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『文』『詩』

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思ったこと感じたことを書き殴ったような文。 共感やこんな感情もあるのか、をコンセプトに。 不定期更新。
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#雪畑はずき

【未完成】173文字

未完成で良い。 理想じゃなくて良い。 中途半端で良い。 形になってなくて良い。 支離滅裂で良い。 あやふやで良い。 意味不明で良い。 一文字書くだけでも楽しかった あの頃を思い出して。 完成出来るまで足踏みしていたら、 いつまでも何も出来ない。 とりあえず吐き出そう。 吐き出しまくろう。 楽しいことも。 辛いことも。 全部、全部。 吐き出し続ければ。 きっといつか、何かになる。

【光】119文字

私の心に光が降り積もる。 きらきら、きらきらと。 シャボン玉のような ガラス玉のような 緑が茂る春の木漏れ日のような 内臓まで凍らせる冬の凍てつきのような。 温かいけれど鋭い光は 私の心を軽くもするし 重くもする。 さあ、今日はどんな光が降り積もるだろう。

詩【青】

毎日見ているはずの青 いつもどこか違う青 甘く暖かい日差しが照らす 私の門出を祝う青 弱気な心に魔法をかけて 踏み出す一歩をくれる青 明日から青の無い世界 頬をしずくが通り過ぎる 別れの言葉は使わない 大好きな青に感謝を込めて 私の青をひとしずく

文【会話というのは恐ろしい】

相手の話のペースに乗せられた。 乗ったつもりはなかったけれど。 気付いたら泥船の上。 相手の質問に答えているだけなのに。 心に爪を立てられ、牙を剥き出しにされた。 過去を否定し、未来を潰しにかかろうとするその姿は、善も悪も無い、ただの狂気のようだった。 泥船の行く先は雷鳴の中。 このまま相手と共に進みたくないと、荒波に身を投げようとすれば。 言葉の網で雁字搦めに捉えられる。 必死に逃れようと、こちらも牙を剥き出しにすると。 「そんなふうに聞こえてたの?」 「そんなつもりじゃな

詩【私の希望は君だった】

頭の中が空白だ こんなことは初めてだ 何して良いか分からない 私は 私は 誰だっけ? 疲れ果てた先にある 何かを探していたはずだ 描いた地図も空白で 私の 私の 夢は何処? 不安が隙間を埋め尽くす 希望が姿を見せなくなる 闇に落ち着き 光を嫌う こんなはずではなかったと 心の底では求めてる あのとき掴んだ私の居場所 眩しすぎて戻れない 私は 私を 変えられない あなたのままで良いんだと ありのままで良いんだと 言ってくれた君はいない 大切な君はもういない 頭の中が空

詩【ハッピーエンドは何処にある?】

私の持っていないもの 無いものねだり欲しいもの あなたが持っているもの まるごと全部ちょうだいな 奪いたいわけではないもの 価値観はみんな違うもの あなたが持っているもの 似たようなものが欲しいだけ 自ら掴みに行くもの 手のひらから溢れるもの あなたが持っているもの 私には届かないかも 気持ちだけが先走り 大切なものも見失う くるくる回って空回り ハッピーエンドは何処にある? 私の持っていないもの 無いものねだり欲しいもの あなたが持っているもの ほんとはほんとは違う

詩【春が来たら】

寒さの波が私の乾いた心に押し寄せる 会いたい人がいるのに私の足は凍りつく 無理に動かそうとすれば 氷の欠片が皮膚ごと剥がれ落ちるだろう こんな私の乾いた心を潤わせることが出来るのは あなたしかいない 私の愛しい人 寒さと氷が邪魔をして前が見ないけれど 春が来たら会いに行く 私の愛しい人 雪解け水が流れて 私の凍りついた足が溶けるまで どうか どうか 待っていて

文【私は会話が不得意だ】

私は会話が不得意だ。 人と話したあとは、必ずそう思ってしまう。 なぜなら好奇心がでしゃばり、前に進むのを止められないから。 知っていることを話したくなるから。 どうしてその考えになるのか聞きたくなるから。 未知の世界に足を踏み入れるのが楽しいから。 でもほとんどの人は、私の好奇心と理解したいという気持ちに押し潰され、黙るか怒るか、相手の言語化を手伝うかの、ほぼ三択になる。 私の知りたい気持ちはいつも置いてけぼり。 磨かれた宝石のようなつるつるの小さな小さな石を、河原から見つけ

詩【鎌鼬】

私の欲しいものを持っている人は 私を傷つける人 私の欲しいものを持っていない人は 私を止めてくれる人 どちらを選べば 私は笑っていられるのか どちらを選んだとしても 私は笑っていられないとしても もう独りになるのは嫌だ 嫌だ 嫌なのだけど 私はどちらかを選ぶなんて出来ない せめてもう一人 私を癒す人がいてくれたなら 鎌鼬みたいだねって 笑っていられたのに

詩【此処から出たいのに】文

鍵が。鍵が見つからない。 この部屋から出る鍵が。 この場所は私にとって居心地が悪いのに。 此処から出るための鍵が見つからない。 探そうとしても、足には鎖が巻き付いている。 普段は重さは感じないのに。 動かそうとすると途端にぎりぎりと締め上げてきて、ずっしりと重たくなり、足を固定してくる。 この鎖を外すための鍵も見つからない。 そのうち手も首も鎖に巻き付かれ、締め上げられるんじゃないだろうか。 二度と此処から出られないんじゃないだろうか。 そんな恐怖心が、鍵を見つからなくさせて