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キラキラカレシ マキオ5|理想と現実の差をどう埋めるか?そこに愛はあるんか?
道で拾ったブリトーの袋が周囲の人々には料亭の弁当箱に見えている、という現象に名前をつけるとしたら?
キラキラと現実
フツーに言えばそれは彼氏のように見えるのかもしれない。
でもちっとも嬉しくない。
友達からは、
「カッコイイ彼氏羨ましい」
「あなたたちってテレビドラマみたい!」
と言われてしまう。
そうじゃない、実際ぜんぜん違う!
何度か友人に言ってみたことがあるが、ポカーンとされた。
実際の彼を知らない友人には愚痴れないが、彼はそんな人ではない。
わたしの理想が高い?
欲張りすぎ?
いいえ。
つき合いはじめてかなり経っていたというのに、一向にわたしたちの関係づくりは進んでいなかった。ルールというものが全くない状態のまま、時間だけが過ぎていく。
発展も成長もない、荒野のような関係だった。
嘘
気がつくといつも考え込んでいる。
(何をどうオペレーションしたらいい?どうすればこの関係は上向く?)
そんなことばかり。
たぶん、すごく追い込まれていた。
それなのにあいかわらず、友達から「彼氏どんな人?」って聞かれると。
「公務員めざしててイケメンでスポーツもできる。考え方もユニークで一緒にいると飽きない。たぶん誰でも気に入ると思う」と答える。
嘘ではないけど嘘です。
キラキラ盛りすぎです。
彼の現実を伝えたところで伝えられた方も迷惑なのだから仕方ない。
みんなに見える外側のマキオだけをテキトーに伝え、早々に話題を切り上げる。
マキオとかかわるようになってから。
確実にそこにある違和感から目を背けるため、必死に言葉を並べるようになった。
理想と現実のギャップを言葉で埋めながら自分にがっかりする。
なぜわたしはマキオをかばって取り繕うのか?
嘘をつく人は自信がないのだと聞いたことがある。
そのとおりだと思う。
わたしはマキオにまつわるほとんどの事に自信が持てていなかった。
転機
そんな時に転機が訪れた。
転勤!
離れた街に引っ越すことになる。いろいろ複雑ではあったけれど新しい環境での新しい生活がはじまる。ここから流れは変わるんだ。息苦しさから解放されるチャンスが訪れた。そう思えて心ははずんだ。
淡々と引っ越しの準備をした。
仕事を片付け、新居も決めた。
引っ越し前夜がたまたまマキオの誕生日だったから、軽くおめでとうと言いに行った。
おめでとう!
わたしも明日から新居なんだよ!
マキオも「ふーんそうなんだ」と言った。
ぽつりぽつりと話して、それからまた帰って、わたしは朝まで荷造りをした。
たぶんもうこれでおしまい。
わたしたちは結局、最後まで言葉で確認したことなどひとつもなかった。
いろいろこみあげてくるものもあったけど、そういうのもぜんぶ。
もうこれでおしまい。
そう思っていた。
*モラハラ・ポイント*
「あんな人だけど、守ってあげられるのは自分だけ」は共依存