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着物をほどいてみました・・・。

横浜市民ギャラリー主催の大人のためのアトリエ講座「着物をほどく」に参加しました。講師は『un:ten』というブランドを主催していらっしゃる伊東純子さん。ステージ衣装、日常服、着物服の制作、各種ワークショップなどで活躍されているアーティストさんです。内容は、最初に一人づつ着物や羽織を渡されて約3時間ひたすらほどく、というもの。会場では伊東さんのプロフィールや家族写真などの興味深い画像がプロジェクターで投影されて、心地よいBGMが流れていました。
 
私が伊東さんから渡されたのはぼかしの絞り染めの羽織。大胆な抽象的な花柄が絞りで表現されています。胴裏をほどいてみましたところ、絞りの裏打ちの布が出てきてびっくり。絞りを補強して張りをもたせるために裏打ちされたよう。次に袖の裏布をほどいてみましたところ、やはり裏打ちの布が。だだし胴のものとは色が異なります。襟をほどいてみると着尺の幅を6つに折りたたんであることがわかりました。幅のうち半分は絞りとぼかし染めがあり、半分は絞りはなくぼかし染めのみ。着尺を制作する段階で羽織のために襟用の部分はこのように作り分けたのだと理解できました。ほどいてみて初めてわかる驚きがたくさんでした。
 
私は、ほどきながらずっと、会ったことのない見ず知らずの縫った人のことを考えていました。多分、いつかほどかれてまた縫いなおされることを前提に、着尺の長さ、幅を極力そのまま生かして、丁寧に丁寧に縫ったことが想像できました。いつかほどかれることを考えて縫う、縫った人のことを考えてほどく、いったいこんな服飾文化のある国が他にあるのかな? と思いました。
 
3時間はあっという間に過ぎ残りは自宅でほどきました。バラバラになったパーツを羽織の形に並べてから、いったんバラしてもともとの反物の形に並べ替えてみました。こことここがつながって、あちらとこちらがつながって・・・。知識としては知っていましたが、余すところなく一枚の反物から確かにできている!!!と実感した瞬間でした。
 
着物は日本人の知恵がたくさんつまった集合体。着物をほどいてみたら、日本の服飾文化が見えた着物がたりです。

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