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ゲーム「Milk inside a bag of milk inside a bag of milk」感想

 ミルクを買いに行くだけ、ただそれだけの話なのにどこかイヤ~な気持ちになるゲームです。

ジャンル:アドベンチャー
プレイ時間:20分
媒体:PC(Steam)


■ あらすじ

 Steamの公式ページの紹介を翻訳したものを引用します。

(Google翻訳)
日常の些細なことがどんな挑戦になるかという短編小説。女の子がミルクを買うのを手伝って、彼女をがっかりさせない最初の人になりましょう。

このゲームは、面白い抽象化と言葉遊び、または辛い心理的エピソードのいずれかを示す小さなビジュアルノベルです。歴史が実際の出来事に基づいているという主張は具体的すぎるため、単なる抽象化と言葉遊びの集まりであると偽る方が簡単です。

まず第一に、これは言葉と形を使った芸術的な操作であり、それからゲームです。

このゲームについて

■ ゲームシステム

 システムはほぼありません。選択肢と、セーブ機能もあるけどプレイ時間の短さゆえにほぼ使わない機能になってます。

プレイヤー名入力

 日本語でも入力可能です。ゲームオーバーしてから同じ名前を入力するとちょっとした一言が帰ってきます。

ノベル画面

 全編このような見辛い形。

選択肢

 なんとなく優しい選択肢と、突き放す選択肢があります。また、選択肢で少女と会話するシーンもあります。

キーボード入力

 ネタバレになるので画像は控えますが、キーボード入力が求められます。英語入力しかダメなのかと思いきや、調べてみたら日本語入力もOKなようでした。「はい」か「いいえ」で答えよう!

公式紹介動画

 英語版ですが、公式の紹介動画を載せておきます。







~~~~ネタバレするよ~~~~





■ シナリオ

 あらすじの通り、本当に「少女が牛乳を買いに行くだけ」の話です。ですが恐らく少女は精神障害を患っており、人とまともにコミュニケーションできず、牛乳を買うことすら難しい状態です。これ以上推測しようとするとすべて各プレイヤーの解釈次第になってしまうのが本作の魅力なんだと思います。

成し遂げるのは牛乳を買うことだけ

 本作は精神障害を解決することもありませんし、母と仲良くなることもありませんし、何かしらのきっかけで少女が救われることもありません。ただ牛乳を買えただけ。ただそれだけの事が難しい少女のお話です。

世界の歪さ

 本作は少女が「牛乳を買うためにビジュアルノベルアドベンチャーごっこをしよう」と思い立ち、プレイヤー=イマジナリーフレンドが作成されます。それがゲーム開始時の名前入力だと思われます。また、プレイヤー以外にもさらに上位の存在がいて、その存在はプレイヤーが少女に冷たく接すると容赦なくイマジナリーフレンド(プレイヤー)の存在を消してきます。消去方法はバッドエンドになる、という形です。
 少女から見える世界は赤色で満ちていますし、存在する生き物は人ではなく化け物ですし、トラックは熊になっています。さらに「薬が効いている時」は世界に不協和な音楽が鳴っていますし、薬が切れるとノイズ音が鳴り響きます。あまりにも歪な世界ですが、彼女の世界ではこれが現実で、この世界こそが真実なのでしょう。

少女の精神障害

 少女に精神障害があることは明らかですが、父親の飛び降り自殺から視界が変わったこと以外は従来のものであると私は解釈しました。
少女は他人が発した言葉をそのまま聞き取れないため、最後の母親との会話の「寝なさい」「寝ろ」という発言も、英語バージョンだと一語抜けた聞き逃したせいで強い言葉になっている、みたいな言語のギミックもありそうです。日本語のローカライズはそこまで変ではないですが、元々の言い回しの方がもっと良さそうな雰囲気も感じます。
ただ母と少女の会話の温度差がすごいので、選択肢で表示されている冷たい言葉の数々は母から言われた言葉、という解釈をしても面白そうです。
 別の解釈として、自罰的になっているがゆえの選択肢の言葉、というのも良いかもしれません。自身を甘やかしたいのも責めたいのも、正常な人間ですら普通に感じることなので、イマジナリーフレンドに頼るくらい自身を甘やかしたいし、イマジナリーフレンドに言わせたいくらい自罰的になっている、という解釈でも楽しそう。







■ まとめ(ネタバレなし)

 プレイ時間は20分。私みたいにいちいち感想をメモしなければ10分くらいでクリアできるでしょう。牛乳を買いに行くだけ、ただそれだけなのにイヤ~な気持ちになること請け合いです。オススメはしない、けど気になったらプレイしてみるのも良いよね、というゲームでした。

・免責用
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備忘録用メモ。SNSでの実況スレッドです。

ゲーム感想まとめ


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