だ、しかしこれを弾いてみろ。君にはこの才能がある」と言って楽器を渡します。楽器はあまり詳しくないので分からないのですが、チェロをもうちょっと大きくした感じの楽器でした。渡された人物がなんとなく弾いてみると、なんとなく弾けている。面白くなったのかノリノリで弾き始めます。
その音に合わせてみんなも踊ってみるのですが、踊り方が女性をチェロ(?)に見立てて一緒に踊るダンスなんです!女性が垂直に立ち、男性が女性を楽器に見立てて弾くように踊る。また、その時その時で女性は楽器になったり人間になったりするように踊る。これがとても面白くて!この時の感動を言葉にできている気がしません。語彙がないのが悔しいです。

 その他に、ごみ(バケツやグラスなど)を楽器として扱うショーもありました。これも「田舎町ならではの音楽」のようでとても素晴らしかったー!
この作品は「ショーの成功」を目指す人達の作品ですので「様々なショー」を色々な形で組み込んでいるんだろうなと思える演出でした。とても、良かった!

 余談なのですが、私は今まで舞台上のキスシーンってフリだと思っていたんです。しかしこの作品は違った。遠目から見てもぶっちゅーーー!!!と効果音が付くくらいのキスシーンでした。あそこまでぶっちゅー!だと清々しい気持ちになりますね。なんていうか、ディズニーのミッキー&ミニーのキスシーンのような。


■ まとめ

 シナリオはとても良かったし、演出も良かったし、とても好きな作品でした。役者の年齢層が高めだったせいか、私が嫌いな「劇団四季独特の言い回し」をしてる人が少なかったのがとても好印象です。劇団四季は好きですけどあの言い回しだけは萎えるから本当に良かった!
 もしDVDが発売されたら買いたいな~と思うぐらいには好きな作品です。楽しかった!

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