おばけやしきはじめました

きょうは　おとうさんもおかあさんも　かえりがおそいのです
おねえさんは　なにかかいています
「なにしてるの？」りんちゃんは　たずねました

「このへやを　いまから　おばけやしきにするからね」とおねえさんはいいました
りんちゃんは　いやだったけれど　だまっていました

おねえさんが　こわいからです
それと　おねえさんがなんだか　たのしそうだったからです

おねえさんは　あおいセロファンを　でんきスタンドにはりつけました
スタンドをつけてから　へやのあかりをけすと…

おへやは　あおく　うかびあがりました
りんちゃんは　すこしこわいなとおもいました

でもすこし　わくわくしました
それから　おねえさんは　ベッドのしたから　おかあさんが　おばあちゃんからもらった　おにんぎょうを　とりだしました
「りんも　さわる！」
りんちゃんは　きょうみしんしん
「だめ！」
おねえさんは　ほんだなのうえに　にんぎょうを　おくと…

りんちゃんの　ぬいぐるみも　となりにおきました

「うさぎさん　かえして！」

りんちゃんのこえが　きこえないみたいにおねえさんは
「う〜ん」
と　うなると

「そこの　あかペン　もってきて」
と　いいました
「そう　それ　はやく」

「リビングの　いちばん　したの　ひきだしから　ほうたいもってきて」
おねえさんは　また　りんちゃんに　いいつけました」

「おかあさん　はやく　かえってきてよぉ〜」
りんちゃんは　こっそり　つぶやきました

りんちゃんの　もってきた　ほうたいで　おねえさんはうさぎのぬいぐるみを　ぐるぐるまきに　しました
「あっ　なにするの！」

「うさぎのミイラ　いっちょ　あがり－！」
おねえさんは　うれしそう
「え―ん！」
りんちゃんは　ないてしまいました

「あ―っ！」
りんちゃんは　さけびました
おにんぎょうの　くちのまわりが　まっかです

「あとで　ふきとるから　ばれないわよ」
おねえさんは　ちいさなこえでいいました

「まだないてる」
「ないてないよぉ〜」

「ねえ　このシーツに　おばけのかお　かいて？」

「いいよ」

「わぁ〜　こわ－い！かわいい！」

「イェーイ！」

おねえさんは　さっきのスタンドを　もういちどつけました

シーツオバケダゾ
「こわ-い！」

ウサギミイラダ
「こわ―い！」

アタシ…キレイ？
「こわ―い！」

「こわ－い！アハハ！」
そのとき　ギ－ッと　ドアのおとが…

「アハ…だれっ！？」

カチッ

オカアサンオバケダヨ〜「なにやってんの　あんたたち！」

「こわ－い！」
「ごめんなさ―い！」

おしまい